【TOKYO No.1 SOUL SET 】TOKYO No.
1 SOUL SET 赤坂BLITZ 2009年7月2日

撮影:Yasushi Saitama/取材:松木美歩

“ありがとう!!”。BIKKEは感謝の言葉を繰り返し、叫び続けていた。3月にリリースされたアルバム『BEYOND THE WORLD』のリリースツアー最終日。来年で20周年を迎えるソウルセットは、文学的な歌詞と川辺ヒロシの気骨なバックトラックと渡辺俊美の泣きのギターに、一度聴いたら忘れられないBIKKEの歌声が渾然一体となることで、90年代にジャンルという概念を大きく覆したバンドだった。なんだか近寄りがたくて、でも誰よりもロマンティックで繊細なバンドだった。そんな彼らが揃いのTシャツを着て、今この時代のこの瞬間に大きな喜びと感謝の気持ちを音と言葉に詰め込み、爆発させている。最高に美しくて、特別な空気感に満ちたライヴだ。新旧織り交ぜたセットリストは「RISING SUN」からスタート。4曲目「Hey Hey Spider」は『Jr.』からの選曲。アラフォー&アラサーが多いフロアだけに一気に盛り上がりを見せる。「スパークリングサイクリング」では、かせきさいだぁがゲストで登場し、渡辺俊美のヴォーカルに“俊美、俊美!!”と盛り上がりを応戦。“ありふれた愛だけど、私には幸せ過ぎでした”という神的フレーズが印象的な「Innocent Love」、泣きのギターが叫びまくる「Beyond The World」へと進み、フロアの誰もが“待ってました!!”と叫んだ(であろう)「JIVE MY REVOLVER」へ。叙情的なイントロが流れるだけで未だに心が弾む。本編ラスト「Sunday」でもBIKKEは何度もフロアへ感謝の気持ちを叫び、高く高く飛び跳ねていた。アンコール「Jr.」ではBIKKEが振るフラッグが大きく揺れて、20周年へと向かうソウルセットの行く末に強い追い風を吹かせていた。
TOKYO No.1 SOUL SET プロフィール

ヒップホップには「伝達したいメッセージが強力かつ明確に表現されている=指示性が強いもの」が多いが、まったく異なるベクトルでアイデンティティを確立したのがTOKYO No.1 SOUL SETだ(また、結成当初はレゲエ/ダブを志向していた)。
文学性の高い言の葉づかい+ラップというよりはポエトリー・リーディングに近しいMCを担うBIKKE、泣きのギター+メロディをもつ"歌"を担当する渡辺俊美、気骨あふれるバック・トラックでサウンドそのものを豪快に牽引するターンテーブリスト、川辺ヒロシ。実に役割分担が明確な3人から成るのだが、そのサウンドは緻密でいて異常に奥が深い。開拓者の如き骨太な精神や日本語の風情をイマジナブルに伝達する繊細さ、生涯旅人のような軽やかな空気感……そういった普通は共存し得ないものが渾然一体となって、サウンドが形作られているのである。インディーズ時代から熱狂的な支持を得た「黄昏'95〜太陽の季節」「JIVE MY REVOLVER」(95年)、「Jr.」(96年)、「夜明け前」(98年)、「Sunday」(99年)とハンカチなしでは聴けない感動作多数。
また、BIKKEは著述業とともにNathalie Wise(ナタリー・ワイズ)なるバンドを結成(メンバーは高野寛、斎藤哲也)、川辺もDJ/リミキサーとしても異能の人ぶりを発揮している。TOKYO No.1 SOUL SET オフィシャルサイト
公式サイト(アーティスト)
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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