藤田麻衣子

藤田麻衣子

【藤田麻衣子 インタビュー】
等身大の自分と
向き合えるようになった

シンプルなものが書けず
もがいていたけど
スッと書けるようになった

どの曲もそうですけど、最初に話していた通り、今の想いだけじゃなくて、ずっと大切にしてきたことも織り交ぜられているので、これまで以上にいろんな世代に染みる曲になっていると思いました。

嬉しいです! コンサートをするたびにいろんな世代の方が来てくれているのを感じるんです。20代の頃は“同世代の女の子に向けて”という気持ちが自分の中で強くて、男性の方も聴いてくださったら嬉しいという気持ちはあったんですけど、“女性の方に聴いてほしい”ってファンの人にも正直に言っていたんですよ。でも、いろんな方が来て楽しんでくださってる姿を観たら、そんなふうに限定してるのがもったいないって思ったんです。ほんと、みなさんに教えてもらったというか…それに気づかせてもらったんですよね。だからって、女性にも男性にも響くものを狙って作るのは違うと思っていますけど、限定するのだけはやめようという気持ちになった時、今回のアルバムだと「here」もそうですが、恋愛だけじゃなく、人間的な関係性を歌っている曲ができました。一対一…自分の目の前にいる誰かとも重なるし、自分とライヴに来てくれるお客さんのことにも重なるし、多分書いている時、私はどっちも見えてたんだと思います。

そんな本作ですが、改めてどういう作品になりましたか?

毎年、自分の中で作品作りに対して葛藤があったんです。例えば…これはずっと目指していたものでもありますけど、シンプルな歌を書きたいという気持ちがあるんです。歌を書き始めた頃ってシンプルな曲というか、言いたいことをズバッと言って、あとは自由に歌いあげているような曲が多かったのに、詞の文字量が多くなっちゃうとか、詰まりすぎてしまうんですよ。情景描写もしたいからってAメロでもBメロでもどんどん説明して、サビでも言葉が詰まっていったりして。それはひとつの楽曲としてありだと思うんですけど、ライヴで歌ってると疲れちゃう(笑)。自分の手法がそっちに寄って行ってしまって、シンプルなものを書きたいの書けないってもがいていたんです。それが今回、スッと書けるようになって、自分で聴いてみても“シンプルな曲がちゃんと書けた!”って感じています。

原点回帰と同時に新たな試みも多いアルバムになったみたいですが、他に何かチャレンジしたことはありますか?

私の声は変わってないから誰も気づいてないと思うんですけど、ちょっと滑舌の仕方を変えてトライした曲はあります。例えば、「chapter」。この曲は勢いが必要なので、わざと子音が立つように歌っているんですね。そうすることによって声に勢いが出たり、瞬発力が生まれたりするんですよ。私はバラードが多いので瞬発力がないというか、ちょっと遅れていく感じがあるんですけど、少しでも瞬発力が感じられるように、英語っぽい発音を意識しました。これに気づいた人っているかな? いたらすごいです(笑)。

そして、完全限定生産盤には今年1月に行なったライヴ『藤田麻衣子 STUDIO LIVE with Violin & Cello(2020.1.16@FREEDOM STUDIO)』の映像が収録されていますが。

YouTubeでストリーミング配信したライヴが収められています。参加してくれたストリングスのメンバーは15年ぐらいの付き合いになる人たちなので、息が合っているところとかを感じてほしいですね。去年の12月にピアノとバイオリンとチェロと私の4人でクリスマスライヴを行なったんですけど、そのメンバーとライヴができたことで自分の中で原点回帰ができて、幸せを感じたんです。その時は映像を撮ってなかったので、その編成でもう一回やりたいと思ってたんです。私がピアノも弾いて、3人でのライヴにはなってしまったんですけど、そういう想いがあったので、デビュー曲の「恋に落ちて」や代表曲みたいになっている「手紙 〜愛するあなたへ〜」といった大切な曲を入れて、今回のアルバムから「necessary」「here」「おやすみ」を選曲しました。

新旧バランス良くという感じですね。

はい。あと、トークもちょっとだけ入れています。いつもライヴでは自分で全部進行しちゃうので、ミュージシャンとしゃべったりしないんですね。でも、この時はトークコーナーを作って、3人でソファに座ってしゃべってます。普段のライヴで観られないところですね。彼女たちはふたりとも西日本(大阪お広島)の人だから、別に笑わせてるつもりはないんでしょうけど、すごい笑わせてくるんです。ライヴ部分はしっとりとした雰囲気なのに、トークはただゲラゲラ笑ってる時間みたいな明るいところも収録できたので気に入ってます。

アルバムがリリースされたということは、次はライヴですね。

去年はアルバムを出したあとにオーケストラコンサートをやりましたけど、今回のアルバムにもこれまでのバンドツアーで弾いてもらったミュージシャンに参加してもらっているので、今年はバンドスタイルでツアーをやりたいと思っています。新型コロナウィルスの影響でリリースイベントもまだ1カ所しかできていないので、落ち着いたらフリーライブやツアーも行いたいと思っています。

取材:田中隆信

アルバム『necessary』2020年3月18日発売 ビクターエンタテインメント
    • 【完全限定生産盤】(CD+DVD+グッズ)
    • VIZL-1748
    • ¥5,000(税抜)
    • ※『necessary』オリジナルクリアトートバック
    • 【通常盤】
    • VICL-65346
    • ¥3,000(税抜)
藤田麻衣子 プロフィール

フジタマイコ:2006年9月、シングル「恋に落ちて」でCDデビュー。全ての楽曲で自らが作詞作曲を手がけており、恋愛ソング・応援ソングがTVCMをはじめとした多くのタイアップに起用されている。近年はテレビ番組『はじめてのおつかい』のオリジナル挿入歌にも楽曲が起用され話題に。アーティストへの楽曲提供も数々行なっている。透き通った歌声、歌詞への共感、ドラマチックなメロディーで、ライヴ会場では涙する人も多い。ライヴに訪れる約7割が女性ファンと、特に同性から高い支持を得ている。藤田麻衣子 オフィシャルHP

『necessary』全曲試聴トレーラー

OKMusic編集部

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