UKロックの名盤10選 イギリス音楽を
つくりあげたアルバムを紹介

(What’s the story) Morning Glory?
– Oasis

オアシスは1991年にイングランド、マンチェスターにて結成、2009年に解散するまでUKロックを索引し続けた伝説的なロックバンドです。
今回紹介する「モーニング・グローリー [ オアシス ]」の中でも名曲”Don’t Look Back In Anger”をオススメします。オアシスのファーストアルバムではゴリゴリしたギターロックが売りでしたが、この曲ではイントロのピアノや壮大なメロディーなど、オアシスらしいギターサウンドも盛り込みつつ壮大なアンセムとして誰にでも親しみ易いメロディがあります。本国イギリスではほとんどアンセムのように定番化しています。
この曲はソングライターのノエルがヴォーカルのリアムに歌わせずに本格的に自分でメインヴォーカルを取った曲です。解散後に公開されたドキュメンタリー映画でリアムが、こんなにいい曲を俺に歌わせないなんてと怒ったことが、その後の兄弟げんかの原因になっていることがわかりました。この騒動が、ゆくゆくは解散に繋がる不仲を引き起こしたと言っていたのは皮肉なものです。そんなエピソードを抜きにして名曲です。

Parklife – Blur

ブラーは1989年イングランドにて結成、現在も活動を続けているロックバンド。1990年代のUKのオルタネティブロックを代表するバンドです。
オアシスと並ぶブリットポップの代表的バンド、ブラーの代表作「パークライフ [ ブラー ]」の中でも12曲目のクローバー・オーバー・ドーヴァーというバラードがおすすめです。このアルバムは全体的に楽しい曲と地味な曲のバランスが取れており、これは地味な小品の部類に入りますがひずんだギターのリフ、どこか悲しいけれど覚え易いメロディーが美しくいかにもイギリス的な曲調です。
タイトルもクローバーとイギリスのドーヴァー海峡のオーバー(向こう)と、わかり易い英語からクローバー・オーバー・ドーヴァーというタイトルが選ばれていてそれが曲中でも連呼されています。韻を踏んでおり聞き心地が良く、行ったことないけれどイギリスのどこか曇って物悲しい海を連想することができます。

Fire and Water – Free

フリーはイギリスのロンドンにて1969年に結成されたロックバンド。活動期間は短かったものの当時のUKロック、現代の音楽界に多大な影響を与えています。
当時20代そこそこの若者とは思えない激シブで勢いのあるUK発ブルースロックのバンドのサードアルバム「ファイアー・アンド・ウォーター +6 [ フリー ]」。
オススメはやはりシングル曲の”オール・ライト・ナウ”です。ゴリゴリしたギターリフと、弾むベースライン、ドラム、後にクイーンのボーカルも務めたポール・ロジャースの小節の利いたソウルフルなボーカルが聴き所です。途中ベースソロや夭逝したポール・コゾフの強烈なビブラートのギターソロなど、短い曲なのに聴き所がたくさんあって何度聴いても飽きません。
4ピースバンドでそれぞれの音が立っていて奇跡のバランスを感じます。名曲だけあってその後いろいろなバンドのカバーバージョンがありますが、どれもこのオリジナルの持っている躍動感にはかないません。ブルースでありながら、まるで演歌のような歌いまわしなどから、イギリスや日本で人気なのにブルースの本場アメリカでは今ひとつなのもわかる気がします。

