【SAY】誰もが愛されてるってことを
歌いたい

昨年、シングル「Let's get a party feat. Kayzabro(DS455)」でデビューしたSAYが、R&B、ヒップホップ、エレクトロのサウンドの上で、伸びやかなヴォーカルを聴かせる1stアルバムをついにドロップ!
取材:土屋恵介

本作は、どのようなものにしたかったのですか?

今まで私がやってきたウェッサイシーンの人たちとのメロディアスなR&Bに近いヒップホップサウンドを入れつつ、これからミュージシャンとしてさらに発信していきたいので、エレクトロにR&Bを足したようなナンバーをスパイス的に盛り込んで、これまでの歩みと新しい自分を同じ割合で表現したかったですね。

その思いのもと、曲作りやレコーディングでこだわった部分はどこでしょうか?

今まではフィーチャリングで歌うことが多かったので、相手のコンセプトがあって、そこに沿うようなやり方をしてきたんですけど、今作は私が作品のコンセプトをいちから立てられたのですごくいい経験になりました。“この曲はあの人に参加してもらいたい!”とか結構細かな部分まで明確にビジョンとしてあったので、あとはかたちにしていくだけでしたね。参加してくれたメンツからも刺激をもらいながら、グルーブ感、気持ちを入れることの大事さをより勉強できたアルバムでした。『Let's get a party feat. Kayzabro(DS455)』は楽しい雰囲気に入りすぎちゃって、歌録りの時にすごい踊るからマイクから離れちゃったり(笑)。逆に『One Love』では、何度も泣きそうになるのをこらえて歌ったんですけど。

それだけ曲ごとに感情を込めることができたのですね。本作のコーラスもすごく凝っていて、聴き応えがありました。

そこは大事にしてますね。メインの歌が8割、コーラスが2割で楽曲を作る方もいらっしゃいますけど、自分的には半々くらいの気持ちです。コーラスは、単音を乗せるというよりもピアノで和音を乗せるような感覚で付けるんですよ。

声もひとつの楽器として捉えていると。美しいコーラスワークで届ける歌詞にも自然と注目してしまいます。

どんな言葉を選んだら、より自分の気持ちを伝えられるかを考えました。普段、洋楽を聴いていたり、サウンド重視で楽曲を作るほうなので、つい英詞にしてしまいがちなんですけど、せっかくみなさんに内容を届けられるんだから、英詞も分かりやすくしたり、カッコ付けない言葉選びを心がけて自分を削ぎ落としたり。ただ、ストレートすぎると薄いものになってしまうのでバランスが難しかったですね。ベタにならず、日本語特有の比喩表現を上手く使えるように練りました。

「U Got Friends」はおっしゃっていたエレクトロとR&Bの融合で、友人を励ます内容ですが自分にも置き換えられますね。

トラックを聴いて、漠然と暗いトンネルから遠くに光が見えるイメージが浮かんで、自分が今まで夢を追ってきたことを歌詞にしようと思ったんです。辛かったり落ちてる時って、“自分だけ苦しい”って気持ちになる。でも、そういう時こそ心配してくれる人や励ましてくれる人がいるんだよってことに気付いてほしくて。

そこからオリビア・ニュートン・ジョンの80年代のヒット曲「PHYSICAL」のカバーに流れますが、サウンドは現代風ですし、和訳がかなりセクシーですよね。

プロデューサーのICEDOWNに激押しされてカバーしたんですけど、最初は“何でエクササイズみたいな曲を歌うの?”って疑問でした。でも、歌詞を見たらジムではなくベッドシーンの話だったので、逆にどこまで和訳すればいいのかなって(笑)。サウンドも内容も今の時代に合ってますよね、草食系男子が多いので、肉食系女子って感じで(笑)

(笑)。肉食系でいえば、勢い全開の「LIES」も浮気野郎に別れの一撃って感じですが、本作には喜怒哀楽が詰まっているなと。

私、普段から喜怒哀楽が激しいんで、そのまま作品にも出ちゃうんでしょうね(笑)

TWO-Jさんをフィーチャーした「桜」は、さわやかなメロディーのラブソングで印象的でした。

『桜』は、TWO-Jのアルバムでフィーチャリングした『SUMMER TIME MAGIC』って曲の続編で、ひと夏の恋に燃えた男女がさよならした後、春になってお互いをどう思ってるかを書こうと。ふたりで恋愛観を話しながら作ったんですけど、私は侍みたいな昔の男気ある感じが好きなので、そういう男子でアンサーしてくださいってお願いして(笑)。お互い夢を持って頑張ってるから、着かず離れずの関係で。3歩下がって歩く女子に憧れるんですよね、実際できないけど。なので、私の恋愛の理想像が詰まっています。

アルバムタイトルでもある「One Love」は、OZROSAURUSのMACCHOさんをフィーチャーした、広い愛を歌ったミディアムチューンですね。

DS455のDJ PMXが作ったトラックを聴いた時に、男女の恋愛じゃない、もうひとつ進んだラブソングを書きたいと思ったんです。この曲に本当に言いたいことを込めたんですけど、説明するには今だに言葉が出なくて…だから、歌というかたちにしたんだと思います。やっぱり身近な人を本気で愛せなきゃ、海の向こう側にいる人を救えることなんか絶対できないし、愛は連鎖していくもので、みんな誰もが愛されてるってことを歌いたかったんです。

改めて本作の間口の広さには驚きました。

ライヴ会場で見る、たくさんの笑顔が私のパワーになるように、このアルバムが誰かの力になれたらって気持ちが強かったので、いろんな人に聴いてもらいたいですね。音楽ってひとつのコミュニケーションツールであって、ジャンルは関係ないんですよ。だから、私のおばあちゃんが“いい曲だね”って言ってくれたらうれしいですね。
SAY プロフィール

長野県出身。牧師である父親の影響で幼い頃からゴスペルを聴いて育ち、中学時代に耳にしたTLCにショックを受け、ストリート・ダンスと作曲を同時に始める。高校卒業後、デビューを目指して上京、都内や横浜を中心にライヴ活動をスタート。歌やダンスをステージで披露することはもちろん、作曲/作詞/サウンド制作/レコーディングなど全て自ら行うマルチな才能をもつアーティスト、それがSAYだ。

05年12月に自主制作アルバム『Here I am』を発売するや否や、ライヴ会場のみで2,000枚を完売。エッジの立ったクラブ系サウンドに、爽快感が漂いつつも芯の通ったメロディと唄声は日増しに注目度を上げていく。また、この頃よりジャパニーズ・ウェッサイ・シーンを中心に活動をはじめ、シーンの代表的アーティストであるDS455「INTO YOU feat.SAY」(09年)、TWO-J「SUMMER TIME MAGIC」(09年)、OZROSAURUS「風吹く土曜」(06年)、BIG RON「Summer High」(05年)に参加するなどシーンには欠かせない女性ヴォーカリストとしての存在感を強めていく。

09年8月にはDJ☆GOプロデュースによる「スーパースター」を配信。多数のクラブ系着うた(R)配信サイトにて堂々の1位を獲得。そして同年11月、<EMI Music Japan>よりKayzabro(DS455)をフィーチャリングに迎えたラグジュアリー・サウンド満載のパーティー・チューン「Let's get a party feat. Kayzabro(DS455)」でメジャー・デビュー。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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