【ハナレグミ】ハナレグミ 日本武道
館 2009年10月28日

撮影:久保憲司/取材:石田博嗣

会場は武道館、観客は約1万人。しかし、ハナレグミのライヴに於いて、そういうことは関係ないようだ。実質的な距離はあるのだが、彼の歌声が届いた瞬間に、その距離感覚はなくなっていた。きっと彼の人柄が楽曲に滲み出ていて、独特の空気感を作り出しているのだろう。まるで、近所の兄ちゃんが目の前で歌っているような親近感があったし、目の前の1万人ではなく、ひとりひとりに歌いかけているような感覚さえ覚えた。それでいて、スカパラホーンズやスチャダラパーのBOSEなど、さまざまな個性派ゲストとのコラボレーションを繰り広げ、武道館という空間をピースフルな音楽で埋めていくのだ。やさしくて、瑞々しくて、温かくて、まぶしくて、生命力にあふれた楽曲たちに、観客は心を預け、心地良さそうに体を揺らせていた。特に印象的だったのは、アンコールの「光と影」。レコーディングのオリジナルメンバーでもあるスカパラ・茂木欣一(Dr)、徳澤青弦カルテットによる生のストリングス隊とスペースドーターズのコーラス隊が加わり、本人も“この豪華なメンバーで、この曲を歌えるのを楽しみにしてました”とひと言。ざわついていた客席は一瞬にして口をつぐみ、じっとステージを見守っている。アコギに押し出されて届く、ストリングスをまとったハートフルなメロディーが、すっと体に溶け込み、心の中で波紋を描くように響く感覚。涙があふれそうになるくらい感動している自分に気付いた。
ハナレグミの武道館公演は即日完売となった。CDは売れなくなっても、音楽好きがいなくなったわけではないということだ。ならば、この上質な音楽がもっと多くの人に、広く届いてほしいと願う。これからの音楽シーンのために…。
ハナレグミ プロフィール

08年9月のツアーをもって解散を発表したSUPER BUTTER DOGのヴォーカリスト、永積タカシによるソロ・プロジェクト。
02年リリースの1stアルバム『音タイム』には、Polarisからオオヤユウスケ/坂田学、クラムボンから原田郁子/ミトというポップ・マニア御用達のサウンド・クリエイターが参加。04年、little creaturesの鈴木正人とWORLD STANDARDの鈴木惣一朗をプロデュースに迎えた2nd『日々のあわ』をリリース。
09年SPEEDSTAR RECORDSへ移籍、4年半ぶりのシングル「光と影」、4thアルバム『あいのわ』をリリース。同年10月には初の日本武道館公演が決定した。

また、ソロ活動と平行して幾多のコラボレーション企画にも積極的に参加。東京スカパラダイスオーケストラ「追憶のライラック」にゲスト・ヴォーカルとして参加。小泉今日子・bird・原田郁子・太田裕美などへの楽曲提供、オオヤユウスケ・原田郁子とのユニットohanaでも活躍中。公式サイト(レーベル)
公式サイト(アーティスト)

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • POP TUNE GirlS / 『佐々木小雪のイラスト花図鑑』
  • POP TUNE GirlS / 『涼水ノアの、ノアのはこぶ絵』
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』

新着