取材:土内 昇

J-POPのど真ん中をやろうと思った

今回の2ndアルバムですが、ジルデコはクラブジャズとポップスを融合させたお洒落なサウンドをやっている印象が強かったので、四つ打ちが入ってたり、サンバ的なグルーヴがあったのは、かなり意表を突かれました。

chihiRo
前作はデビューしたばかりの何も分からない状態で作っていたし、コンセプトをみんなと話し合ってなかったんですね。だから、今回は“歌を前に出す”とか、夏にリリースされるので“夏っぽいものにしよう”という共通の意識を持って作ったから、きっと明るい印象を受けられたと思います(笑)。

なぜ、歌を前に出そうと?

kubota
歌を聴いてほしいってのがありまして…というのは、いろんな人に聴いてもらいたいっていう気持ちの表れと、歌モノにする以上はサウンドをシンプルにする必要があると思っているので、どこまでシンプルにできるかってところでのひとつのチャレンジでもあったんです。だから、歌と歌詞があって、そこでどれだけ力のある曲が作れるかってことにものすごく時間をかけましたね。
chihiRo
バンドを組んだ頃はマニアックなことをやっていたので、英語で歌った方がスタイリッシュになるのにって思いながら日本語の歌詞を書いていたし、“日本語って分からなくてもいいや”って思いながら歌ってたんです。でも、今回はみんなに伝えるために、分かりやすい歌詞というものを意識したので、“伝えなきゃ”って気持ちになりましたね。だから、言葉が聴き取りにくいものは全部歌い直しました。

確かに、雑食的なサウンドと良質なメロディーと共感を生む歌詞は、いい意味でJ-POPだと思いました。

kubota
J-POPのど真ん中との距離感にこだわったというか、そこに入って行こうと思ったんですよね。今までは、そことどれだけ距離を置くかが自分たちの個性だと思ってたんですけど、今回は歌を聴いてもらって“J-POPだね”って思ってもらえるところに落とし込もうって。

歌モノを意識するようになったのは、やはりアニメ用に「光の指す方へ」を書き下ろしたことも影響しているのですか?

chihiRo
それもあります。アニメの曲を書き下ろす時に、最初は自分たちのスタイルとアニメとのバランスをどのように取ろうかと考えていたんですが、“私たちはアニメのオープニングとして最適な曲を作る任務を課せられてる”というふうにスイッチを切り替えたんですね。“自分たちのスタイルはこうだから、こういう曲はやりません”っていうのは私たちらしくないと思っていたし。で、やってみたところ、何をやってもジルデコになるんだっていう自信が持てたんで、今までやったことのなかった四つ打ちとかにもチャレンジする勇気が持てました。

今作でバンドの可能性が広がったという感じですね。

towada
そうですね。このバンドの強みとしては、ほんとに好きな音楽が幅広い…kubotaはジャズが好きで、俺はクラブミュージックが好きで、chihiRoはポップスが好きなんで、それのどこに焦点を当ててやっていくかは、今後いろいろ変わっていくかもしれないけど、「光の指す方へ」を作ったことや、田中義人さんと一緒にやったりする中で、自然な形で新しいところに行きたいっていう気持ちは常にあったんですよ。四つ打ちも昔から好きなものだったんですけど、自分らがやるっていうきっかけがなかったから、それを引き出してくれた義人さんと出会ったこともすごく大きいですね。
JiLL-Decoy association プロフィール

ジャズ/ロック/ポップスといった要素を融合させた独自の音楽性が特徴の3ピース・バンド。メンバーはchihiRo(vo)、kubota(g)、towada(dr)の女1男2編成。
元々はジャズ・プレイヤーとして活動していたtowadaとkubotaが、ロック・バンドで歌っていたchihiRoを誘う形で02年に結成。06年にシングル「like ameba」でメジャー・デビューを果たした。2ndシングル「Jolly Jolly」はTVアニメ『RED GARDEN』主題歌に起用され、瞬く間に彼らの知名度を上げた。
07年には待望の1stアルバム『ジルデコ』をリリース。ジャズの即興プレイを追求しつつ、バンド単位でのまとまったサウンドとしても成立できないだろうか?というコンセプトの元に作り出される彼らの音楽性は、1つのジャンルに凝り固まった凡百のサウンドとは一線を画す非常にハイセンスなもの。また、chihiRoの筆による文学的な詩世界にも注目したい。JiLL-Decoy association オフィシャルサイト

OKMusic編集部

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