ペンギンラッシュが歌う、自愛と自由の証明。『皆空色』に込めた想いに迫る
取材を受けてくれた望世と真結には、「『皆空色』と一緒に聴きたい曲」というテーマでプレイリストを作ってもらった。ここでセレクトされたのは、Arcaやコーネリアスをはじめとした聴き手の想像力を刺激するものばかり。「ペンギンラッシュと言えばジャズ」、という先入観を持っている者は、ド頭のディープテクノで面を食らうだろう。だが、それこそが彼女達が望んだ音楽体験であり、いわばふたりが『皆空色』で目指した表現もそこにある。ペンギンラッシュの新作『皆空色』は、リスナーの感受性を揺さぶる音楽である。「嘘をつかないこと」をルールに創作された本作には、彼女達の自由な音楽的発想と、社会への偽らざる本音が詰まっている。自分達に貼られたレッテルに抗すること、女性であることの誇り、そして純粋に音楽を楽しむ好奇心…ペンギンラッシュが何に抗い、何を愛しているかについてのインタビューとなった。