デビューから5年間のコラボレーションワークスの集大成。32曲を65分に凝縮したMIX CDをノンストップで聴けば、彼女の守備範囲の広さはもとより、驚異的なアーティストパワーを体感できるはず。
取材:金澤隆志

May J.さんが参加した客演曲と自身のコラボ曲の集大成といった内容ですが、MIX CDという形態にした理由は?

自分のCDに収録されているコラボ曲以外に、参加させていただいた客演曲もたくさんあって、そういったものを含めると全部で40曲近くになるんですね。いつかそれらをひとつにまとめて、アウトワークスの集大成的なものを自分の作品として発表したいとずっと思っていたんです。ただ、各曲を1曲丸々収録してしまうと、3枚組ぐらいになってしまうので(笑)、良い部分を凝縮して聴かせることができるMIX CDという形態にしようということになったんです。

ミックスを手掛けているのはDJ WATARAIさんですね。

私の音楽性をデビュー当時から現在に至るまで5年分の全てを知っている人にお願いしたかったんです。それで1stアルバムの『Baby Eyes』や、最近では『ONE MORE KISS』のリミックスを手掛けていただいたDJ WATARAIさんにお願いすることにしたんです。

32曲をノンストップで聴けるというのは、オリジナルアルバムとはまた違った楽しみ方でしょうね。最初にミックスされたものを聴いた時の感想は?

すごく聴きやすいなと思ったのと同時に、私にとってはどの曲も思い入れがあるので、いろんな感情が沸き出てきましたね。それぞれのアーティストさんたちとコラボレートした時の風景が次々に頭の中を巡って、まるでタイムスリップするような感覚。デビュー当時の歌を改めて聴くと、すごく初々しい(笑)。でも、今歌ったらまったく違うものになるだろうし、その時にしか出せない初々しさなのでそれはそれでいいかな(笑)。ファンの方も、デビュー当時から聴いてくれている人なら時の流れを一緒に味わってもらえると思うし、最近私を知った人なら“こんな曲もやっていたんだ”と思ってもらえるだろうし。

これだけ多くのアーティストとコラボレーションをしていると、思い出もその数だけあるでしょうね。特に制作時の風景が鮮明に残っている曲はありますか?

『Stronger』という曲を録ったのは、新たなステップを踏み出したいという気持ちが強かった頃で、いろんな葛藤を抱えていた辛い時期だったんです。“もっとこうしたい”という欲求が高まってきていて。そんな時、"E"qualさんが私に興味を持ってくださって、声をかけていただいたんですね。それまではスタッフと一緒にゼロから曲を作るというかたちだったんですが、この時は大半の部分を自分に任せてくれて。“これは絶対に良いものを作らなきゃ”という意識を強く持ち、それをやり遂げることができた時、大きな自信になったんです。当時のアグレッシヴな感情が全て詰まった曲ですね。『KANSHA』は高校時代の親友がいるThe New Classicsとの共演が実現して、夢がひとつ叶いました。まさか高校の友人と一緒にコラボレートできる日が来るなんてって。WISEくんをはじめ、全員インターナショナルスクールの出身でよく知る仲だったこともあって、ファミリー感が出ていますね。

このMIX CDを通して聴くと、音楽性の幅広さに驚かされます。R&Bからヒップホップ、ポップス、ロックというさまざまなジャンルの楽曲を網羅していることがシンガーとしてのMay J.さんの許容範囲の広さを物語っているように感じました。

デビュー当時はR&Bシンガーとしての意識が強かったんですけど、同時にポップスやスタンダードなものも大好きで、それらが自分のベースになってる部分も大きいんですね。いろいろなことに挑戦していかないと、成長を続けることができないという気持ちが強く作品に表れていると思うんです。例えそれが自分にとって未知のことだとしても、素直に受け止めることができたのは、“これを歌いこなすことができれば、必ずひとつ成長できる”という確信があったから。私がクリスティーナ・アギレラやビヨンセといったアーティストを尊敬しているのは、彼女たちが常に新しいことに挑んでいるからなんです。バラードを歌ったと思えば、ダンサブルな曲でカッコ良く踊ったり、ロックで尖った表現もできる。私もそんな、ひとつの枠に収まり切らないアーティストでありたいんです。でも、それと同時に“これがMay J.”と言い切れる土台を持っているという。

この作品をひとつの区切りとして、“今後はこうしていきたい”というビジョンも見えてきたのでは?

今回ひとつ確信できたのは、自分が強く伝えたいメッセージを常に持ってさえいれば、どんなことに挑戦しても必ず自分を表現することができるということ。これからもさまざまなことに興味を持ち、吸収し、自分の言葉で発するというプロセスを大切にしていきたいです。

今後音楽的に挑戦してみたいこと、コラボしたいアーティストがいたら教えてください。

いろんなことにトライしていきたいけど、それこそ強烈にシャウトするぐらいのロックなんてやってみたいですね。自分の声質的にもそういうのって合っているように思うし。コラボしたいアーティストは、これまでは久保田利伸さんと言っていたんですが、前作『Colors』で実現したので、次はぜひ平井 堅さんとコラボできたら嬉しいです!

最後にこのアルバムを漢字一文字で表すと?

“謝”。今まで出会ってきたたくさんの人たちの存在抜きには絶対に作ることができなかった作品だし、そうした人たちがいて今の自分がいる。“こうなりたい”と成長したい気持ちを持てたのも全てコラボレーションアーティストの皆さんのおかげなんです。その感謝の気持ちが全てですね。
『WITH 〜BEST collaboration NON-STOP DJ mix〜』2011年04月27日発売rhythm zone
    • CD+DVD
    • RZCD-46803/B 3500円
    • CD
    • RZCD-46804 2500円
May J. プロフィール

1988年生まれ。
日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持ち多彩な言語を操るマルチリンガルアーティスト。日本で生まれ育ちながらも、家庭環境により培われた語学力、和の心を持ちつつ様々な経験によりソングライティングやダンス・パフォーマンス、ピアノの弾き語りをもこなす。

2006年にミニアルバム「ALL MY GIRLS」でデビューし、現在までにシングル3枚、ミニアルバム1枚、アルバム1枚、DVD1枚をリリース。
自身の作品では、Verbal(m-flo)、KEN-U、TARO SOUL等と共演、REMIXではSTUDIO APARTMENT、FPM、BUZZER BEATS、 DJ WATARAIらも参加。また、feat.での参加作品はZEEBRA、DJ PMX、”E”qual、 WISE、クレンチ&ブリスタなどのHIP HOPシーンから、キマグレン、鈴木雅之などのポップフィールドまで、多くのアーティストと共演する。

ずば抜けた歌唱力と表現力、また彼女独自のエキゾチックなフレイヴァを武器に、2008年、rhythm zoneに移籍。また、同年より世界180の国と地域に放送されているNHK WORLDの音楽番組「J-MELO」のVJを務める。(NHK総合テレビでも放送)May J. オフィシャルHP(アーティスト)
May J. オフィシャルブログ
May J. オフィシャルTwitter
May J. オフィシャルFacebook
May J. オフィシャルYouTube
May J. オフィシャルインスタグラム
Wikipedia

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • POP TUNE GirlS / 『佐々木小雪のイラスト花図鑑』
  • POP TUNE GirlS / 『涼水ノアの、ノアのはこぶ絵』

新着