『SOOO BAAD REVUE』は
関西ブルースシーンの
凄腕ミュージシャンたちが残した
伝説のレアグルーブ

関西ブルースシーンから登場

ポピュラー音楽に関西文化が取り込まれたのは何時頃からなのか。さすがに明治~大正期までをつぶさに検証することは、今回は適わなかったが、(また『関ジャム 完全燃SHOW』の関西弁音楽特集を引用させてもらうけれども)《わてほんまによう云わんわ わてほんまによう云わんわ》《チョットオッサンこれなんぼ》と歌われる笠置シヅ子の「買物ブギー」が1949年(昭和24年)に作られていたというから、太平洋戦争終戦後の間もない頃にはすでにその形態はあったようだ。ちなみに、「買物ブギー」はその翌年にレコードが発売されて45万枚を売り上げ、笠置シヅ子は1952年の『第2回NHK紅白歌合戦』で同曲を披露したというから間違いなく国民的ヒット曲であって、この時期、全国的に関西圏の音楽文化は世間に広まっていたと見てよかろう。

そんなふうに早くから流行歌と結び付いていた関西圏文化は1970年代に入ってブルースと融合していく。1971年にB. B. Kingが初来日を果たすなど、この頃はブルースが本格的に日本に紹介されたと言ったもいい時期であって、その人気は全国へ広まっていたようだが、大学の音楽サークル活動が盛んだった関西においては(京都が最も盛んだったとか)、ブルースのレコードを聴くだけでなく、自らプレイする若者たちが多くなっていったという。その中で頭角を現していったのが、1970年結成の憂歌団や、1972年結成のウエスト・ロード・ブルース・バンド、あるいは1973年結成の上田正樹とサウス・トゥ・サウス(上田正樹のソロデビューは1972年)らであるが(憂歌団、ウエスト・ロード・ブルース・バンドの名盤も以前、当コラムで紹介しているので、ぜひバックナンバーをご覧ください)、今回、名盤を紹介するSOOO BAAD REVUEもそのひとつと言っていい伝説のバンドである。
■『四面楚歌』/憂歌団
https://okmusic.jp/news/65161
■『BLUES POWER』/ウエストロード・ブルースバンド
https://okmusic.jp/news/35781
なぜ“伝説”かと言えば、このSOOO BAAD REVUEは1975年に結成され、1976年8月25日にアルバム『SOOO BAAD REVUE』でレコードデビューしているのだが、彼らのスタジオ録音オリジナル作品はこれだけなのだ(その後に発売のライヴ盤『LIVE!』を含めても世に出たアルバムはわずか2枚だ)。きちんとした資料が少ないこともあって正式な解散時期も情報が錯綜している。

『LIVE!』に収録されているテイクは、1976年9月の東京・武蔵野映画館と、同年10月の名古屋・東別院青少年会館で収録された音源である一方、こんな話もある。1976年8月7~8日に行なわれた、その当時、関西で圧倒的に支持されていたアマチュアバンドのコンテスト『8.8Rockday』にSOOO BAAD REVUEがゲスト出演する予定だったらしいのだが、解散のため出演をキャンセルするむねが当日、入場口の貼り紙で発表されたというのだ(その知らせを見て相当がっかりしたと述懐していることを書いた、どなたかのブログをお見かけした)。その辺から察すると、メンバー、関係者の間ではアルバム『SOOO BAAD REVUE』リリース前に解散が決まり、デビューアルバムが出る前にバンドがなくなるわけにもいかないので、ライヴ収録することで何とか最低限に事を収めたといった感じではなかったのだろうか。

いずれにしてもその活動期間は1年足らずということになる。一説にはメンバーが揃ってバンド名を“SOOO BAAD REVUE”として活動を本格化したのは1975年12月らしいので、仮にアルバム発表前に解散が決まっていたとすると、実質的にはほぼ8カ月程度しか活動していなかった可能性すらある。こうなると、伝説というより幻のバンドと言った方がしっくりくる。

OKMusic編集部

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