L→R 喜多建介(Gu&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、山田貴洋(Ba&Vo)、伊地知 潔(Dr)

L→R 喜多建介(Gu&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、山田貴洋(Ba&Vo)、伊地知 潔(Dr)

【ASIAN KUNG-FU GENERATION】過去の
自分たちと闘うためじゃない。今、こ
の時代に新しい音楽として聴いてほし

何で売れたんだ?と思ってたけど曲が良
かったからって納得できた

聴き比べられることは前提としてありました?

どうなんだろう? 聴き比べる人はいるだろうなと思うけど、どっちかと言うと初めて聴く人が“いいな”と思ってくれたらそれでいい。世の中的に見たら、まだ『ソルファ』を持ってない人のほうが多いし、絶対。そういう人たちが“いいな”と思えるものを作りたかったんです。今の中学生が聴いて“わぁ、カッコ良い!”って言ってもらえるほうがロックミュージックとして正しい気がするんですよ。そもそも過去の自分たちと闘うためじゃないし、今この時代を生きてる人たちに新しい音楽として聴いてほしくて録ったわけだから。そうじゃないと作れないです。僕ら自身、時々聴いたりはしましたけど、いちいち聴き比べながらやってたわけじゃないし。

聴くには聴いてたんですね。

うん、“どうやってたっけ?”って(笑)。

あっ、そっち(笑)。では、歌に関してはいかがですか? あまり気負わずに向かい合えました?

ほとんど自分のスタジオで録ったので気が楽でしたね。

当時の歌詞をもう一度、今の自分が歌い直すというのはどんな感じなのでしょうか?

ディテールが大事な歌詞ではないんですよ。歌詞1曲分、全部まるごとである感情を掴みにいっているような書き方をしてるので、それは今歌っても同じかな。“何か分かるよ、この気持ち”みたいに思ってますね。何だろう? ひとつの塊として歌ってるというか。

変な言い方ですけど、歌がすごく上手くなりましたよね。例えば「夜の向こう」の低めの声域からハイに上がるところも無理がないですし、「リライト」でのシャウトもむしろ今のほうがパワーもパンチもあって。

ありがとうございます。歌は最近、上手くなったなと自分でも思います。近年は弾き語りとかもいっぱいするようになったので、声は特に太くなりました。

当時の歌に対してはどう思ってました?

歌が一番問題でしたからね。下手だなと思ってました、歌えてないなって。でも、“こう歌いたかったんじゃないんだよ”っていうところも今回で解消できたから良かったです。

そういう意味でも思い残しはないと。

うん。でも今回、前の『ソルファ』から12年後に録ったわけだから、もしバンドが続くなら12年周期で録り直すのも面白いかもしれないよね(笑)。

改めて『ソルファ』はどんな作品だと思いましたか?

いい曲がたくさん入ってるアルバムだなって、それはすごく感動しました。何で売れたんだろう?って思ってたけど、単純に曲が良かったんだなって自分たちで納得できたので。

ちなみに再録した『ソルファ』を結成20周年のタイミングにリリースするというのは最初から狙っていたもの?

20周年だから逆にGOサインが出たんじゃないですかね。何でもない時だったら、やらせてもらえたか分からない。

上手い具合にタイミングが合ったわけですね。『Wonder Future』で思い立った熱を、そのまま制作に持ち込めた?

うん。タイミングが合ったなとは思います。次に新しいものに向かうためにもちょうど良かったんじゃないかな。自分たちの一番売れた、一番世に出て行ったアルバムを演奏し直して、どういうものだったのかをもう1回、体に通すという作業は。これから何かしら変わっていく気もするし。

実際、そういう手応えも…

もっと無邪気にやっていいのかなとは思いましたけどね。あんまり難しく考えず、“何か面白い”でいいなって。

当時の無邪気さが最近はなくなってたということ?

ポップミュージック向きの無邪気さじゃなかったというか、もうちょっと技術性、実験性みたいなところに走ってた気がする。それも間違ってはいないんですけどね。逆に当時からわりとしっかり練られてる曲も結構あって、それが今になって勉強になったりもしたし。上手く言葉で説明できないけど、自分たちにとってはいい原点回帰になったなって。

懐かしんで振り返るのではなく、これからのための?

そうそう。新しい作品を作りながら原点回帰しちゃうのはすごくダサいと思うんだけど、だって原点になってる作品を作り直すんだから、そりゃ原点回帰になるだろうっていう。むしろ、原点回帰するためにやってるというかね。自分たちのベーシックに立ち返ってみることで、また新しいアイデアが出てくるのかなって、今は思ってるので。

ある意味、アジカンのターニングポイントと呼ぶべきアルバムにここでしっかり立ち返れたのは大事ですね。

ほんと、バンドにとっては一番大きな時期だったからね、あの頃は。作品の受け入れられ方とかも含めて、いろんなことが今に地続きになってるし。そういう意味でも代表作だと思います。これでもう誰にどのアルバムを渡しても恥ずかしくないですよ。どのアルバムも全部好きって言える。でも、『崩壊アンプリファー』(2002年11月発表のミニアルバム)は除く(笑)。あれは若すぎるんで。

じゃあ、次は『崩壊アンプリファー』の再録をぜひ!

しないです。あれはあれで仕方がない(笑)。『崩壊アンプリファー』を録り直すのは逆に恥ずかしいでしょ。

あはははは。どう聴かれるでしょうね、このアルバム。

楽しみです。歳を取ったって言われるかもしれないし、歳は取ったけど全然いいよって言われるかもしれない。とにかく聴いてほしいですね、持ってる人も持ってない人も。
『ソルファ』2016年11月30日発売Ki/oon Music
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL-2809~10 3996円
    • 【通常盤】
    • KSCL-2811 3146円
ASIAN KUNG-FU GENERATION プロフィール

アジアン・カンフー・ジェネレーション: 1996年に関東学院大学の音楽サークルで結成されたロックバンドで、愛称は“アジカン”。2002年にミ二アルバム『崩壊アンプリファー』が話題を呼び、03年にキューンレコードよりメジャーデビューを果たす。以降、精力的に作品を発表し続けている。音源のリリース、ツアー、主催イベント『NANO-MUGEN FES.』と精力的に活動を展開。これまで多くの作品がタイアップに起用され、21年には劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の主題歌、挿入歌を手掛け話題となった。同年、結成25周年を迎え、22年3月に10枚目となるアルバム『プラネットフォークス』をリリースし、全国ツアーを開催する。ASIAN KUNG-FU GENERATION オフィシャルHP

OKMusic編集部

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