取材:岡本 明

ごく自然にできた曲です

「開け放つ窓」はCMでかなりオンエアされていますね。

ビックリですね、TVから自分の声が流れてくると不思議な感じです。この曲の原型は以前からあったんですけど、CM用にピアノでアレンジしたものを出させていただきました。今回のCDにはピアノversionと弦のカルテットversionが入っています。

どういうイメージで作ったのですか?

ごく自然に出てきたものを曲にしました。なるべく自然にできる曲を個人的には大事にしたいと思ってるんです。シングルって意識すると、頭の中で考えが巡って慎重になることもあるんですけど、今回はそこから外れたところでチャンスを得たのでラッキーでした。

“連れ出して”という言葉が何度も出てきて印象に残りますね。一緒にどこかに行きたい、つながりたいという気持ちが込められているような。

そうですね。連れ出してほしいっていう意味がひとつしかないと思われがちですけど、シングルにはもう1曲、音がたくさん入ったバージョンもあって、アレンジによって同じ言葉でも違うニュアンスが感じられるかなって思ったんです。個人的には音数が多いバージョンは“連れ出して行ける”っていうエネルギーを見出せました。言葉の意味は限られてくるけれど、音はいくらでも表現の仕方はあって、そこでも学ぶことはたくさんありましたね。CMは引越しの場面ですけど、そこで、書いた私も発見があったりして、すごく面白かった。映像と一緒にこの曲が流れて、なるほど面白いなって。

声の存在も大きいですよね。やわらかい歌い方もそうですけど、押し付けがましくなくて、みんなが耳を惹き付けられます。

不思議な聴こえ方をしますね、って自分で言うのも変ですけど(笑)。こういう歌い方しかできないって言ったらネガティブな響きですけど、私が歌うとこうなるんです。お腹からしっかり声を出せっていうのが一般的ですけど、私はそれが苦手で悩んだ時期があって。でも、今のプロデューサーからそうじゃない歌い方もあるって言われて、試行錯誤して、一番自然で歌いやすい表現方法で成り立つ歌い方がこれだったんです。今後ますます自分の可能性を追求していかないといけないと思ってますね。

「なみだは乾かない」の方はブルージーな雰囲気で。ライヴっぽい感覚もありますね。

これは最新の曲なんですけど、この曲も気に入ってます。この2曲の組み合わせは自分でも面白いと思います。歌い方も違いますからね。『開け放つ窓』は優しくて静かに、こちらはノリが良くて気持ち良く歌ってる。『開け放つ窓』を手に取った方が、こういう一面もあるんだって思っていただけるといいですね。

言葉の使い方も面白いですね。

なんてことのない内容ですけど、結構直しましたね。メロディーや曲調が渋いし、言葉のハメ方もすごい重要な印象を受けたんです。曲が先だったのでメロディーが生きる言葉を選ぼうと。『開け放つ窓』は歌詞が先でした。今、話していて気付きました(笑)。最近はあまり決まりがなくなって、曲が先もあるし、同時もある、すごく自由です。そういう意味では曲の書き方に特にルールはないですね。
阿部芙蓉美 プロフィール

1983年生まれ、北海道出身。広告業界ほか、第一線のクリエイターから注目されている女性シンガー・ソングライター阿部芙蓉美。07年6月に1stシングル「群青」でメジャー・デビューするやいなや、独特の世界観を持つ歌詞で広告業界トップクラスのクリエイター集団“風とバラッド”や、数々のCMを手掛ける映像クリエイター・牧鉄馬、直木賞作家・石田衣良、さらには女優・永作博美など最先端をいく表現者達を中心に注目を集めている。

08年には、「開け放つ窓〜piano version」が中谷美紀・荒川良々出演の『ハウスメイト』CMソングに起用され、ノークレジットにも関わらず問い合わせが殺到。同年夏には、フジテレビ系音楽番組『僕らの音楽』で“番組が今、最も注目するアーティスト”として特別出演を果たす。

また、音楽だけにはとどまらず、トップ・スタイリストのソニア・パークからも支持を受け、ファッション雑誌『GINZA』ではモデルとして大抜擢された。その他にも、映画『アメリ』の脚本家が手掛けた映画『ベティの小さな秘密』日本イメージ・ソングとなり、『NEXCO中日本』企業CMソングでは名曲「moon river」をカヴァー。江川卓と小林繁の豪華共演で話題となった『黄桜』CMでは「planetary」が使用されるなど、真の実力を備えた新しいCM女王となりつつある注目のアーティストである。阿部芙蓉美オフィシャルサイト
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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