L→R 山田貴洋(Ba&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、伊地知 潔(Dr)、喜多建介(Gu&Vo)

L→R 山田貴洋(Ba&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、伊地知 潔(Dr)、喜多建介(Gu&Vo)

【ASIAN KUNG-FU GENERATION】ロック
最前線のアジカンが描く“江ノ電”“
海”“青春”

既発シングルのカップリング曲群「鵠沼サーフ」「由比ケ浜カイト」「江ノ島エスカー」に続く湘南シリーズのニューシングル「藤沢ルーザー」が完成! そして11月には2008年2作目のアルバム発売! 止まらないアジカンの“今”を、後藤正文(Vo&Gu)に訊いた。
取材:高橋智樹

湘南シリーズの曲が初めて出てきたのが、2006年11月「或る街の群青」のカップリング「鵠沼サーフ」ですが、この頃から“このシリーズで最終的にアルバムを”と考えていたのですか?

そのぐらいの段階からずっと言ってましたね。『鵠沼サーフ』の出来が良かったのもあるし。もっと気楽に音楽を楽しんだりする時間も欲しいっていう話をしてて。

音の鳴りからして違いますからね。いかにもバンドサウンド!みたいな勢いのある、ストレートな曲と音で。

そうそう(笑)。スタジオで気持ちいい歪みを爆音で鳴らしたりって、なかなかしないじゃないですか。普段はだいたいデジタルレコーディングなんで、いろんなところに音を良くするための設定がされてて、そのハードルをクリアしないと曲ができていかないっていうやり方をしてるんですけど。みんなでガッとやって“このフレッシュなテイクがいい!”とか、そういうのをやりたいなってずっと思ってたんですよね。

歌詞に関しても、4thアルバム『ワールド ワールド ワールド』でのスケールの大きな歌詞に比べると、もっと具体的な設定と背景を持った、身近な登場人物のストーリーみたいな感じですよね。

まあ、『ワールド ワールド ワールド』は結構テーマが大きかったんでね。もっと身近なものがいいなと思って。そしたら、やっぱ“海と青春”だな、みたいな(笑)。ちょっと甘酸っぱい、切ない感じもあるといいなと思って。日々の暮らしの中にあるキラキラしたものっていうか、そういうものもすごい大切だなあと思ったし、それを歌ったり聴いたりすると、励みになったり、エネルギーになったりするなあと思って。そういう方向性でいいものをちゃんとやりたいなっていうのは、3rdアルバム『ファンクラブ』(06年)ぐらいからあったんですよね。『ファンクラブ』とかはテーマも重いし…まあ、それはやりたくてやってたんですけど、その分、置いていかざるを得ない題材もあったから、そこにフォーカスして描いてみたいっていう気分があったんで。ただ、それを何気なく描くのは難しいから、ある程度自分で“江ノ電”“海”“青春”みたいな感じで決めちゃった方が、自分の中で恥ずかしさがないし(笑)、どこまでも行けるっていうかね。

そんな“日常の中のキラキラ感”にフォーカスした湘南シリーズの中でも、この「藤沢ルーザー」はちょっと違いますよね。どこか街の憂鬱な匂いが混じっているというか。

やっぱね、藤沢をテーマにするのは難しいね。海がないからね、藤沢駅の近くに(笑)。『藤沢ルーザー』が海の歌で、キラッキラの青春が展開されてるとね、やっぱ違うんですよね。江ノ電よりも東海道線の駅っていうイメージが強いから…でも、あんまり意味とか考えないで歌詞は書いてるんで、説明しづらいですけどね。“藤沢って言ったらこんな感じ”って書いてるんで(笑)。いつもは叙情詩だから、自分の思ってること、感じてることを音楽に乗せて形にしてるんですけど、こういう詞の書き方はあんまりやったことがなかったんで、面白いなと思いましたね。

でも、これまでのアジカンのアルバムと別物になってはいない気がしますね。ラフにやってもアジカンっていうか。

そうなんですかね? これを聴いて、アジカン好きな人は“アジカンらしいな”って言うかどうか、よく分かんないんですよね(笑)。まあ、サウンド的にはすごくオーセンティックなパワーポップだから、昔から友達なヤツらは“ああなるほど、こういうの好きだったよなお前ら”って言うと思うんですけど(笑)。『リライト』とか『フラッシュバック』とかの曲のイメージからはかけ離れてるかもしれないですね。『アンダースタンド』とか『ループ&ループ』とか、そういう陽性なノリだけで押してった作品ですよね。やっぱり江ノ電あたりに行くと、そういう重い空気ないですからね。スコーンとしてて(笑)。

がっちり武装したアジカンもアジカンだけど、こうやってポーンと勢い良く音を鳴らしてるアジカンもアジカンだなあと。

まあ、ラフじゃないやり方をしてたら、このスケジュールだとおそらく僕は死んでるね(笑)。

今年だけでも、シングルとアルバム出して、ミニアルバム出して、ツアーやって、『NANO-MUGEN FES.』やって、コンピ盤出して、またシングルとアルバムですからね。普通のバンド3つか4つ分くらい動いてますよ。

そうですね(笑)。まあでも、やりたいことがある時にやったらいいんじゃないですかね。僕らも年を取っていくし、フレッシュな感覚って失われてくところもあるだろうし。1歳でも若いうちにやりたいと思いますけどね。今やりたいことは今やんなきゃなっていう…それだけなんですけどね。
「藤沢ルーザー」
    • 「藤沢ルーザー」
    • KSCL-1279
    • 2008.10.15
    • 1020円
ASIAN KUNG-FU GENERATION プロフィール

アジアン・カンフー・ジェネレーション:1996年、大学のサークルにて結成。02年にUNDER FLOWER RECORDSより発表したミニアルバム『崩壊アンプリファー』で注目を集める。そして、03年に同作をキューンレコードから異例の再リリース。その後も音源のリリース、ツアー、主催イベント『NANO-MUGEN FES.』と精力的に活動を展開。エモーショナルでポップ、詩情的かつメロディックなギターサウンドで多くのロックファンから高い支持を受けている。ASIAN KUNG-FU GENERATION オフィシャルHP

OKMusic編集部

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