【沢井美空】“あなたを残してあたし
も死ねません”

結婚ソングとして名高いnavy&ivory「指輪」のアンサーソングにトライ! ニューシングル「指輪 ~あたし、今日、結婚します。~」はシンガーソングライターとして、自分の可能性を広げていこうとする沢井美空の意欲作だ。
取材:ジャガー

経験をもとに曲を作られる美空さんが、今回は結婚をテーマに歌うというので驚きでした。しかも、アンサーソングという。

今年の春に高校を卒業して、“私は歌でやっていくんだ!”とすごく気が引き締まったんですね。CDをリリースすること自体もすごいことじゃないですか。そういったことを改めて感じていく中で、曲に対する思いにも変化が出てきました。これまでは“今だから歌えるもの”を大切に歌ってきましたが、もっと私自身視野を広げていこうと…学生目線の歌だけじゃなくて、世界観を限定せずに音楽をやっていきたいって思ったんです。なので、今回は一歩踏み出してみようと思い、navy&ivoryさんの『指輪』へのアンサーソングに挑戦させていただきました。正直、高校を卒業したばかりの私が結婚をテーマにして、リアルなもの…私の思いとしてかたちにできるのか、聴き手のみなさんに共感してもらえるのか、いろいろ不安な点もありましたが、今の私が描く“結婚”というものをうまく表現できたんじゃないかと思います。

男性目線で一生の愛を誓っている原曲に対し、「指輪 ~あたし、今日、結婚します。~」では女性側の一緒に人生を歩んでいくんだという決意が歌われていますよね。後半での《守ってもらうだけの愛じゃなく あなたを守りたい》という言葉は力強くもあり、絆の深さが感じられました。

原曲で《君を残して僕は死ねません》と言ってもらっているので、《あなたを残してあたしも死ねません》で締め括りたいなっていうのは最初から考えていました。で、そこに結び付くまでには、彼女が気持ちの面で強く成長して、“彼を守れるようになっていくんだ!”と決意するまでをストーリー仕立てで描いてみたら面白いんじゃないかと思い、こういう歌詞にしました。

言葉を噛み締めるように聴くことができた同曲ですが、言葉選びはこれまで以上に慎重になったのではないですか?

そうですね。もともとがストレートに響く歌なので、上手な比喩表現ではなく、聴いてくれた方の心にストレートに届くような言葉を大事にしました。

歌入れに関してはいかがですか?

気合いを入れすぎて時間がかかっちゃいました(笑)。レコーディングのために大阪から東京へ向かおうと新幹線に乗っていたんですけど、大雨で新幹線が止まってしまって。それで4時間半ぐらい閉じ込められてたんですよ。その間中ずっと原曲を聴いて、イメージを膨らませてたんですけど、いざレコーディングに入ると気持ちが入り込みすぎてしまいました。navy&ivoryの下地さんはすごく心を込めて歌われる方だし、特徴のある歌い方で、雰囲気が近づいてしまって…でも、花嫁さんはどんなことを思うんだろうってもう一度考え直して、スタッフさんに結婚エピーソードや写真を見せてもらったりしながら、言葉や感情を大切にして、“幸せ”って言葉を使わずに幸せを詰め込んで歌いました。

MVではさまざまな方の結婚式の模様が散りばめられていて、新郎新婦、両家の家族、友人…と、みなさんの優しい表情が素敵ですよね。美空さんもこれまでにない穏やかな表情で歌われているのも印象的でした。

私はこれまで発表してきた曲が曲だけに“失恋の子”って言われてきて。今回はどうしても“幸せな子”になりたかったんです(笑)。そこで、MVでも私は幸せのシンボルという立ち位置になれたらいいなという思いがあったので、レコーディングで歌った時の感情を呼び起こしながら、やわらかさ、幸福感、温もりを意識していましたね。

これだけ丁寧に気持ちを込めると、結婚への憧れも強くなったりするんじゃないですか?

そうですね。自分の結婚はもっと先だろうなって漠然と考えたりしたことはありましたが、これだけいろんな方たちの幸せに触れると“結婚って素敵だな!”って、結婚への意識は高まりましたね。

続く「ダーリン」も、歌詞と曲ともに明るいナンバーで。

今回は失恋の曲は一曲もありません(笑)。このシングルは幸せが詰まった一枚にしたかったので。幸せという点では同じなんですけど、『指輪 ~あたし、今日、結婚します。~』とはまた違った幸せ…人を好きになったら周りが見えなくなるし、周りに何を言われてもその声すら耳に入ってこない。ただその人が好きっていう、好きになった瞬間を切り取って書いた曲です。今までになかったものを作りたかったし、もっとライヴでも盛り上がれるようなアップテンポな曲もリスナーの方に聴いてもらいたいと考えている時にサビの歌詞とメロディーが浮かびました。

歌っていても楽しくなる曲ではないですか?

普通はノリやすくて、歌いやすい曲調だと思うんですけど、私にとっては新鮮だったので感覚を掴むまでに時間がかかってしまいました。でも、一度ノッたらハイテンションで歌えましたね。

最後の「ヒトシズク」は、夢に向かっていく姿に奮い立たせられた曲でした。決意したのは自分、行動したのも自分。そこに後悔も迷いもないけれど、慣れない環境でほんの少し寂しさを感じてしまう時もあって…状況は違えど、こういったことは誰もが経験することなのかなと思いました。

高校二年生の夏に上京してきたんですけど、その時に書いた曲です。上京してからも大阪でのお仕事もあるので、帰る機会はあるんですけど、東京へ戻る時の新幹線で今まで感じたことのない寂しさというか…どういうふうに言葉にしていいか分からない、心の中にぐちゃぐちゃっとしたものがあったんですね。それをそのまま書いていった曲なので、すごくリアルな私の気持ちです。デビュー前からライヴで歌っていた曲なんですけど、大切にしていた曲なので、やっとかたちにすることができて嬉しかったです。ずっと東京に憧れて、高校生で上京するんだって思ってたし、上京したら歌手になるんだって思っていたので、東京で寂しさを感じた時にそういった気持ちを思い出すと自分自身励まされて、頑張れるんですよね。
「指輪 〜あたし、今日、結婚します。〜」
    • 「指輪 〜あたし、今日、結婚します。〜」
    • SRCL-8136 〜7
    • 2012.11.07
    • 1500円
沢井美空 プロフィール

サワイミク:1993年9月16日生まれ、大阪出身のシンガーソングライター。“音楽で気持ちを表現したい!”という気持ちから、作詞作曲活動を開始。聴き手の心に訴えかける歌詞、美しい旋律、耳に残る柔らかな歌声が魅力。11年5月にシングル「あたし、今日、失恋しました。」でメジャーデビューを果たし、13年6月に待望の1stアルバム『センチメンタル。』を発表。その後、TVアニメ『キルラキル』のエンディングテーマ「ごめんね、いいコじゃいられない。」など、アニメタイアップなども手がけるようにもなり、15年3月に2ndアルバム『憂鬱日和。』をリリースした。沢井美空 オフィシャルHP
Sony Music Records

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • POP TUNE GirlS / 『佐々木小雪のイラスト花図鑑』
  • POP TUNE GirlS / 『涼水ノアの、ノアのはこぶ絵』

新着