L→R 大森 樹(Ba)、杏(Vo&Gu)、纐纈智之(Gu)、猪狩蓉子(Dr)

L→R 大森 樹(Ba)、杏(Vo&Gu)、纐纈智之(Gu)、猪狩蓉子(Dr)

【Black Dahlia】歌っていると自分は
ここにいると実感できる

女性ギターヴォーカル杏を擁する、Black Dahliaがミニアルバム『悲壮的な歌』でデビューを果たす。圧倒的な世界観を持つ音楽性について、杏、纐纈(Gu)の言葉を基に考察した。
取材:高木智史

Black Dahliaというバンドを知っているだろうか? パソコンで検索しても、なかなかヒットしないだろう。ようやくサイトに辿り着いても細かな情報はない。HPのトップ画面には美しい花々と怪しい模様、それとひとりの俯いた女性。その女性はBlack Dahliaのギターヴォーカル、杏という。彼女は弱さと強さが同居したヴォーカリストだと思う。まず、3月23日にリリースされるデビューミニアルバム『悲壮的な歌』を聴いてほしい。その中で世の中に絶望して泣いているように聴こえる歌声、だがそこから抜け出そうと強い信念が宿っているようにも聴こえる歌声。彼女にヴォーカリストとして、どのようなスタンスで臨んでいるかと問うと“代弁者”と答えた。誰もが持っているような人生に対する不満や不安。そんな気持ちはなかなか口に出して誰かに伝えることができない。だから、彼女はそれらを歌詞にして代わりに声に出すことで、“同じことを思っている人がいる”“自分だけじゃない”とその不満や不安を自信へとつなげたいと語った。その言葉を聞いて前述した“弱さと強さ”は自分自身の心境だったんだなと思った。泣きそうなほど弱く感じた声は自分自身の心の声で、強さとは彼女の歌から得た心強さだったんだと。そんな聴く側の世界にリンクする歌詞はどのように書かれたのか。すごく深い言葉を期待していたのだが、彼女からは“ふとした瞬間ですね”とあっさり。でも、考えてみるとそうだ。将来のことだったり、恋愛のことだったり、日常を生きている中でそういう不安要素は突然頭をよぎる。そして、それは頭からしばらく離れなくなる。彼女もそうらしい。彼女にとって歌詞を書くということが大仰なことではなく、日常の中であるからリンクするのだろう。そんな歌詞の主人公は、彼女の思いがベースとなっている。だから、自分という存在を歌うことで外の世界に訴えていると言ってもいいかもしれないと彼女は語った。さらに、“歌っていると自分はここにいると実感できる。自己を表現する方法はさまざまですが、その中でも私が選んだ方法が歌だったから歌いたいと思ったんです”と音楽をする動機についても話してくれた。
と、杏にばかりスポットを当ててきたが、このバンド、サウンドも秀逸だ。そのソングライティングを施すはギターの纐纈(コウキツ)。立体的なサウンドと叙情的なヴォーカルのマッチング。ギターやドラムのフレーズも多様で、アレンジも豊かだ。Black Dahliaの楽曲の軸を彼は歌とギターだと言う。それが良いものにならないといけない。そして、次に他の楽器を入れ、膨らませることによってバンドサウンドを作っていく。その過程でさらに原曲の表情が豊かにもなり、足りない部分が埋まったり、新しい部分が出てくるという。そこで今作においてBlack Dahliaを一番象徴している曲を尋ねると、「Melancholy」を挙げた。今のBlack Dahliaの軸になっている哀しい歌、それらを取り巻く轟音な演奏。よく街中で哀愁ロックという音楽が流れているのを聴くが、聴いていると嘘っぽく感じる。もちろん、それらの楽曲と差別化を図るためにやってるわけではないが、この歌にはこの演奏を、この演奏にはこの歌を…と必ずいいバランスでリンクする部分があると思っている。それを自分らなりに突き詰めていっていった曲が「Melancholy」であり、それこそがBlack Dahliaの原点なのだろう。哀しい歌だが、力も与えてくれるBlack Dahlia。ちなみに、杏のバンドとしての野望は武道館らしい。
Black Dahlia プロフィール

ブラックダリア:2008年、Guの纐纈の呼びかけにより東京にて結成、女性ギターヴォーカルロックバンド。女性Vo&Gu杏は妖艶な世界観を持ち、ライヴでも圧倒的な存在感を放つ。オフィシャルHP

OKMusic編集部

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