タイアップ曲ばかりを集めた、自身初のベストアルバム。そこで歌ってきたさまざまな世界が、Suaraというシンガーを作り上げている。
取材:石田博嗣

初のベストアルバムが発表されますが、なぜこの時期に?

ベストアルバムを出そうという話は以前からあったんですけど、この時期ということに関しては特に意味はないんですよ。デビュー以来、いろんなアニメやゲームの主題歌を歌わせてもらってきて、たくさん曲が溜まってきたんで、ここらへんで一回まとめておこうかって。なので、自然な流れですね。

タイアップ曲というのは作品ありきなので、やはりオリジナル曲を歌うのと曲に向かう気持ちも変わるのですか?

歌の背景にそれぞれの作品の世界観があるっていうことでの違いはありますけど、純粋に“歌”ということではそこまで変わらないですね。自分が作った曲でもそうなんですけど、その曲が本来持っている良さを存分に引き出す…歌手として、その曲をどう表現するかっていうところでは一緒なので。

タイアップするものの世界が反映されていて、例えば「BLUE」はディープで、「Free and Dream」はロック調だったりするのですが、それは毎回チャレンジする感じで?

そうですね。どう成り切るかって(笑)。“こういうふうに歌ったら聴き手が気持ちいい”だったり、作品のプロデューサーさんが考えている“こういうふうに表現してほしい”というようなことだったり、ある程度の正解がそれぞれにあると思うんですよ。いかにそこに近づくことができるかって感じで歌っているので、今まで飛び込んだことのない世界に毎回入っていくイメージですね。『Free and Dream』にしても、カラオケとかでロックを歌うのは好きなんですけど、Suaraとして楽曲を表現しないといけないというところで苦労しました(笑)

ちなみに、本作の中で思い入れのある曲というのは?

かなり初期の曲ではあるんですけど、『夢想歌』ですね。アマチュアの頃も含めて、こういう明るい曲を歌ったことがなかったんですよ(笑)。それがまず最初のチャレンジだったし、テレビアニメのオープニングということでのプレッシャーもありましたし。Suaraっていう名前を知ってもらうきっかけになった曲であり、アニソン歌手への仲間入りができた大事な曲ですね。この曲があったからこそ、今もまだ歌い続けられている…しかも、海外へも歌いに行かせてもらっているという意味でも、この曲の存在の大きさは計り知れないですね。

では、本作を聴き返して思うことは?

新たに録り直したものもなくて、今まで出してきたタイアップ曲を集めただけのベストアルバムなんですけど、いい作品になったなって思います。これだけいろんなジャンルの曲を歌わせてもらってきたことが、Suaraの個性を作ってくれていると思うんですよ。Suaraらしさを言葉で表現するのって難しいんですけど、この28曲のタイアップ曲がまさにSuaraらしさなんじゃないかなって。ファンが抱いているSuaraのイメージって、ダークなヘヴィバラードを歌い上げる姿が強いと思うんですね。でも、それだけが真骨頂ではないというか。いろんな楽曲を歌ってきたということがSuaraらしさであり、それが真骨頂なのではないのかなって思いますね。

そんなアルバムを引っ提げてのツアーが控えていますが、当然ベストな選曲になると?

このアルバムが中心になります。なので、アニメファンの方々にも遊びにきてほしいですね。もちろん、今までのアルバムだったり、カップリングだったりのライヴの定番も織り交ぜつつやっていきたいなと。まぁ、集大成ですね(笑)
Suara プロフィール

スアラ:学生時代からバンド/ユニットを組み、精力的にライヴ活動を行なう。2005年9月に「睡蓮-あまねく花-」でデビュー。TVアニメ『ToHeart2』のエンディングテーマ「トモシビ」、同じくTVアニメ『うたわれるもの』のオープニングテーマ「夢想歌」を歌うなど、その歌声がアニメ・ゲームファンをはじめとする広い層に届き、注目を集める。10年から香港・韓国などでライヴを行ない、韓国や台湾でもCDを発売するなど、ワールドワイドな広がりをみせている。“Suara”とはインドネシア語で“声”を意味する。Suara オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。