Parachutes – Coldplay

コールドプレイは1997年、ロンドンにて活動を開始したオルタナティブロックバンドです。
紹介するアルバム「パラシューツ [ コールドプレイ ]」、アルバム全体に漂う暗く退廃的なイメージは現在のコールドプレイの明るく大衆的な作風とは大きく異なります。ここ近年の作品からファンになった人から見れば音楽性や作風に戸惑ってしまう人も多いでしょう。
クリスマーティンの屈折した心の闇や繊細なコンプレックスが大きく感じられる反面、その中に突出したソングライティング能力が感じられます。最後の”Everything’s Not Lost”は繊細なギターサウンドとクリスの儚い歌声が、後半のバンドサウンドの力強さを引き立てる隠れた名曲です。
最初は「暗いな」と退屈に感じる人もいますが、アルバム後半にはジャケットのように暗闇の中から一筋の光が見えてくるような希望感や温もりを感じられる作品です。
シンプルですが人生で何度も聴き直したい、安らぎも希望も感じられるアルバムかと思います。

A rush of blood to the head – Cold
play

前作のParachutesと二作目のこのアルバム「静寂の世界 [ コールドプレイ ]」でイギリスだけでなくアメリカでもバンドとしての地位を確固たるものにしました。繊細さや儚さはそのままにバンドサウンドの力強さが前面に現れており、アルバムを通して更に成熟した姿が垣間見えます。
何より内気なクリスマーティンという人物が自信という武器を得たことで、アルバムを通してギターやピアノが力強いハーモニーを奏でます。
グラミー賞を獲得した名曲”clocks”は叙情的なピアノイントロが鮮烈で美しい一曲で、何度も繰り返し聴きたくなる中毒性があります。コンプレックスや内省的な歌詞が女性的と揶揄されることも多いですが、自分の全てをさらけ出すことこそが男らしく美しいのだと私は感じます。
人生の中で必ず手元に置いておきたい一枚ですね。

URBAN HYMNS – The Verve

ザ・ヴァーヴは1990年にイギリスのウィガンにて結成されたオルタナティブロックバンド。3回も解散しており、直近では2009年、それ以降は再結成していません。
1990年代のUKロックの中にとどまらず、疑いもなくあらゆる時代を通してもベストアルバムと断言しても良い傑作が「アーバン・ヒムス [ ザ・ヴァーヴ ]」。シューゲイザー的な過去の作品の残り香を漂わせながらも、抜群のソングライティングセンスで珠玉のロックアルバムを作り上げた手腕には脱帽です。
狂気と美しさを備えた歌声、シンプルながら独特な存在感を醸し出すバンドサウンドは唯一無二でこれほどの傑作は見当たらないでしょう。
”ビタースイートシンフォニー”はあまりにも有名ですが、ソネット、ラッキーマン、ドラッグズドントワークなどの名曲がアルバムの完成度を確固たる物にしました。
捨て曲が一曲もなく、天才的なリチャードアシュクロフトの猟奇的な才能がこれでもかと感じられる作品です。まるで一本の名作映画を見ているような完璧な作品です。

RAM – Paul McCartney

ポール・マッカートニーはいわずとしれたザ・ビートルズのベーシスト。イギリスのリヴァプール出身のミュージシャンで世界で最も有名なマルチプレイヤーとして知られています。
ポール・マッカートニーといえば世界最高のアーティストとして有名ですが、ビートルズに比べて、それ以降の活動は過小評価されていると思います。ビートルズが人気があるのはもちろんですが、ポールはビートルズ以降、確実に成長していると考えています。ロックファンなら是非知ってほしいことです。
このアルバム「ラム [ ポール&リンダ・マッカートニー ]」はリンダ・マッカートニーとの共作ということになってますが、実質ポールの2枚目のソロアルバムといえます。後のウイングスのようなバンド感が、いい意味でまだ表出してないので、完成度もとても高いに仕上がっています。
「アンクル・アルバート~ハルセイ提督 」はポールの最高傑作のひとつと言える名曲です。ロックン・ロールから美しいバラードまで幅広く楽しめるアルバムでしょう。

