L→R 裕地(Ba)、怜(Vo)、圭(Gu)

L→R 裕地(Ba)、怜(Vo)、圭(Gu)

【kannivalism】僕らが重要視してい
るのは“自分たちにしかできないこと

今年3月にリリースした2ndアルバム『helios』で独自のサウンドスケープを描き、ロックバンドとしての新境地を示したばかりの彼らだが、早くもネクストステージに突入。ニューシングル「split recollection」は既存の価値観すらも超越しようとする実に意欲的な作品に仕上がった。
取材:帆苅智之

ニューシングル「split recollection」は綺麗なメロディーと緻密なバンドアンサンブルを持った楽曲ではありますが、個人的には俗に言うシングル曲とはタイプが異なる印象があります。当のメンバーサイドの受け止めかたはいかがですか?

あ、僕らもまったく同じ気持ちです(笑)。自分自身、今までこういうシングルを聴いたことがないから、当初はこれをシングルで出していいのかどうかよく分からなかったし…でも、よく分からないから、むしろシングルでいいかなって感じで。
裕地
圭がこの曲を持って来たのが今年1月…2ndアルバム『helios』の制作作業の後半なんですけど、怜から“これはシングルで出したほうがいいんじゃないか?”と意見が出たんです。『helios』というアルバムはkannivalismの核となるものを描けた根源的な作品になったので、その次にこういうシングルを出せるのはバンドにとっての前進になると思ったし、面白いバンドの見せかたができるんじゃないかと思いましたよね。

2ndアルバム後のネクストステップとして最適だと判断したんですね。

すごくドラマチックで、感情も何もかも“流れ”がすごく見える曲だと思ったから、僕はkannivalismを外に示す入口として出せるんじゃないかと思ったんです。で、シングルにするならこのメロディーは変えようとか、みんなでいろいろと話し合って…歌詞の後半の部分は最初に書いたものなんですけど、前半は後から書いて、原曲のいい部分を残しながら作っていってこういうかたちになったんですけどね。ただ、確かに“シングルらしくない”とはよく言われます(苦笑)。
最初は意図的に変拍子を入れたりして“誰にも分からせたくない”という気持ちで作ってましたからね。“分からせたら負けだ”みたいな感じで(笑)。僕らは“自分たちにしかできないこと”を重要視しているし、何かひとつ飛び抜けたものを持っているものを作らないと意味がないと思っていますから。

とは言え、こうして完成した楽曲は決してアバンギャルドなものではなく、イントロからラストまで滑らかな流れのあるナンバーに仕上がりましたよね。

最初は前半のメロディーが今とは違っていてもっとダークだったんですけど、途中から“この曲のアプローチはこうじゃなく、もっと違うかたちがあるんじゃないかな?”って気がして…変拍子があって展開も変わる楽曲だけど、それでありながらも、いい意味で歌謡曲みたいに聴かせられたらすごく面白くなるんじゃないかと思ったんですよ。流れをきれいにして、普通に歌モノとして聴かせられるようにしたら、個性的な曲になるんじゃないかなと。結果的にそういう曲になったと思います。

“繊細さとダイナミズムの融合”とも言うべきサウンドメイキングも、この楽曲の大きなポイントですよね? 前半は繊細なアルペジオを中心としたサウンドなんですが、後半に進むに従って徐々に密集していく様子が実にカッコ良いです。

裕地
自然と連れて行かれる感じですよね? 初めて聴いた時からそういった引き込まれる何かがありました。僕はそこにライヴ感を感じたし…何と言うか“新しい激しさ”みたいなものも感じたんですよ。
そこも異色ですよね? キャッチーじゃないけれども、惹き付けられる魔力はあると思うし。かといって感情移入させるタイプではないし、捉えどころがないとは思います(苦笑)。

個人的にはそういった楽曲をシングルのタイトル曲にしたところにkannivalismの心意気やプライドが感じられましたよ。

あ…でも一番はそれを許してくれたavexの勇気かな(笑)。
全員
ハハハハハ。
歌詞もギリギリのところを描いてますからね(笑)。でも、それをシングルでリリースするということは、“そういうところを見せてもいいんだよ”と言ってもらえてることだし、僕らとしてはうれしいですよね。

実際、歌詞は“惜しみなく与えてこそ愛”とでも言うべき力強さを湛えたものになっていますからね。

そうですよね。最初はここまではっきりとかたちが見えるものではなかったんですけど、メロディーが変わっていく中で風景も見えてきて、前半部分の歌詞…“夢を見せる”といったニュアンスを入れてみたいと思うようになったんですね。これは最近思っていることなんですけど、汚い言葉はエグすぎるくらいに書きたいし、超きれいな言葉は素晴らしくきれいに書きたいんです。ただ言葉を書くだけじゃ伝わらないんじゃないかと思うし。

清濁のいずれにしても、振りきったものを書かないと意味がないというわけですね。

今回の歌詞はもしかすると深読みもできるかもしれないけど、ある意味で拍子抜けするくらいシンプルなことなんですよ。怜が言っていたのは思春期くらいの男の子の話で…中学生くらいの時って女よりも男のほうがロマンチストだったりするじゃないですか。好きな子ができたら頭の中はそればっかりになっちゃうし、そういった訳の分からなさ…それでいいんじゃないかという話はしましたよね。
“俺は好きな子に対してはこう思いたい”ということですよね。その辺に関しても制限を付けないでやろうと。頭で考えるんじゃなくて、感情の波をそのまま表したかっただけなんです。自分らしくは書けたと思います。これが直球なのか、変化球なのかは分からないですけれども、自分の中では純粋だと思いますよ。
kannivalism プロフィール

05年12月、10代の頃にそれぞれが数組のバンド活動を経験し、圭(g)、怜(vo)、裕地(b)の3人が再結集して結成されたビジュアル系ミクスチャー・ロック・バンド、kannivalism。結成後間もなく、名古屋・新宿でシークレット・ライヴを行い、06年3月に新木場STUDIO COASTで行われた『independence-D 2006』に出演した際には入場規制がかかる程多くのファンが集まった。

06年4月、1stミニ・アルバム『奏功 humority』でインディーズ・デビュー。そこから約5ヶ月という猛スピードで、<avex trax>より1stシングル「リトリ」でメジャー・デビューを飾った。07年2月に1stフル・アルバム『Nu age.』をリリースし、初の全国ツアーでも大成功を収め、シングル作品を順調にリリースしていた最中、怜(vo)の適応障害による入院のため08年1月をもって活動休止を発表。

その後1年7ヶ月を経て、怜(vo)の回復を機に活動再開を宣言。さらに新メンバーとして光也(dr)を迎え、バンドとして再スタートを切った。 メンバーの音楽的志向、音楽的バック・グラウンドは幅広くそれぞれ異なるが、それを自由奔放にクロス・オーバーさせ作る楽曲はジャンルレス&新感覚なものだ。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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