東日本大震災を受けて、急きょ無料配信された「紫陽花」。なぜNIKIIEはこの曲を届けたいと思ったのか、そこにどんな想いが込められているのかを語ってもらった。
取材:土内 昇

無料配信されている「紫陽花」は、もともとは3rdシングルとして出そうとしていた曲なんですよね。

デビュー前から3rdシングルにしようと決めていました。この曲には“思うだけじゃなくて、しっかりと伝えられる人になりたい”っていう願いが込められているんですね。私が歌っていく上で根っこの部分にある曲だと思っていたから、ある程度NIKIIEっていう人がどういう人なのかを知ってもらった状態で聴いてもらいたいと思って、3枚目に出すのがいいなって。だから、結構早い段階からレコーディングにも入っていたんですけど、3月11日に東日本大震災が起きたんです。で、私にやれることはないかなって思ってスタッフに相談して、話し合って出した答えが『紫陽花』のリリース時期を少し早めて、0円で配信リリースするということでした。そして、当初予定していたリリース日の5月25日には、今回私たちがやろうとしていることに賛同してくれるCD屋さんがあれば、0円パッケージを置いてもらいたい、というところまで話しました。

出す曲は「紫陽花」でないとダメだった?

応援ソングみたいなものを書けたかもしれないですけど、それは違うと思ったんです。この『紫陽花』は自分の根っこの部分にある曲だし、人を想うことの尊さを歌っているっていうのもそうなんですけど、リリースするまでにたくさんの愛をみんなで注いできた曲なんですね。そんな想いが詰まっているからこそ、この曲を聴いてもらいたいなと思って。

この曲を作ったのは、いつ頃なのですか?

2年ぐらい前ですね。2ndシングルの『HIDE&SEEK』を書いた後で…『HIDE&SEEK』は“さよならをしたのなら後悔しないで前に進んでいこう!”っていう決意を固めて書いた曲だったんですけど、その後もいろいろ悩んでいたり、振り返ったりしちゃってて。で、そんな時期に大切に思っていた人に向けた曲を断片的に何曲か書いてたんですけど、全然まとまらなかったんですよ。でも、すごく穏やかな気持ちになれた時があって、“今なら書けるかもしれない!”と思って近くにあったギターを手にして、手紙を書くような気持ちで書いた曲なんです。

内容的にはどういうものを書こうと?

一番最後の“私は貴方が好きでした”という言葉に書きながら辿り着いたので、最初に“こういう歌詞を書こう”という軸があったわけじゃないんですよ。だから、作りながらどんどん自分の中に入っていった感じでしたね。ずっと目を逸らしていたというか、自分が今進むべき道にばかり向き合っていて、自分の想いに対しては向き合うことを恐れていたというか…それは苦しいからかもしれないんですけど。だから、この曲を書いて歌うことで、ちゃんと自分の中で消化できたっていうのがありますね。

歌詞にある“貴方”は単純にその人だけじゃなくて、当時の自分にも言ってるみたいですね。

当時の自分も“貴方”に入ってますね。今回の震災があってからどんどん変わっていったんですよ。今の段階でも自分の中で家族だったり、友人だったりに変化していっているので、自分が想っている大切な人を“貴方”にして聴いてもらいたいですね。あと、歌詞に“青春時代”という言葉を使っているんですけど、それぞれが描く青春時代ってあると思うんですよ。誰にでも“青春だな”って思う年代があるはずだし、青春時代って色あせないパワーがあるので、そういうものが聴いてくれた人の背中を押したり、希望が沸くきっかけになればなって思いますね。
紫陽花
    • 紫陽花
    • COKM-31056
NIKIIE プロフィール

ニキー:茨城県出身。4歳でピアノ教室に通い、16歳の夏に作詞作曲を始め音楽活動を開始し、高校卒業後に上京。2010年12月にシングル「春夏秋冬」でデビューすると、同曲はパワープレイ歴代女性アーティスト獲得記録を更新した。そして、翌年7月には1stフルアルバム『*(NOTES)』を発表し、初の全国ツアーも成功させた。オフィシャルHP
公式サイト(アーティスト)

OKMusic編集部

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