The La’s – The La’s

ザ・ラーズはイギリスのリヴァプール出身、1986年に結成されました。
今回紹介するアルバムは、1990年にリリースされた唯一のアルバムでありながらUKロックの名盤「ラーズ+8 [ ザ・ラーズ ]」。
特にシングル曲”There she goes”はアコースティックな美しいメロディにリーメイバースの特徴的なボーカルが重なる屈指の名曲です。中心メンバーとなるリーメイバースと、のちにブリットポップムーブメントにはキャストを率いるジョンパワーの2人以外は、不仲が多く、コロコロとメンバーが変わるバンドではありましたが、ソングライティングに関しては、他のUKバンドの中でも群を抜く抜群のバンドでした。
オアシスのギャラガー兄弟も、ラーズの熱狂的なファンを公言しており、オアシスの楽曲への影響も公言している伝説のグループです。ぜひ聴いてみてください。

Ziggy Stardust – David Bowie

デヴィッドボウイはイングランド出身のミュージシャン。1964年に音楽活動を開始、2016年に亡くなるまでUKロックのみならず世界のミュージックシーンに大きな影響を与えました。
数あるデヴィッドボウイのアルバムの中でも「ジギー・スターダスト [ デヴィッド・ボウイ ]」は1970年代を代表するアルバムだと思います。
時代に合わせて、カメレオンのように変化していったデヴィッドボウイは2016年1月にこの世を去りました。例えファンでも彼の作品の中でもこの「Ziggy Stardust」は特別な意味を持っているのではないでしょうか。というのも、この作品によって彼は煌びやかで艶のあるグラムロックというジャンルを作り上げたからです。
さきほどカメレオンのようにと例えましたが、彼をカメレオンに例えるのが好きではない方もいるのではないでしょうか。カメレオンは周りの環境にあわせて自分を変化させるが、彼の場合は彼が変化することによって周りが変化していったという意味で根底にあるものが違うと思います。その証拠に、当時の社会では男が化粧をし、両性具有的なスタイルでテレビに出るなど、考えつきもしなかった時代です。
その中で、彼はジギーという火星からやってきたロックスターを自身に憑依させ、グラムロックという新たなジャンルを確立して、世界に大きな影響を与えた。彼はそれまでもコンセプトアルバムは発表していましたが、ジギーを皮切りに彼の自由なスタイルが確立されていったことは間違いありません。
そういう意味で、世界に与えた影響から考えても「Ziggy Stardust」はUKの名盤です。
アルバムの中ではやはり表題曲の”Ziggy Stardust”が1番のお気に入りです。シンプルではありますが、あの前奏を聴くと今でも身体の底からエネルギーが沸き起こってくるのを感じます。
1970年代らしく、あまりバスの効かない、中音域の目立つ輪郭のない音ですが、その音質であの重量感というかボディ感を演出できる感性は素晴らしいと思います。やはり時代を先駆けて、走っていたんだなと実感できる一曲。
今の時代、彼のように時代に迎合するのではなく、時代をつくっていく人が果たしているでしょうか。

The Stone Roses – The Stone Roses

ザ・ストーンローゼズは1983年マンチェスターにて結成されたオルタナティブロックバンドです。
UKロックは好きだけど、ストーンローゼズを知らなくてはにわかと言われてしまっても仕方ありません。
ダンサンブルなロックとは正にストーンローゼズのことで、思わず体が揺れてしまうリズム隊と、黄金色に煌めくようなギターの音色。歌はそこまで上手くないけれど、気だるく力の入っていないボーカルは、ダンサンブルな演奏と相まって思考を溶かしてしまうかのようです。何か考えが煮詰まってしまったり力んでしまっている時には、ストーンローゼズのファーストアルバム「ザ・ストーン・ローゼズ [ ザ・ストーン・ローゼズ ]」は、とても気持ちが良いです。特にドラムのグルーヴ感は最高で、身を委ねることができます。
オススメの一曲は、20周年記念ヴァージョンに収録されている”Elephant stone”。
なんといってもボーカルはとてもメロディアス!ギター、ドラム、ベースの音、どれもキラキラしていて、勢いがあります。この曲に衝撃を受けたなら、間違いなくあなたはストーンローゼスの虜になってしまうでしょう。

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