【近藤晃央】言葉だけじゃない、それ
以上のことを伝えるために

昨年リリースした2枚のシングルが好評のシンガーソングライター近藤晃央が、3枚目のシングル「らへん」をリリース。心の奥深いところにある気持ちを、優しく力強く歌った普遍的なバラードに仕上がった。
取材:榑林史章

アッパーだった前作の「テテ」とは違い、3rdシングル「らへん」はバラードですね。

これは、音楽を本格的に始めた4年前くらいに作った曲で、ストリートライヴをやってる頃から、ほぼ毎回歌っている僕の名刺代わりみたいな曲ですね。

じゃあ、ファンの方にはお馴染みと?

そうなんですけど、ちょこちょこ変わってるところがあるので。例えば、2番を増やしていたりとかしています。

前作の「テテ」もそうですが、“らへん”というタイトルを見て、何だろう?と思いました。

これは最初に“らへん”という三文字が浮かんで、それでパパッと書きました。曲によって違いますが、この曲はタイトルが先で、歌詞とメロディーはほぼ同時進行でしたね。

でも、“らへん”って、なかなか浮かばないですよ。

う~ん、僕は曖昧な表現が好きというわけでもないのですが、両極端ではなくて、真ん中の表現というか、少しぼやけた感覚が好きなんです。だから、“らへん”と浮かんだ時は、僕好みの言葉だなと。同時に、その時に思っていた気持ちとも上手く重なったので…。考えて作ったのではなく、感覚的にサラッと、わりと素直に書いてできた曲でした。

「テテ」もそうですが、人と人のつながりや、言葉にできない想いを歌っていて。歌詞やサウンドは曲によって違えど、伝えてることはずっと変わってないのかなと思いました。

意識はしていませんが、良く言えばブレてないと言えるし、悪く言えばそれしか歌えないと言えるのかもしれないし(笑)。「らへん」はサビで《言葉じゃどこか足らない》《言葉じゃどこか余計な》と歌っているのですが、これはラブソングとは言ってますが、必ずしも恋人同士ということではなくて、自分の大切な相手に対する気持ちと思っていただければと思います。人間って他人のことをなかなか自分のこと以上に大切にできないし、自分にとっての得や利益をどこかで優先してしまうところがあって、僕自身にもそういうところがあるし。でも、他人を大切にしたいと思うのは本当だし…。

そういう相手に、気持ちを伝えたいと歌っている?

感謝とか“ありがとう”とか“好きだ”とか“愛してる”とか、そういう言葉だけじゃないそれ以上のことを伝えられたらいいし、残せたらいいなと思うんです。それにはどうやって?とひたすら考えた先に、ぼんやりと見えてきたのが、自分にそう思わせてくれた相手も、自分が思ってるのと同じように思ってくれたら一番いいなっていうこと。つまり、僕の“ここらへん”の気持ちと、君の“そこらへん”の気持ちが同じだったらいいなと。そのためにどううするか?というのは、聴いた方それぞれの伝え方があると思うんですけど、お互いにそう思える関係になれたらいいなという願いを歌っている曲でもあります。

ある意味で、普遍的なことを歌ってる?

そうですね。だから、20年後とか30年後に自分でこの曲を聴いた時、“若いな”とは思わないと思いますね。

4年前に作った時は、今回のようなピアノやストリングスの入ったドラマチックなアレンジを考えていたのですか?

最初はもう少し、アコースティックギターが多めの感じだったと思います。今回は亀田誠治さんにアレンジとプロデュースをしていただいて、当時とはがらりと変わった印象がありますね。亀田さんとは今回初めてだったのですが、いろいろお話をさせていただきながら、一緒に考えていきました。2番を新たに作ろうと提案してくれたのも亀田さんで、ずっと歌い込んできた曲なので、最初はちょっと抵抗があったけど、せっかくだし新たに見えることもあるだろうと前向きにとらえてチャレンジして。結果的に新しい曲の世界が広がったと思っています。

レコーディングはどのように?

ストリングス以外、僕はアコースティックギターで一緒にいっせーので一発録りしました。実は僕自身、せーので録ったのはこの曲が初めてだったんですけど、すごく楽しくて! やる度に毎回違うし、ライヴ感がいいなって。亀田さんはベースで、ドラムは河村カースケさん、ピアノは斎藤有太さん、ギターは石成正人さん、ストリングスは金原智恵子ストリングスのみなさん。レコーディングが終わって、みなさんに“すごくいい曲だ”と言ってもらえたのは印象的でした。亀田さんもずっと“本当にいい曲だよ、これ!”って、リップサービスにしても言いすぎじゃないか?って思うくらい言ってくれて(笑)。でも、自分が作ったものが愛されて、愛してくれた人が音を入れてくれて…そういう制作はすごくいいなって。

カップリングの「3度目の告白」ですが、3度目というのは?

簡単に説明すると、僕から君へが1度目の告白で、相手が受け入れてくれた上で君から僕へが2度目、それを共有できる僕たちが好きだというのが3度目です。

どこか「らへん」とつながってる感じがしました。

「らへん」のカップリングに収録するということを意識して作ったので。カップリングは毎回リード曲のレコーディングが全て終わってからのギリギリで、イチから作り始めるんです。だから、毎回リードを意識してはいますが…今まではリード曲がマイナー調だったらカップリングはメジャーとか、対照的なものが多かったんですけど、今回はバラードに対してミディアムスローという、近い感じのものをあえてやってみました。

そして、6月には1stツアーがありますが、意気込みは?

僕って“めっちゃ頑張ります!”とか言うようなタイプの人間ではないので、熱いことは何ひとつ言えないんですけど(苦笑)。でも、全カ所バンドで回るのは初めてだし…バンドでやるのが初めての場所もあるのですごく楽しみです!
「らへん」2013年05月15日発売DefSTAR RECORDS
    • 初回限定盤(DVD付)
    • DFCL-2000 1200円
    • ※ボーナストラック 「らへん-アコースティックver」収録
    • 通常盤
    • DFCL-2001 1000円
近藤晃央 プロフィール

コンドウアキヒサ:中学時代に聴き始めたパンクをきっかけに、邦洋問わずさまざまな音楽を聴いていく中、昭和歌謡にはまり、傾倒。そこから影響を受けた独自の“和メロ”をベースに、歌とアコーステックギターをかき鳴らし、さまざまな音楽性がクロスオーバーし、懐かしくも新しい独自の音楽を生み出している。2012年9月19日にシングル「フルール」でメジャーデビュー。近藤晃央 オフィシャルHP
近藤晃央 オフィシャルYouTube
近藤晃央 オフィシャルTwitter

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • POP TUNE GirlS / 『佐々木小雪のイラスト花図鑑』
  • POP TUNE GirlS / 『涼水ノアの、ノアのはこぶ絵』

新着