REACTIONがシーンに送り出した
金字塔的作品
『INSANE』はヘヴィメタルが
詰まったアルバム

欲望に忠実な濃厚な歌詞世界

さて、ここまでドラマチックやメロディアスという言葉を使ってきたのでやや蛇足ではあろうけれども、REACTIONのメロディー面と楽曲の構成について少しだけ。言わずもがな、その楽曲は歌メロに限らず、ギターもキャッチーなメロディーを有している。ヴォーカルパートのリフレインも多いので耳に残るものが多い。その上、展開もちゃんとJ-POP、J-ROCK的なのである。オープニングのM1「JOY RIDE」からそうであって、この辺は親しみやすさにつながっており、楽曲のドラマチックさにも関係していると想像する。

最後に“エモい”について。これは歌詞のことである。『INSANE』収録曲のリリックはエモーショナル…いや、包み隠さずに言ってしまおう。欲望剥き出しなのである。その昔、“何だかんだ言っても、モテたいからバンドをやるんでしょ?”みたいな話があったが、ここに収められた歌詞を読むと“やっぱり、そういうことだったんだな”と妙に納得してしまうところはある。何しろオープニングはM1「JOY RIDE」である。“おもしろ半分のドライブ”という意味で、こんな歌詞である。

《うまく言葉にならない/俺の欲望は/心さえ失うほど/熱く燃えつきて》《(COME ON BABY!)/今すぐに 俺の色に染まり/絡み合った けもののように/愛し合うのさ》《おまえの歌を聞きながら/夜明けまで/甘い夢の中で/Hold Me Tight,/Hold Me Tight,》《Joy Riding Joy Riding/だから今夜!/Joy Riding Joy Riding/だから覚悟をきめろ!》(M1「JOY RIDE」)。

『INSANE』はのちにCDでリリースされた際に曲順が変更されて、1曲目は「INSANE」になった。これにはM1「JOY RIDE」の歌詞の内容が関係していたのではないかと若干勘繰ってしまうほどである。“何を大袈裟な…”とお思いになられる方もいらっしゃるかもしれないけれど、M1「JOY RIDE」に続くのがM2「ARE YOU FREE TONIGHT」であるから、あながち穿った見方でもあるまい。M2「ARE YOU FREE TONIGHT」の歌詞はここに掲載するのは止めておくけれども、モロにSEXソング。今となってはほとんどファンタジーであるのは瞬時に理解できるし、笑い飛ばせるものの、“人気バンドマンになると夜な夜なこういうことになるのかぁ”と悶々となった10代リスナーもいたのではなかろうか。だが、それでいい。ロックは猥雑なくらいがちょうどいい。先鋭的なジャンルであればより濃厚な方がいいに決まっている。

TEXT:帆苅智之

アルバム『INSANE』1985年発表作品
    • <収録曲>
    • 1. JOY RIDE
    • 2. ARE YOU FREE TONIGHT
    • 3. DON'T STOP
    • 4. HAT TRICK
    • 5. NOTHING
    • 6. LET ME SHOUT
    • 7. LONESOME KNIGHT
    • 8. DARK ILLUSION
    • 9. INSANE
『INSANE』('85)/REACTION

OKMusic編集部

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