NakamuraEmi

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【NakamuraEmi インタビュー】
自分はとにかくネガティヴだから
前に進むには曲を書くしかない

曲のイメージを絵で描いてみたら
バンドメンバーに上手く伝わった

じゃあ、リードトラックの「雨のように泣いてやれ」は、どんなリアルな経験がもとになって生まれてきた曲なんでしょう?

すごい土砂降り中で夏フェスのステージに立ったことがあって…私、雨女なので(笑)。それなのに後ろのほうまでたくさん人が来てくださって、雨の中で泣いたり、笑ったり、歌ったりしながら、自分の感情を表現してくださってるのを見た時に、“ああ、自分の音楽が誰かの役に立っているのかもしれない”と、すごく感じることができたんですね。サウンド的にも初めて打ち込みに挑戦していたり、“女性”というテーマの裏に“心にヒップホップの精神を持って、ちゃんと曝け出していこう!”っていう覚悟を決めて挑んだアルバムだったので、そういう面でも曝け出せたんじゃないかと思って、この曲をリードに選んだんです。涙って女の武器と言われるけど、仕事場では卑怯になりかねないし、男性は小さい頃から“男の子なんだから泣くんじゃない!”なんて言われたりもする。でも…。

音楽を聴いて心を動かされたら、男も女も関係なく泣いてほしいですよね。素直に曝け出してほしい。

そうなんです。竹原ピストルさんのライヴに行くと男性がボロボロ泣いていて! そういう光景に感銘を受けていたので、自分のライヴでも同じように泣いてくださった方がいたことが嬉しくて生まれたのが「雨のように泣いてやれ」なんですよ。逆に自分がオーディエンスとして、竹原ピストルさんのライヴを観た時の衝撃を書いたのが「痛ぇ」ですね。

この曲、良い意味でゾッとするくらい歌声に魂がこもっていて、きっと思い入れの強い曲なんじゃないかと思ったんですよ。

ひと言ひと言がそのままというか、自分の中でもトップ10に入るくらい露わにできた曲ではありますね。実は竹原さんとはマネージャーが同じで、彼に“一緒にやらないか”と声をかけられたのものの、決めかねていた時に“じゃあ、竹原のライヴを観てほしい”と言われたんです。それで観に行ってみたら、もう1時間ボロ泣きしてしまって。こんなに人間臭さを剥き出しのままステージに立っていて、音楽業界でやっていけるんだって思って、それで“やってみます”と答えを出せたんです。それから何年経っても、どれだけ“今の自分は頑張れてる”と自信があっても、竹原さんのライヴを観るたびに自分の駄目さを痛感して“はい、もっと頑張ります!”ってなっちゃうんですね。ものすごいパワーを常に放ってらっしゃっていて、きっとリスナーのお客様にもそんな存在っているだろうから、それぞれに思い浮かべて聴いてもらえたら嬉しいなと書いた曲です。

本当に想いが迸っていましたから、レコーディングも順調に終わったんじゃありません?

あ、速かったですね。ギタリストでプロデューサーのカワムラヒロシさんと、ヒューマンビートボックスのカサリンチュの朝光介くんと3人で“いっせーのせ!”で録ったんですけど、やっぱりパワーを使う曲なので何回も歌えなくて(笑)。3回くらい通して結局、最初のテイクを使った気がします。でも、今回はどの曲も速かったですね。というのも、今までは曲のイメージをバンドメンバーに色で説明していたんですが、今回は一曲一曲のイメージを画用紙にクレヨンで絵に描いて見せたんです。前に「ハワイと日本」(2017年3月発表の2ndアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.4』収録曲)っていう曲でハワイに行った時の写真をバーッとばら撒いたり、去年は「波を待つのさ」(2018年3月発表の3rdアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.5』収録曲)っていう曲でサーフボードを真ん中に置いて録ったりしたら、すごく速かったんですよ。じゃあ、今回は絵にしてみない?っていうアイディアをレコーディングエンジニアの兼重哲哉さんがくれて、やってみたら大成功だったんです。メンバーみんなその場でイメージを膨らませて、想いのままにセッションできたから、すごく楽しかったですね。絵を見てもらうことでイメージが的確に伝えられて、意外と早く曲が固まって。「いつかお母さんになれたら」は絵を見て“こんなハッピーなイメージだったの? 俺、もっと暗い曲だと思ってたよ!”って言われました(笑)。

分かります。タイトルや歌詞を読んだ時は、私もタイムリミットを前にした女性の悲壮感を予想していたんですが、聴いてみたら歌声のトーンが明るくて本当に救われたんですよ。

周りの男性陣も同じこと言ってました(笑)。確かに事務所と契約する時も“お前はちゃんと結婚して子供産んでいい。日本の女を歌うって言ってるんだから女性として経験できることは全部やっていい”って言ってもらえたくせに、いつまで経っても彼氏もできないし(笑)。でも、そういう焦りから生まれた曲じゃなく、回りのバンドメンバーだったりスタッフだったりの子供たちが育っていく姿に、もう、ほんとに胸がキュンとなることが多くて! 今、携帯の待ち受けも、周りの子供たち4人なんですけど(笑)、自分が母親になれないかもしれない悲しみよりも、自分の大事な人たちに生まれた子供が側にいる幸せから生まれた曲なんです。その想いを汲んで、兼重さんが“女性感が強くてインパクトのある歌詞だから、男性も聴きやすいようにトラックは地球規模にしよう”って、ジャンベを入れたりと壮大に仕上げてくださったんですよ。

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OKMusic編集部

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