【Tammy】想いをたくさん詰めること
ができたので、
いいものに仕上がったと思います

大阪を拠点にライヴ活動を行なっているシンガーソングライター・Tammyが、そのキャリアを総括するようなアルバムを完成させた。全17曲入りという渾身の一枚について、彼女は“恩返しアルバム”と語る。
取材:土内 昇

全17曲というボリューミーなアルバムになりましたね。

ここ3年ぐらいバンドで活動をしていたんですね。自分がソロでやっていく上で腑に堕ちないことがあって、自分の音楽魂を確かめる意味でバンドでライヴ活動をやってたんですよ。そうすると、逆に自分が作りたい世界や伝えたいことが明確に見えてきたんです。だから、過去に書いたまましまい込んでいる楽曲に関しても“これは絶対に残しておきたい”と思って、そういうものを寄せ集めたという感じですね。ただ、実はバンドでやって盛り上がる曲は除けているんです。それはバンドの曲だと思うので。ソロの曲はストーリー仕立てっていうか、“こういうことを感じたら、こう思うだろうな”っていう深いところをひとコマひとコマ書いている…だから、サウンド面において分かりにくい曲もあるんですけど、そんなソロでしかできない曲を集めましたね。特に、『虹』は何年も前に作った曲なんですけど、このタイミングで出てくる運命やったんやなと。そういう自分の独りよがりかなと思う曲が60曲ぐらい溜まっていた…自分のかわいい子供をけなされるのって辛いじゃないですか。どうしても聴く人の好きか嫌いかで判断されてしまうんで、出す勇気がなかったんですよ。『once upon a time』や『押し花』も5年以上前からある曲だったんですけど、どれも“すごくいい”って言ってもらえてるんで救われました(笑)

中にはバンドでやられている曲もありますが、これらは楽曲がバンドサウンドを呼んでますよね。

『Diary』と『ブドウの木』だけはどうしても。『ブドウの木』はトータルプロデューサーが入れたいっていう曲だったんで、だったら『Diary』もええやろって(笑)。『Diary』はバンマスだったニイキングさんと一緒にバンドをやっていたという証を残したかったんです。彼と出会ってなければ、私は歌うことが嫌いになっていたかもしれないんで。別の機会でも良かったのかもしれないけど、CDを作れる機会ってそうあるものじゃないから、ここだけは私のわがままですね。

そういう思い入れのある楽曲が17曲入っていると。

途中でイーッてなるかも(笑)。でも、それは最初から分かっていたんですよ。“これ、疲れちゃうよね”って。しかも、ほんとは18曲入りで、入りきらなくて1曲削ったという(笑)

でも、大橋トリオさんなど4人のプロデューサーが関わっているし、セルフプロデュースの曲もあるし、サウンド的にもバラエティーに富んでいて、最後まで楽しめましたよ。特にBENさんプロデュースの「Liberty」はムードのあるしっとり系で、この曲が中盤にあることで空気が変わるというか。

曲順もいろいろ考えたんですよ。入口はリスナーが分かりやすくて、馴染みやすいものにして、後半は旧譜に戻っていくという感じにしたんです。既発の曲をごちゃ混ぜにするのは良くないと思ったんでね。で、『Liberty』の世界観が一番フラットなので、この曲を真ん中に置いて、次の『TAXI』につなげたという。

「TAXI」は鈴木聖美さんのカバーなのですが、オリジナル曲のようになってますよね。

そうなるように作りました。そのままカバーするつもりはなかったので、自分の世界に寄せたというか、淡々とグルーブが鳴っているような儚い世界にしたくて。トータルプロデューサーがものすごく喜んで…ひとりの人がこんなにも喜んでくれたんだったら、やった甲斐があったなって(笑)。もともと彼が“2010年版の『TAXI』を作りたい”って言ってて、何年も前からカバーしてほしいって言われてたんですよ。だから、彼にデモを渡した当時は“周りでも、ものすごく好評だよ!”ってとてもとても喜んで電話をくださいましたね(笑)

オリジナルもあって、カバーもあって、ほんと内容の濃いアルバムですね。

大変でしたけど、面白かったですよ。2カ月半ぐらいで全部やったんで、みんな必死のパッチでした(笑)。『Liberty』をやってくれたBENくんも頑張ってくれたし。今まで誰かの作った曲に歌詞を付けて歌うってことはしたことがなかったんですけど、『Liberty』は彼の持っている世界が私の中にあるものを上手く引き出してくれたと思いますね。

そういうチャレンジをしようと思ったのは、BENさんの楽曲に惹かれて?

サウンドプロデューサーというか、BENくんを紹介してくれた人の私に対するイメージがきっと、実は私も望んでいる自分な気がするんです。その人が見つけてきた作家さんだったんで、“歌ってみない?”って言われても疑うこともなかったし…大橋くんを連れて来てくれたのも、その人でしたからね。

自分が持っているもの全てがパッケージされたような濃いアルバムが出来上がったという感じですね。

想いをたくさん詰めることができたので、いいものに仕上がったと思います。リスナーの反応が楽しみですね。あと…すごく大変だったんですけど、このアルバムを作ったことで、もっと作品を作りたいと思いました。曲は山ほどあるし(笑)

でも、今年の始めは音楽を辞めようと思っていたとブログに書かれていましたが。

言い訳じゃないんですけど、子供たちが大きくなってくるといろいろ忙しくて…。小さい頃に苦労かけた分、今はできるだけ助けてあげたいんですよ。で、バンドもニイさんが亡くなって1年半ぐらいは“私が引っ張らなあかん!”って思って頑張ってたんですけど、その疲れがマックスになってしまって、この状態ではもう歌えないと思ったんです。生まれて初めて音楽を辞めようと思いましたね。でも、3カ月後ぐらいに友人の結婚式で歌った時に、やっぱり歌いたいって思って、そこで腹を括ってライヴを6本ぐらい入れたんです。っていうか、“もう一回、歌おうと思いました”ってブログに書いたら、ライヴハウスからいっぱい電話がかかってきたんですけどね(笑)。そしたらトータルプロデューサーからも今回の連絡あったんです! そういう気持ちになったから奇跡が起きたのかなって。そうやって周りの人に助けてもらって立ち直れたんで、歌でお返しできたらなって思ってます。

その気持ちが、今回のアルバムには詰まっているということですね。

はい! 恩返しアルバムです!(笑)
TAMMY プロフィール

タミー:大阪を拠点にライヴ活動を続けるシンガーソングライター。時に激しく、時にやさしく、ギター片手に歌い上げる姿はライヴやCDにおいて孤高の世界観を表現し、 往年の女性アメリカンロックアーティストを彷彿させる。類まれな特徴を持つハスキーヴォイスは尋常でない説得力を発揮し、ブルージーでロック、かつポップな音楽を紡ぎ出す。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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