取材:石田博嗣

映画のために書いても横道の感じになる

どの曲も濃くてミニアルバムような説得力があったのですが、シングルとしてどんなものを出そうと?

全曲、映画『クローズ ZEROII』を意識して作ったんですよ。台本を読んで、いろんなパターンを作って、“どれでも好きなものを選んでください”って感じで。『クローズ』は男の子が成長していく過程みたいなものがテーマとしてあるんですけど、それって横道坊主が持っている世界に遠からずだし。

表題曲の「ブースト」はスリリングなロックンナンバーで、高揚感が掻き立てられました。

掻き立てられましたか!(笑) リフものっていうか、歌がなくてもいいぐらいのノリでいけるようなロックなものが欲しいと思ってたんですよ。ただメロディアスなだけじゃなくて、ぶん殴る感じのものが。この曲はライヴでも演ってたし、ライヴのノリみたいなものが出ればいいなと思ってたんで、それが出てると思いますね。レコーディングの時もライヴみたいに…っていうか、ドラムのフレーズも全然決めずにやってましたからね。その時にガッツと出たフレーズを乗せていこうって。

2曲目「ドラゴン」と3曲目「終わらない悲しみよ」も曲調は全然違うとはいえ、横道らしい温かい曲になりましたね。

結局、そうなんですよね。映画のために書いたというか、それを題材にしてるんだけど、出来上がったものはいつもの横道の感じになってる。きっと、どこかでイメージしてるんでしょうね。義人が歌っている姿だったり、ステージの上から観ているお客さんの姿だったり…そういうものが途中から乗っかってくるんですよ。最初は書きたい世界とか言葉とかをひとつひとつ思い描いて作ってるんですけど、バンドアレンジに入ると否が応にも“聴いてくれる人の心がどう動くか?”とかを意識してしまう。こればかりは仕方ないですね、ライヴバンドなんで。お客さんを完全に無視して曲は書けない。横道の曲は自分たちのものなんですけど、聴いてくれる人のものでもあるっていうのが、暗黙のうちに自分の中にあるんで。

4曲目「アマツチ」はアルバムの最後を締めるようなスケール感を持った曲なのですが、どんなものを作ろうと?

確かに、自分の中でもエンドロールみたいな感じになってますね。この曲はロックサウンドがどうのじゃなくて、メロディーが伝わるものにしたかったんですよ。あと、音のバランスとかハモリをどうするかとか…そういうのって作り終わったら忘れてしまから、今、一生懸命に思い出してます(笑)

中盤の間奏部分は言葉がないのにジーンときましたよ。

それは良かった。そういうところが欲しかったんです。曲の中に何もない…きっと、歌を聴く人は物足りないでしょうけど。言葉もない、歌もない状態なんでね。

そんな本作は、結成25周年第一弾でもあるんですよね。

やっぱり映画のためだけじゃなくて、25周年に向けてっていう自分たちの気持ちも乗っかってますね。

25周年を迎えた、今のバンド内のテンションというのは?

今まででベストですね。年々いらないものが削られていって、丸くなるところはなって、尖るところは尖ってるし…無駄な動きがなくなってます(笑)

結成25周年の今年の構想は、どうお考えですか?

今年はお祭りですね。ライヴでも、何でも楽しみたいと思ってます。このシングルに続く次のアルバムをみんなが楽しみにしてくれるような、お祭り騒ぎの1年にしたいですね。
横道坊主 プロフィール

バンド名は長崎弁で"悪ガキ"の意。84年結成。89年にアルバム『DIRTY MARKET』でメジャー・デビューを果たした。
UKの匂いのするパンキッシュなビートとストレートなR&Rサウンドをベースに、初期の頃は世間への憤りをぶちまけるかのような攻撃性を抱えた詞・曲を聴かせていたが、年を経てバンドが熟していくにつれ、姿勢はそのままに懐の深いバンドへと成長。客観性を持ち始めた詞の説得力とリアリティも増し、サウンドの幅も拡がったことで、より幅広いファン層を獲得した。
しかし、つくづく純で不器用なバンドである。93年から94年にかけて「I WANT…」〜「夏の日の少年」という5枚のシングルを短いインターバルで立て続けにリリースし、いわゆる"売り出し体勢"に入った時期に自由な活動の場を求めレコード会社/事務所との契約を自ら解消し、プライベート・オフィスを設立。その後、メンバー・チェンジを経てデビュー10年目の99年には初期衝動を思わせるエネルギッシュなアルバム『Happy!』をリリースするなど、自分たちのペースで現在も精力的に音源制作とライヴ活動に取り組んでいる。横道坊主オフィシャルサイト
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