【松下優也】この曲で一番大事にした
のは
伝えるということ

7枚目のシングルとなる「Paradise」は、初主演ドラマ『カルテット』(TBS・MBS系深夜)の主題歌としてオンエア中。これまでと違うさわやかなメッセージソングというアプローチで新たな松下優也の世界観を作り出していく。
取材:大庭利恵

7枚目のシングルは、初主演ドラマ『カルテット』の主題歌ということですが、制作はドラマが決まってから?

いえ、お話をいただく前に出来上がってた曲なんです。ドラマ自体は、大沢在昌さんの原作通りクライム・アクションがメインになったハードボイルドな内容で、僕自身も二面性のある役柄なんですね。でも、この曲はメッセージ性の強いさわやかな曲なんですよ。

そうですよね。松下くんといえば、R&Bをメインとしたミドルテンポのラブソングやダンサブルなナンバーの印象が強いですけど、「Paraside」はポップさが前面に出たさわやかな楽曲ですもんね。

そうなんです。僕としては、このシングルに収録されている4曲は、どれがリードトラックになってもいいぐらい思い入れがあるんですが、この曲が選ばれた理由を考えた時、ドラマとの対比性なんじゃないかなと思ったんですよ。このさわやかさが救いになる(笑)

なるほど。“Paradise=夢”という歌詞からも前向きな気持ちが伝わってきますしね。でも、この曲の“Paradise”は夢が叶ったことで辿り着く場所という意味だけではないですよね。

はい。頑張った先にあるものだけじゃなく、原点に戻るって意味も強い。

松下くん自身にとっての“Paradise”は何かって考えました?

僕の“Paradise”は、安らげる場所でしたね。時間があると地元に帰るんですよ。友達に会うでもなく、ただ街をブラブラするだけなんですけど、そうするとリラックスできるし、昔のことを思い出したりしますね。“あの頃、俺こんなこと考えてたな。あの頃に比べたら、ちょっとだけど進めてるんだな”とか。それで東京に戻ってくると、また頑張れるような気がしたりして。

誰しも、そういう場所ってあるかもしれないですね。

ですよね。目標や夢って人それぞれ違うけど、それにまつわる悩みって、案外似通ってたりしてるでしょ? 僕もファンの人たちから、就職や受験に向かって頑張っていることや、いつかは僕みたいにステージに立てるようにレッスンに励んでるなんて手紙をもらったりもするんですよ。それに対して僕自身が、こうやってステージ上でパフォーマンスをすることや音楽を続けてることが応援になると思ってるんです。でも、こんなふうにちゃんと曲を通して言葉にできたことはうれしかったですね。

淡々と歌われる前半から後半にかけて広がりを感じさせる表現を感じましたけど、歌う時に気を付けた部分はありますか?

これまでの楽曲では、聴かせる、見せるという表現方法を大事にしてたんですけど、今回は“伝える”ことを大切にしましたね。後半のBメロの《夜がつづくのが怖いくせに 朝日のまぶしさに怯える》なんて、孤独を感じたことがある人なら絶対に思ったことのある感情だと思うんですよ。寂しさを感じてる側の面と、“僕はいるよ”という救いのメッセージを伝えなきゃいけなかったので、あえてA、Bメロは淡々としてサビで明るさを感じさせるギャップを大切にしましたね。そうすることで、より楽曲が分かりやすくなったんじゃないかな。

カップリングの3曲は、これまで以上にバラエティーに富んでますよね。

そうですね。『君の声』はデビュー当時からずっとライヴでやってる曲なんで、ファンの人からしたら、やっと音源化って感じだと思う。『Loving Loved』は僕がよく歌うスタイルの曲。良い意味での、いつも通りですね。

そして、4曲目の「Secret Love」は“feat.BRIGHT、SHUN”というまったく新しいスタイルで。

これは、本当にシングルでリリースしたかった(笑)

それぐらい力が入ってたってこと?

BRIGHTはスクールで同じレッスンを受けてたぐらいの友達で、SHUNも昔からの知り合いなんですよ。学生時代からずっと一緒に歌ってて、いつか一緒にやりたいねって話してたのが、やっと実現できたって感じなんです。

そうだったんですね。RAPのリリックは、SHUNくんに担当してもらっていますしね。

はい。本当は僕が書こうと思ってたんですけど、SHUNは才能のあるラッパーだし、だったら彼が書いた方が伝わるだろうってことで書いてもらったりして。

「Loving Loved」のしっとりとしたバラードから「Secret Love」で一気に上がる感じは、ライヴに通じる流れですよね。

CDっていうのは耳にアプローチする方法なので、ライヴっぽさは想像力を掻き立てるためにもすごく大事なことだと思うんですよ。だから、このシングルは初めて僕のことを知ってくれた人に対して、松下優也というアーティストのいろんな面を見てもらうにはぴったりの一枚になった気がしますね。

デビュー3年目に突入して、今後の目標は?

今は、新たな楽曲に挑戦するという新鮮さを常に楽しんでますね。揺らぐことのない軸をしっかり持ちつつ、幅を広げていきたい。そのためには、動いてる時間以外で何をするかが大事だとも思うから、ボクシングとかやってみたいですね。引き締まった体と芯の通った歌声を作り上げていきたいかな。
松下優也 プロフィール

1990年5月24日生まれ、兵庫出身。俳優、そしてR&Bシンガーとして活躍する松下優也。小学6年生の時に、大阪の音楽学校“キャレスボーカル&ダンススクール”に入学し、ゴスペルなど洋楽を中心にヴォーカルを学ぶ。中学3年生の時に受験を巡り母親と衝突。ソウル・ミュージックに魅せられ、ニューヨークへ単身渡米した。帰国後、進学を望んでいた母親を説得し、中学卒業後は高校には進学せず、音楽の勉強に専念する。

05年、EXILE、柴咲コウ、CHEMISTRYなどのヒット曲を手掛けるJin Nakamuraに見出され、デビューに向け、楽曲制作をスタート。そして08年11月、<EPIC Records>より有線問い合わせチャート1位を獲得した1stシングル「foolish foolish」でデビュー。09年6月に東京と大阪で開催されたワンマン・ライヴ『Independence』は、シングル2枚のみのリリースにも関わらず両日共にソールド・アウトとなった。大阪を中心として自ら企画するライヴ・イベント『HEAVYRHYTHM』も行い、積極的にライヴ活動を展開している。10年6月には1stアルバム『I AM ME』をリリース。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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