L→R 長堂祐子(Gu&Cho)、渡名喜幸子(Vo&Gu)、玉城裕未(Dr&Cho)、宮城佐野香(Ba&Cho)

L→R 長堂祐子(Gu&Cho)、渡名喜幸子(Vo&Gu)、玉城裕未(Dr&Cho)、宮城佐野香(Ba&Cho)

【FLiP】ロックの中で女であることを
肯定できた

ガールズバンド…ながら爆音で聴き手を凌駕する、沖縄出身の4人組FLiPの1stアルバム『未知 evolution』が完成! “ロック”と“女性”と“日本”という彼女たちを構成する要素がごろりと表れた、等身大の仕上がりになっている。
取材:高橋美穂

初めてのフルアルバムですが完成してどうですか?

サチコ
完成して、中身がやっと分かったような感じだったんですよね。もともとコンセプトがあったわけではなかったので。一曲一曲大切に作って、全部を収録した時に最初に出てきたのは、濃いアルバムだねっていう言葉でしたね。FLiPはきっと頭脳系と肉体系なら、肉体系のバンドだと思うんです。だから、感覚が先に行くと思うので、コンセプトを作るよりも、自分たちが作りたい曲を作ったっていう。
ユウミ
あとはライヴを意識して作った曲なんで、曲順もセットリストを組むような感じになってます。前のミニアルバムの『mulu mole』もライヴを想像しながら作ったんですけど、ツアーを回って、もっと盛り上がる曲が欲しいとか、お客さんのレスポンスが期待してたより薄かったっていう反省点も生かして、いろんなテイストを入れました。
サチコ
爆音が好きなバンドだと思うんです。ステージでも中音がデカいってよく言われてて(笑)。でも、変化してることがあって、今まではステージの上だけでのライヴだったっていうか。お客さんとつながりたいのに、どうやっていいか分からなかったんですよ。それが、だんだんライヴハウスがひとつの空間になってきてる感覚があって。だから、今回もお客さんとつながるための楽曲を作ったっていう。

また、今回はユウコさんやサヤカさん、そしてプロデューサーのいしわたり淳治さんも歌詞を書いていますが、そういう歌詞をサチコさんはすんなり歌えましたか?

サチコ
今となっては。最初は人が書いた歌詞が、すっと入ってこなかったんですよ。自分自身で歌詞を書きたいっていう願望も強くて。でも今回、フルアルバムを作るにあたって、幅が広い方が聴いてる人も楽しいだろうし、FLiPとしても大きくなれると思ったから、みんなの作詞も全然問題ないよって気持ちでできて。その人の個性って出るなって思いましたね。サヤカの歌詞は和み系っていうか可愛らしいし、ユウコの歌詞は堂々としててワイルドだし。でも、FLiPのカラーが軸にはなってるので。

ふたりは、書く上でどういうことを考えました?

ユウコ
サチコが歌うのは気にしましたね。人間性から逸れすぎたら、歌にも説得力がなくなるので。
サヤカ
自分も、自分が書きたいことを書いた上で、言葉使いとかはサチコが歌うのを想像したりしましたね。
サチコ
淳治さんの歌詞も、メジャーデビューからずっとプロデュースしてもらってきて、信頼や尊敬があるから歌えたんだと思います。

淳治さんとは歌詞以外では、どんなコミュニケーションをとっていたのですか?

ユウミ
曲が一番生き生きするためにどうすればいいかを、うちらで考えるきっかけをくれましたね。答えを教えるんじゃなく。だから、うちらもまとめやすくなったし。

聴いていると、エモーショナルでダークで、歌謡曲からの影響を感じさせるような楽曲が増えましたよね。

サチコ
エモーショナルとかダークっていうのは、もともと持っていた要素なんです。でも、歌謡曲は最近の傾向で。メロディーの参考に歌謡曲を聴くこともあるんですけど、やっぱり譜割が綺麗なんですよね。日本語がはめやすくて。今までUSロックを聴いてきたけど、日本語をはめにくいことがあって。プラス沖縄の民謡が体に入っていたりとか。それで新曲が歌謡曲テイストに鳴ってるんだと思います。意図的に歌謡曲っぽくしようとは思ってないんです。FLiPはいろいろとミックスされているんですよね。

また、女性らしい艶やかさも感じました。

サチコ
女性だからこそ作れた一枚だと思いますね。歌い方も歌詞も、ありのままの自分でいいんだって思えて。今まで、ロックだから尖ったような感じにしたいって、優しいサウンドや歌を自分自身が拒んでたと思うんです。思春期の反抗みたいな(笑)。でも、淳治さんが作詞の時に“サチコが優しい歌を歌ってもいいんじゃない?”ってラフに言ってくれて。今まで男勝りとかいうレッテルが付いて、女らしく歌ったらいけないんじゃないかって思っていたけど、そのひと言があって、ピンと張ってた部分が柔らかくなって。それと日常のいろんなものが積み重なって。ステージに上がれば男も女も関係ないと思ってるけど、ロックの中で女であることを肯定できるようにはなりましたね。

それはライヴを重ねて、お客さんに等身大でいいっていう自信をもらったところもあるんじゃないですか?

サチコ
ありますね。最近思ってるのが、自分は曲を作らないとダメだなって。曲を作るのを止めたら不安になると思うんです。聴いてくれる人がいるのが支えだし。ライヴでも目の前にいる人の笑顔が、充実して見えるんですよね。

特にライヴで楽しみな楽曲はありますか?

4人
「平成ジュラシック」!
ユウコ
お客さんともコール&レスポンスできるし!

その次に収録されている、温かいラストナンバー「茜」との振り幅も、FLiPそのものですよね。

サチコ
これから進化していく上で…最近、沖縄を離れて、東京に部屋を借りたんですけど、そういう状況だからできた曲だと思うんです。温かい気持ちと抱いてる希望を描くことで、次につなげたいと思ったんですよね。
FLiP プロフィール

フリップ:05年10月6日(金)沖縄那覇市国際通りのマクドナルドにて高校2年生だった渡名喜幸子(vo&g)が「とにかくカッコイイ女の子バンドを組みたい!!」という強い衝動から、中学時代の同級生である(g&cho)に相談を持ちかける。その後高校の同級生、宮城佐野香(B&cho)、玉城裕未(dr&cho)が加わりFLiPを結成。バンド名のFLiPは、「弾く」「ぴしっと打つ」などの意味合いを持つ。

沖縄・那覇市を中心にライヴ活動を続けるなか、08年6月にMONGOL800を輩出したインディーズ・レーベル<ハイウェーヴ>より1stミニ・アルバム『母から生まれた捻くれの唄』をリリース。09年3月には、テキサス・オースティンで行われた『SXSW 2009』に参戦、そのまま全8ヶ所9公演を廻る全米ツアーを敢行。その後、チャットモンチーや9mm Parabellum Bulletを手がけるいしわたり淳治をサウンド・プロデューサーに迎えて10年3月、<デフスターレコーズ>よりミニ・アルバム『DEAR GIRLS』でメジャー・デビュー。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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