L→R ハルカ(Vo&Gu)、ミユキ(Key&Cho)

L→R ハルカ(Vo&Gu)、ミユキ(Key&Cho)

【ハルカトミユキ】愛に飢えている人
のために歌いたい

2ndフルアルバム『LOVELESS/ARTLESS』が完成! バンドサウンドから弾き語り、さらにはダンスロックなど、音楽性の幅を広げながらも、歌っていることは真っ直ぐ。ひしひしと伝わってくる傑作についてふたりに訊いた。
取材:高橋美穂

1stフルアルバムから2年9カ月。どんな時間でしたか?

ハルカ
特に去年は毎月配信シングルを出して、野音のフリーワンマンライヴもあって、息つく暇もなく駆け抜けてきたので、改めて2ndフルアルバムを作ろうってなった時に、“あ、もう2年9カ月も経っていたんだ!?”って感じて。
ミユキ
私も“そんなに!?”って思ったんですけど、1stフルアルバムの『シアノタイプ』を出して、次のEP『そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。』を出した時は、全然曲もできないし、かなりハルカも苦しんでいたし、活動も行き詰まってしまった。それからとにかく自分を変えようとして必死に頑張って…の今なので、波みたいなものがすごくあったなって。そのおかげで、私はひねくれてしまっていた部分が全部ほどけて素直になれた。それが今回の作品で出せたと思っています。

まず、毎月シングル配信したあとのフルアルバムで、出涸らし状態になっていてもおかしくなかったじゃないですか。でも、今作は楽曲があふれ出てきたように生き生きしているというか。

ハルカ
1月まで配信していて、パタッとそれが終わって、じゃあ2ndフルアルバムを作りましょうってなった時に、“ハルカトミユキって何なんだろう?”って改めて振り返ったんですね。なりふり構わず走ってきたからこそ、できることも増えていて、だから今おっしゃってくれたように、あふれてきたいうか、素直に楽曲が出てきたと自分でも思っています。

さっき、ミユキさんからも素直って言葉が出てきましたが、素直になれた理由ってどこにあると思います?

ミユキ
私個人として、去年はどちらかと言うと外側の部分に関わってきたというか。自分が好きな80年代の音楽をアイデンティティーにしたくて、その要素をどう楽曲に入れて、どう共感してもらうかっていうことばっかりを考えていた。でも、それでライヴをやると、今まで聴いてくれていたお客さんには伝わっても、まだハルカトミユキを聴いたこともない人には全然伝わっていない感覚になってどうしたものかと…。そんな中、ハルカが4月と5月に舞台をやっていたので、私は曲作りのために長い時間をもらえて。その時に単純にもっと人に伝わるものを作りたいって思ったんです。まずはハルカトミユキの魅力が一番色濃く出せるもの、今持ち得る武器を最大限に活かせるものを作らなければいけないって、考え方が逆転したんです。そうしたら、曲が作りやすくなって。今まではハルカに対する対抗意識がすごくあったんですよね。私はストレートじゃなくひん曲がったもの、奇をてらったものを作る役割だって思っていて。でも、そもそもハルカトミユキは影響された音楽も違うし、ライヴに求めるものも違うし、それが合わさってハルカトミユキの軸になっているっていうことが、やっと2年9カ月で分かったんです。

ちなみに80年代のどんな音楽がお好きなのですか?

ミユキ
ニューロマです! きっかけはヒューマン・リーグで。ニューロマとニューウェイブって括りが曖昧じゃないですか。私としてはボーイ・ジョージとかもニューロマに入るんですね。この間、カルチャー・クラブの来日公演も行ってきたんですけど、世の中的には悲しいことも辛いこともあふれてるけど、今は思い切り弾けちゃおうよ!っていう感じが、特に大好きで。

ニューロマですか! でも、ひねくれたところをポップに出せるところとかは共通している感じがしますね。

ミユキ
つながっていたら嬉しいです。

ハルカさんも聴き手が見えて書いているかのような、真っ直ぐな歌詞が増えたような気がします。

ハルカ
今までは、物事を断定されることが嫌でぼやかして書いていたんですけど、それは恥ずかしさやカッコ付けもあったと思うんです。今回は舞台の稽古をしながら歌詞を書いていた時期があって、ハルカなんだけどその役にもなっていたり、自分が誰なのかあまり意識しない瞬間があって、それって面白いなって。役のまま書いても面白いんじゃないかとか。そうやって自由になれたら、フィクションが書きやすくなったんです。今まではほぼノンフィクションじゃないと書けなかったし、今も自分の経験から引き出して書いているけれど、そこを飛び越えることができたというか。

役者っていうのは、やってみたいことだったのですか?

ハルカ
そうなんです。歌う前からずっと憧れがあって。ちょうどご縁があって声をかけていただけて。

結構、強い言葉も並んでいると思ったんですけれど、演じているように歌えたから出てきたのかもしれないですね。

ハルカ
そうかもしれません。自分だったら言えないことも、その縛りがなくなったことで言えるようになったというか。

愛に満ちているし、またアーティスティックなアルバムだと思うのですが、“LOVELESS/ARTLESS”なんですよね。

ハルカ
この作品を作り始める時に、私の中で“ARTLESS”っていう言葉が浮かんでいて。それは“素直になりたい”とか“飾らない”という意味として。そうしたらミユキから“LOVELESS”っていう言葉が出してきて。最初は何でだろう?って思ったんですけど。愛に飢えていたりするからこそ、こういう曲を書いたし、私たちも愛にあふれているようには見えていないと思うんですけれど、そのほうが人間臭いのかなって(笑)。みんなきっと何か足りなくて、何か欠けてて、そういう人のために歌を歌いたいし。

ミユキさんは、なぜ“LOVELESS”という言葉を?

ミユキ
「Pain」の歌詞が早い段階でできていたんですね。それを見て、この主人公はなんて不器用な人なんだと思って。でも、愛されたい気持ちがむちゃくちゃ伝わってきて、自然と“LOVELESS”って思い付いたんです。自分たち自身もすごく不器用だし、そういう人間が訴える愛は伝わるんじゃないかなって。

9月の日比谷野外大音楽堂も、愛が結集しそうですね。

ハルカ
フリーライヴだった去年の野音で、47都道府県を回って帰ってきますと約束して、そのファイナルになるんですね。今朝まで大分にいたんですけど、全国のみんなに会いに行って、“あぁ、きっとみんな何か欠けてるんだろうな”って(笑)。野音も欠けている私たちが歌うから、足りない何かを求めに来てほしいですね。
『LOVELESS/ARTLESS』2016年08月17日発売Sony Music Associated Records
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • AICL-3133〜4 3990円
    • 【通常盤】
    • AICL-3135 2800円
ハルカトミユキ プロフィール

ハルカトミユキ:2012年終盤に突如現れた、歌人・ハルカと奇人・ミユキのふたり組。どこまでも言葉にこだわる時代錯誤の文藝少女のハルカと、ノイズとジャンクで踊る愛すべきフリークスのミユキ、ふたりの決して交わらないねじれの位置が生み出す音楽は、インディー流通でありながら鮮烈な印象を残し、13年11月にアルバム『シアノタイプ』でメジャーデビューを果たす。ハルカトミユキ オフィシャルHP
ハルカ オフィシャルTwitter
ミユキ オフィシャルTwitter
ハルカトミユキ オフィシャルFacebook

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