【みねこ美根 インタビュー】
ここから先を予感させる
新たな指標としてもぴったりの2曲
ここに立っているということが
良くも悪くもこれまでの成果
そして、「僕らは飛べるようにできてる」では特に《今までの世界は自分の呪い》《しまい込んだ手の中に何もないなら》というフレーズが胸に刺さりました。自分で自分を制限していると気が付いた時には絶望感や後悔も押し寄せてくると思いますが、そこから心を解き放たせて進んでいくエネルギーを感じますし、そこに至るまでに葛藤した想いもあったのではないかと。
“自分の行く手を阻んでいるのは自分かもしれない”と気が付く瞬間はどんな方にもあると思います。置かれてきた環境を言い訳にしてしまうこともあるのではないでしょうか。葛藤はきっとどこまでも続きます。それがこれまで支えとしてきた誇りであればなおさらです。でも、これまでの自分は“ここに立っている”ということしか指し示してくれません。ここから先はまた新たに掴み取らなければならないんです。自分を信じようという“誓い”を込めて書きました。
《新しい僕らの邪魔はさせない》というフレーズも力強く、このひと皮剥けたような表現からも美根さんが持っている根性が垣間見られます。
私がこう歌うことで、聴いてくださった方が新たに進もうとする時の心の拠りどころになれたらと思っています。
「僕らは飛べるようにできてる」ができるきっかけとなった出来事や気持ちの変化はありますか?
自分がこれまで積み重ねてきた時間と労力は、そのまま誇りと未来の保障の裏付けになると思っていたのですが、もっと大きく成長したい、もっと世界を広げたいという野心のもとでは、邪魔なプライドになるだけなんだとここ数年強く感じていて、ひとつのテーマでもありました。同じ時期にSNSで“○○な環境で育ったから私はこんな人間になったんだ”という主張を見掛けていて、“なるほど、確かに。私もそうかも”なんて同意していたのですが、それって今の自分の有様の説明にすぎなくて、気付いてしまったらこの先それは言い訳にしかならないと思ったんです。ここに立っているということが良くも悪くもこれまでの成果。ここから先はまた新たに掴み取らなければならない、必要ならば潔く壊し捨て去る覚悟も必要なんだと思って書きました。
ご自身で自分の殻を破って挑戦したことはありますか?
挑戦ですと、今は音楽のことばかりです。特にライヴは挑戦しています、何重にもこもっているので、毎回破いて壊していく姿を楽しんでもらえたら嬉しいです。
では、今後挑戦していきたいことは?
潜在的に自分を抑えつけている蛹の殻を発見しては壊し、進む日々です。それはもっと多くのみなさまと出会い、伝えたい、魅せたい世界があるからです。蛹の殻を壊すことは、自分を全く変えてしまうことではありません。私という自分があってこそ、壊し、進んでいく。壊した蛹の中から、いかに美しく凛とした私を魅せるか、毎回挑戦です。2020年は飛躍の年とします。見ていてください。
取材:千々和香苗
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配信シングル「水面へ / 僕らは飛べるようにできてる」2020年1月23日(木)配信開始
POWERPOP&Co.
2/12(水) 東京・新宿SAMURAI
2/26(水) 千葉・柏ThunsUP
2/27(金) 神奈川・横浜関内BAYSIS
3/01(日) 東京・下北沢ERA
5/06(水) 東京・渋谷複数会場 ※『HUG ROCK FESTIVAL』
ミネコミネ:6歳の時にピアノで初めて作曲、11歳からはギターでの作曲も開始し、現在はピアノとギターを用いてライヴ活動中。2019年1月リリースの配信EP『心火を従えて愈々』で楽曲のクオリティの高さ、世界観が注目を集め始める。同年8月に下北沢GARDENで初のワンマンライヴを開催し、座席チケット、立見チケットともに完売。20年はサウンドプロデュースを手がける誠屋の小名川高弘氏とともに制作した「水面へ」「僕らは飛べるようにできてる」「くわの実」「傷跡」を配信リリース。みねこ美根 オフィシャルHP