text:石田博嗣

5年ぶりとなる2ndアルバム『925』の発売記念ライヴ、“大感謝祭”ということで夏祭りのように会場のフード&ドリンクメニューもたこ焼きやかき氷、ラムネなどが用意され、COOも浴衣姿でステージに現れた。1曲目は「グライダー」。ネガティブな環境の中にあっても、歌い続けてきた彼女の想いがそのまま歌詞になったような曲だけに、笑顔で楽しそうに歌ってはいるものの、メッセージがリアルな重みを持って届いてくる。その後も伸びのある歌声で、自身と対峙して生まれた歌たちが披露されていく。誰にも知られないように心の奥に隠しておいた自分のズルさや弱さなどが、彼女の歌に突かれ、掻きむしられるような感覚に陥るのだが、それに対して痛みや嫌悪感ではなく、温もりややさしさを感じている自分がいる。つまり、歌に込められた彼女の想いに共鳴しているのだ。 “今日のライヴが決まってから、何回も泣きました。うれしくて、でも自分がちっぽけで、不安で…”とMCで語ったCOO。そこまでしてなぜ歌うのかという答えは彼女の中にあり、それは単純に“歌が好き”というものだけではない。ストリートに立ってアカペラで歌い、立ち止まってくれた人と触れ合ったことで、見つけたという彼女の答えは“人が好き”ということだった。路上で歌いながらそのことに気付き、ひとりひとりと会話できる場所が欲しいと思え、今、ステージに立っていることを幸せに感じると話す。そうやって彼女は、自分の力で少しずつ自分を強くしていっているのだ。だからこそ、こんなにも言葉に説得力が、歌声には生命力が宿るのだろう。 本編ラストは『925』の最後の曲でもある「東京ドリーム」。“明日を笑うには 何がいるだろう?”という歌詞が夢を追い続けるCOO の姿とリンクし、自己問答を繰り返しながらも前に進んでいる彼女が頼もしく思えた。“大感謝祭”と銘打たれてはいるが、彼女からたくさんの力をもらっているのは紛れもなく自分の方であり、終演後は彼女に感謝しながら会場をあとにしたことは言うまでもない。 「ARTIST CLUB」もチェック!
COO プロフィール

01年にデビューしたロック・ガール、COO。プリプロ・ディスク「Baby don't cry」を限定発売したところ即日完売したというから、その人気ぶりが窺い知れよう。1stシングル「青い赤」はロック色の濃いナンバーだ。ブリット・ポップ風の演奏をフィーチャーし、メロディもキャッチー。そんなサウンドにのせ、COOが剥き出しの感情をぶつける。オフィシャルサイト

OKMusic編集部

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