【中 孝介】改めて日本の良さに気づ
けるアルバムです

中孝介が中島みゆき、坂本九、ボーカロイド曲など、日本の素晴らしい楽曲をカバーした『ベストカバーズ~もっと日本。~』を発表。本作は日本の歌の良さ、中孝介の歌の魅力をたっぷりと味わえる作品だ。
取材:土屋恵介

カバーアルバム『ベストカバーズ~もっと日本。~』を制作する、そもそものきっかけから聞かせてください。

去年の12月25日から『もっと日本。』というプロジェクトで活動してるんですが、日本の良さと日本の曲の良さを再認識してほしいなっていう思いから始まったんです。僕は奄美大島に住みながらも、全然知らなかったことを観光客の人に教えてもらったりってことがあるんです。同じように各地に住んでる人でも、日常では見逃してる、その土地ならではの魅力ってあると思ったんです。あと、僕は音楽活動で初めて行かせてもらった土地でも、どこか懐かしく感じたりってことがあるんですよ。それが改めて日本の良さに気づくってことだと思うんです。音楽も同じで、何年経っても古さを感じさせない日本の名曲ってたくさんあって、今回そうした日本の名曲を中心にカバーさせてもらったんです。

ファンの方からも曲を募集したんですよね。

はい。ホームページでカバーしてほしいって曲をたくさんいただきました。一番リクエストが多かったのが、中島みゆきさんの「糸」。この曲はずっとライヴでも歌ってきた思い入れのある曲なんです。初めて聴いたのは高校生の時で、巡り逢う出会いを描いた歌詞の世界観に揺れる思いがありましたね。人間みんなそうだけど、いろんな人との出会いによって、人に支えられて生きてると思うんです。僕自身も音楽と出会ったからこそ、いろんな人と出会えてここにいるので。この曲をやっと音源にできたのは嬉しいです。

カバーは、どのようにアレンジしたいと思いましたか?

曲の構成は忠実にして、歌で自分のオリジナリティーを出すことを大事にしようと思いましたね。

美空ひばりさんの「愛燦燦」から、ボカロ曲の「紅一葉」など、選曲の振り幅がとても広いですね。

今回は日本の良さを知ってもらう『もっと日本。』のテーマに沿って、世代も時代も越えて、日本の名曲を歌いたかったんです。僕はボカロの曲は聴いたことがなかったんですが、初めて「紅一葉」を聴いて、すごく良い曲だと思ったんです。メロディーも和テイストで、歌詞の世界も儚くて。若くて良い作家さんがたくさんいるんだなって知りましたね。ただ、ボカロ曲を歌うのは難しかったです。元がボーカロイドが歌ってるので、普通の歌のレンジよりも広いんですよ。

人が表現できないようなメロディーの上下もありますね。

そうなんです。それを表現できるように頑張りました。あとのボカロ曲「歌に形はないけれど」「桜ノ雨」は、ニコ生に出演した時に視聴者の方からリクエストをいただいたんです。あと、坂本九さんの「明日があるさ」は、ファンクラブの人たちをスタジオに招いてコーラスをやってもらいました。初めての経験でしたね。あと、ジャケットの写真は、Facebookやメールに各地の写真を送ってもらってアートワークに入れたものなんです。なので、本当にファンの人たちと一緒に作り上げたアルバムになりましたね。

なるほど。1曲目の松田聖子さんの「瑠璃色の地球」は、平和という大きなテーマを歌った曲ですね。

この曲は、前から歌いたいと思っていた曲なんです。世界中のみんなが幸せになってほしい気持ち、争いのない世界への願い、やさしさと強いメッセージのある素晴らしい曲で、歌っていても曲と自分の気持ちがぴったりと合いましたね。

意外な曲でいえば、モーニング娘。の「雨の降らない星では愛せないだろう?」だったのですが、モーニング娘。OGの高橋愛さんと一緒に歌っているという。

みなさん意外だって言ってくださいます。歌詞の世界感も、日常で忘れてしまいがちだけど、当たり前のものこそ一番大切なんだって気づかせてくれる曲で、つんく♂さんの感性も素晴らしいなと思いました。レコーディングでお会いしたんですが、高橋愛さんの歌のパワーにびっくりしましたね。

河口恭吾さんの「桜」も、本人とコラボしていますが。

ご本人にコーラスをしてもらう、とても贅沢な感じで(笑)。僕の歌と恭吾さんの歌の表現は違うけど、ハーモニーで重なる時に、お互いの良さが出るコラボになりました。

どの曲も名曲なのですが、中さんが歌ってみて日本の名曲で共通するものはどんなところでしたか?

どれも日本人の気質が出ているところでしたね。人より前に出ず一歩引く、その奥ゆかしさが日本人の素晴らしいとこだと思うんです。あと、ストレートに表現しないところも良いところだなって。やっぱり日本人は歌詞を聴くと思うんです。言葉から連想するものを自分の人生を置き換えて曲を解釈するってことが、日本人は好きだと思うんです。人によってとらえ方が違ったり、考えさせるのは、日本人の曲の作り方としてすごいところですね。それと季節感。四季折々の歌がありますが、特に春の曲が多いのは、出会いや別れとか、いろいろな思いが交差する時期で、感情が歌に込めやすい。だから、春の歌がたくさんあるのかなって思います。

アルバムの選曲やお話を通じて感じたのは、中さんって壁がない人だなと。

よく言われます(笑)。歌ってみて素晴らしいものができるならそれでいいなって考えなんです。

だからこそ、こうしたアルバムができるんだなとも思いました。出来上がって今、どんな感想がありますか。

いろんな時代を駆け抜けられる、日本の四季折々を感じられるアルバムになったと思いますね。ファンのみなさん、いろんなアーティストの方と一緒に作り上げられて、カバーでありながらコラボアルバムになりましたね。聴いてくださるみなさんには、いろんな時代の曲を分け隔てなくフランクに聴いてほしいです。良いものは良い、日本人で良かったなと思ってもらえたらうれしいです。
『ベストカバーズ~もっと日本。~』2013年07月31日発売Ariola Japan
    • 初回生産限定盤(DVD付)
    • BVCL-519~20 3800円
    • 通常盤
    • BVCL-521 3059円
中孝介 プロフィール

アタリ コウスケ:鹿児島県奄美大島出身、在住。“地上で、もっとも優しい歌声。”と称される奄美大島のシマ唄で培われたコブシ回しが独特なヴォーカリスト、表現者。高校生の頃、独学で奄美大島伝統の民謡であるシマ唄をはじめ、2000年の奄美民謡大賞で新人賞。同年、日本民謡協会の奄美連合大会で総合優勝を果たした。06年3月にシングル「それぞれに」でデビューし、史上初となる九州全県FM同時パワープレイなど23局ものパワープレイを獲得。以降、「花」「夏夕空」など多数のヒット曲を放つ。中 孝介 オフィシャルHP
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