『Nexus』は4人編成となった
ストレイテナーの
真の1stアルバムと言っていい
自信の漲った作品

3ピースから4人編成へと究極進化

個人的にはそんな風に捉えていたストレイテナーなので、2008年に大山純(Gu)が加入するとの報を聞いた時もさほど驚きはしなかった。そもそもスタート時のストレイテナーはボーカリスト兼ギタリストとドラマーという変則的な布陣であったので、正規のベーシストが加入して3ピースバンドとなり、そこへさらに二人目のギタリストが加わってスタンダードなロックバンドのスタイルとなること自体、非難すべき要素はどこにもない。それが、スタッフがどこかから連れてきた得体の知れない人物であるのなら別だが、大山は日向と同様に元ART-SCHOOLのメンバーで、ホリエ、ナカヤマとも友人であって気心が知れているとあれば、むしろ歓迎されることであろう。その時もそんなことを思った気がする。驚いたのは、4人編成での最初のアルバム『Nexus』を聴いた時だ。人が変わればバンドの音は変わるとは知っていたけれども、それを本当に実感したのはこの『Nexus』が初めてだったと思う。そうなるとこれが現金なもので、『Nexus』発売時にもホリエにインタビューさせてもらったのだが、その時はまったく憂鬱ではなかったことをよく覚えている(苦笑)。

さて、ここから『Nexus』の話。今改めて聴き直してみても、新メンバーが加わって4人編成となったことに対する自信が漲ったアルバムであることが分かる。オープニングM1「クラッシュ」のサウンドはまさしくその自信を具現化したような印象だ。4つの音のユニゾンっぽいイントロから始まって、一旦のブレイクのあとで、アルペジオのギターが奏でられて、そこにもう1本のギターとリズム隊が重なる。それまでの音源以上に4つの音が重なってひとつのバンドの音となっていることが強調されている。後半に進むに従ってすべての音が密集していくが、それぞれが実にエモーショナル。感情の赴くままに各々のフレーズを表現している様子もとてもいい。スリリングであるものの、キリキリとした嫌な緊張感ではなく、複数人での優れた体操やダンスを見ているかのような清々しさもある。

そうした、この時点での新しいバンドアンサンブルだったと言えるサウンドはM4「Lightning」やM6「蝶の夢」でも顕著に表れていると思うが、テンポがミディアムだからこそ、M4「Lightning」の方がその差異が分かりやすいだろうか。ループするエレピ、ベース、ギター。そして、パッと聴き、ナカヤマらしからぬ印象のある淡々としたドラミング。いずれも一見、地味に思えるが、お互いがお互いを支え合って独特のグルーブを生み、そこに流麗なメロディが乗った秀曲である。聞けば、[元々は日向と大山で制作していたものにホリエのピアノが合わさって完成した曲]だそうで([]はWikipediaからの引用)、曲そのものにバンドが4人編成になった効果がはっきりと表れていたと言える。M2「Little Miss Weekend」やM8「Stilt」、M10「ネクサス」といったグイグイと迫るギターバンドならではのロックチューンは、それまでもストレイテナーらしさではあったが、新たなバンドアンサンブルで繰り広げられることでさらに輝きを増した印象もある。個人的に最も活き活きとしていると感じるのはナカヤマのドラム。M6「蝶の夢」のビートが若干、突っ込み気味なのもとてもいいし、M5「Magic Blue Van」後半のサビでドラムのオカズが力強く聴こえるのも気のせいではなかろう。思わず全面的に支持してしまう。

OKMusic編集部

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