text:黒田奈穂子

昨年から続いていたツアーの最終日、東京は大雪に見舞われた。手も足も凍り付きそうな寒さで妙な緊張感を持った観客への、“あったまっていこうよ”という彼女の言葉で、「Cherry Cherry」からライヴがスタート。ファンは優しい笑顔になり、「FANTASY」「愛の自爆装置」と続くと会場は徐々に早春のような柔らかな温かさを帯びていった。シャンデリアが輝くステージの下、緑のショートパンツでフリンジをヒラヒラとさせながら、くるくると周り踊る彼女の姿はとてもキュートで目が離せないし、綿菓子のように甘く柔らかくも、ハスキーで煙りがかったような不思議な歌声は聴く者の心を優しくくすぐる。ベストアルバムの発売に伴ってのツアーということもあって、往年の名曲「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」さえも、“恋をしている時に作った曲…”と、時折楽曲それぞれの解説を加え、楽曲の世界観をより深く感じさせてくる。新曲「TROPHY」や「月と甘い涙」「やさしい気持ち」と続き、飾らない姿から紡ぎ出される楽曲はどれも心に染み入る。アンコールでは、バックバンドなしでアコギを片手(夫である浅野忠信から内緒で持ってきたとか)に、昨晩完成したばかりという新曲を披露。さらに当日が節分ということもあり、会場に豆を撒くなどファンにはたまらないサプライズもあり、アンコールを含む21曲はあっと言う間に終了した。
Chara プロフィール

68年生まれのシンガー・ソングライター。彼女の歌のテーマは徹底して「愛」である。90年のデビュー・シングル「ヘヴン」以来、それはずっと変わらない。自由奔放な歌姫チャラが体験したさまざまな愛のカタチ。すなわち、彼女を取りまくサークル(家族、恋人、友人、自然)を通して感じたこと……安堵だったり、孤独だったり、高揚だったり、エロティシズムだったり……。それらをモチーフとしたリアルなメッセージは、ソウル/R&Bを消化したスウィート&メロウな極上メロディを媒体とし、リスナーの胸に突き刺さっていく。
名作揃いの彼女であるが、俳優である浅野忠信との結婚〜出産を経験し、97年にリリースされた極めてパーソナルな6thアルバム『ジュニア・スウィート』は実に素晴らしい。切なくもハッピーな響きをもつ至高の楽曲群は、ありのままのチャラが育てた「愛」の結晶ともいえるだろう。——今もっとも信頼できる女性アーティストのひとり。Chara Official Website
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OKMusic編集部

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