八王子P

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【八王子P インタビュー】
カラフルにいろんな色の楽曲が
集まった作品にしたかった

ボーカロイドが
マイノリティーではなくなった

5曲目の「バイオレンストリガー –GRAPHIX MIX- feat. 初音ミク」は、ある種、八王子Pアンセムとしても育っていますよね?

そうですね。これはゲームのキャラクターソング的な要素もあって、歌詞がゲームの世界観に沿っているんです。ゲームに合うイメージを考えたんですけど、結果、自分のサウンドの軸として育ってくれました。

あと、7曲目の「ワールドワイドフェスティバル feat. 初音ミク・鏡音リン・巡音ルカ」も好きなんですよ。八王子Pらしい王道感を強く感じつつ。

分かりやすくキャッチーで、明るくポップで。これは去年の『ニコニコ超会議』での“踊ってみた”ブースのテーマソングでした。こんなにストレートに明るい曲ってあまり書くことがないので、とことん前向きで楽しかったですね。

めっちゃ突き抜けてますよね。

『ニコニコ超会議』の時にみんなが振付を練習して覚えて、最後に一緒に踊ってくれたのは嬉しかったですね。作って良かったという作者冥利につきます。

今、音楽界隈ではネット発アーティストのシーンが盛り上がってきていますが、それこそ八王子Pさんはボカロ文化発で初期段階からシーンを沸かせてきた先駆者だと思います。2019年、ネット発の音楽はある種メインストリームになりつつあると思いますが、この10年をどう振り返りますか?

世の中変わりましたよね。ボーカロイドがマイノリティーではなくなりました。やっぱり、僕が始めた当初はアンダーグラウンドな文化だったんですよ。ちゃんとボカロやニコニコ動画を好きでないと辿り着けない場所だったんですけど、それが今の若い子たちと話していると、気が付いたらそこにある文化になっている。J-POPや洋楽と同じように、自然なかたちで出会ってくれている。その辺は、“育ったな”“変わったな”って思いますね。

八王子Pさんはダンスミュージックへこだわりを持たれていると思うのですが、ボーカロイドなどの歌をフィーチャーする場合、どんなバランス感覚で作品作りに臨まれているのでしょうか?

もちろん時代によって、ダンスミュージックシーン、ボカロシーン、そして音楽シーンには変化が訪れます。それはちゃんと感じつつ、キャッチーさみたいなところでは、自分は入口になりたいって考えているんです。僕はボーカロイドやゲーム系のイベントによく出させていただいているんですが、そこでのお客さんってライヴに来るのが初めての人が多くて、どうやって楽しんだらいいのか困惑している表情の方をよく見るんですね。そんな人たちに少しでも音楽に興味を持ってほしいと思って、パフォーマンスを考えたり、作品を作ったりしています。

そこで言えば、「BL▲CK feat. 巡音ルカ」の跳ねるビートを持つブラックミュージック的なセンスが新しかったです。昨年、八王子PさんとユニットKUMONOSUを結成した、相方であるHANAEさんが作詞で参加されていますが。

HANAEさん、ボカロ作品への歌詞提供が初めてだったんですよ。なので、僕もチャレンジしたくて、トラップみたいに音数が少ないサウンドをやってみて。となると、ヴォーカルが大事になってくるんですけど、それはボカロだとなかなか難しいんです。人間と比べると、ヴォーカリゼーションを引き出すのが困難で。だから、この分野は敢えてボカロでは避けてきたんですけど、今回は挑戦してみました。

見事にトラップの表現ができています!

仮歌をHANAEさんに歌ってもらって、それを打ち込んだんです。今までやってこなかったアプローチでした。作っていて楽しかったです。

では、最後の質問です。タイトルを“GRAPHIX”にされたのはどんな意図がありますか?

カラフルにいろんな色の楽曲が集まった作品にしたかったんです。そんな一枚を表した言葉が欲しくて“GRAPHIX”にしました。アルバムとしてこだわった曲順でもあるので、今は自由に曲順を変えたり、飛ばしたり、シャッフルしたり、単曲買いをしたりすると思うんですけど、もしアルバムを買っていただけたならば、願わくば曲順通りに聴いてほしいですね。曲間などもこだわっているので、楽しんでもらえたら嬉しいです。

取材:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

ミニアルバム『GRAPHIX』2019年8月28日発売 TOY'S FACTORY
    • TFCC-86683
    • ¥2,300(税抜)
八王子P プロフィール

今ニコニコ動画で最も熱い注目を集めているボカロ界の貴公子。これまで動画サイトにアップされた関連動画総再生数は800万回を超える。MMDのプロデューサーわかむらPとタッグを組んでアップされた八王子Pの代表作「Sweet Devil」と「エレクトリック•ラブ」はダンスミュージックをベースにしたエレクトリックなサウンドとクオリティーの高い動画が話題になり、瞬く間に殿堂入りを果たす。2012年2月にリリースされたメジャー1stアルバム『electric love』はオリコン初登場11位を記録。またDJとしての活動も積極的に行なっており、クラブでのパフォーマンスを始め、『ROCK IN JAPAN FES』といった国内の大型フェスへの出演やアジアを中心に海外でのプレイもコンスタントに展開。2019年8月、ミニアルバム『GRAPHIX』をリリース。八王子P オフィシャルHP

「バイオレンストリガー
feat. 初音ミク」MV

「ワールドワイドフェスティバル
feat. 初音ミク・鏡音リン・巡音ルカ」
MV

「イロドリミライ 」MV

ミニアルバム『GRAPHIX』
クロスフェード動画

OKMusic編集部

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