THE SxPLAY(菅原紗由理)

THE SxPLAY(菅原紗由理)

【THE SxPLAY(菅原紗由理)
インタビュー】
振り返るだけの
ベストアルバムじゃない

初々しい最初の頃の気持ちは、
常に大切にしていたい

デビュー後、大きな転機は?

私はまったく歌というものが分からない状態でデビューしているから、菅原紗由理像というものをチームと一緒に作っていったんですね。そういう環境の中で作家さんに作っていただいた曲に対して、歌詞を噛み砕いて歌っていたんですけど、次第に“自分で1から作ったらどんな曲が作れるんだろう?”と思い始めて。でも、菅原紗由理というイメージがあるから、“もっとこういう曲も届けたい”と挑戦したいことがあっても、今までのファン層の人に聴いてもらえないというギャップもあったんです。そこから“イメージは大切だし、そこに寄せていかないといけないことも分かっているけど…”みたいな葛藤が生まれ、いろいろ思い始めたのはありますね。

逆に、“あの時があったからこそ”と感じることはありますか?

昔の曲を歌えなかった時期はありましたが、昔の曲にすごく助けられる時も多くて。あの真っ直ぐさはすごく素敵だったなと。今も真っ直ぐなつもりではあるんですけれど(笑)、秋田から東京に出てきて、“渋谷ってすごいなぁ”とか“ここはどこだ!?”みたいな感じで見ていた時の自分とは、良い意味でも悪い意味でもまったく違ってきているし。でも、あの初々しい最初の頃の気持ちは、常に大切にしていたいと思ってて。なんやかんやで過去に突き動かされていますね。

昔の曲を歌うと過去のキラキラした部分を思い出すとかは?

思い出します。ようやく「君がいるから」を歌った時、なぜか歌いながら泣いてました(笑)。

10年を振り返る上で改名したことは大きかったと思うのですが、12曲目に入っている「Living Rock」がTHE SxPLAY名義になって初めての曲ですよね。当時はどういう心境だったのでしょうか?

今振り返ってみると、改名して1からやるのは結構な決断だったと思うんですけど、その時は全てうまくいくだろうと前向き心境で臨んでいました。新しい自分を見てもらいたいという気持ちが一番強かった時期ですね。

今回聴いていても、2014年、2015年ぐらいの曲は、良い意味で尖っている感じがします。

2013年の11月にファンクラブライヴをやった時、“実は今日、菅原紗由理のライヴはラストになります”と伝えたんですね。いきなりだったので、みなさんも結構“えっ?”という感じだったんですよ。だからこそ、自分が頑張っている姿を見てもらわないといけないと思ったし、弱音なんて吐いていられない感じのガッツで進んでいったんだと思います。

だから、最初はロックからいこうと?

昔、人生の体験をストーリーとして投稿する『STORYS.JP』というサイトで、自分の過去や改名した理由を書いたことがあったんですけど、菅原紗由理を育ててくれたスタッフさんたちとやりとりする中で、お互いにいいものを生み出そうとしていたからこそ歌詞とかでぶつかったりすることが結構あって。そうやって葛藤した時期も踏まえて、自分が削られて磨かれて変化していくということをTHE SxPLAY の1曲目で表したいと思って、「Living Rock」をリリースしました」

13曲目の「未完成キャンバス」は曲の展開が多様で、すごくチャレンジをされている印象を受けました。

昔を知ってくれている人は“真逆に行ったなぁ”と思われたでしょうね。でも、“THE SxPLAY”という名前の“PLAY”には“音楽で楽しんでいこう! プレイしていこう!”という想いが込められていて。制限がない分、もっといろいろな音楽で遊んで、届けることができるんじゃないかと考えて、その挑戦のひとつとして「未完成キャンバス」を作ったんですね。その時期は“自分が届けたいものってなんだろう?”と、また壁にぶち当たってしまって…改名に至るまでは“自分が届けられる曲ってもっとあるんじゃないか?”という葛藤だったんですけど、改名していざ届けようとなったらなったで“私に届けられることって本当は何だったんだろう?”という悩みが出てきたんです。それまではメロディー重視で曲を書いてることが多かったんですけど、もっと歌詞に重点を置いて書いていきたいと思うようになって、それで作ったのが「未完成キャンバス」で。ちょうど変換期みたいな感じでした。

11曲目の「Forキミに贈る歌」は別れを選んだ人に向けた、張り裂けるような想いを描いたナンバーですが、デビュー曲「キミに贈る歌」とつながっている曲ですよね?

「Forキミに贈る歌」は中国ツアーを通してできた曲なんです。“これまでがあって今の自分がいるんだ”というのも含めて、自分に対して“ありがとう。これから私がまた新しい景色を見せていくから”と。そういう意味も込めて作りました。デビュー曲の「キミに贈る歌」は自分にとってもすごく大切な曲だから、今の自分が「キミに贈る歌」を作るとしたら、どんな曲が作れるのかというところからスタートして作ったんですけど…めっちゃ暗い曲だなぁと(笑)。自分としっかりと向き合って作ったという曲ですね。

そこで向き合い切ったからこそ、「君とこの空の下で」で1周回って前向きになれたのでは?

今まで振り返ることが怖いと思っていたというか…ずっと背中を向けて走り続けてたんですけど、ようやく昔の話が自然にできるようになったなぁって。どれも自分なんですけどね(笑)。昔の話をするのを避けていたわけではないんですけど、ふっと弱くなってしまう自分を見たくないという気持ちがあって。強気でやり続けないといけないと思いつつも気持ちがついてこなくて、そのギャップで最初の頃とかは結構苦しんでた時期がありました。

今は振り返られるようになったからこそベストアルバムが出せると?

はい。いいタイミングでベストアルバムのお話をいただいたと思います。

最後のポジティブなナンバー「MY NEVER ENDING STORY」はこれまでライヴでのみ披露していたそうですが、なぜ今回収録しようと思われたのでしょうか?

ちょうど改名したタイミングで作った曲で、ライヴでやるごとに“音源化はまだですか?”という声をたくさんいただいたのもあって、出すタイミングをうかがっていたんですけど、このベストアルバムに入れるのが一番いいじゃないかと思って入れました。

待望の収録だったのですね。

はい。最後に絶対に入れたいとも思っていて。振り返るだけのベストアルバムじゃなく、一緒にまた新しい一歩を踏み出すといった、今の気持ちも表したいと。結構何年も前に作った曲ではあるけど、ようやく音源化する時に、「君とこの空の下で」との2曲で最初と最後を飾りたいと思って選曲したんです。だから、前向きなイメージというか、“ここから進んでいくよ。よろしくね”というようなイメージのほうが強く伝わったらいいなと。

このベストアルバムの発売を記念して6月28日に代官山LOOPで行なわれるライヴは、どんなイメージされていますか?

バンド編成でやろうと思っています。昨年ようやく昔の曲もみなさんの前で歌えたんですけど、その時に歌い切れなかった曲とかも入れて、ベストアルバム記念ならではのワンマンライヴにしたいです。初めての人にも今までの自分を知ってもらいたいし、10周年らしい、ベストアルバムリリース記念らしいライヴにしたいですね。

取材:キャベトンコ

アルバム『BEST OF 3650 DAYS』2020年4月8日(水)発売 フォーライフミュージックエンタテイメント
    • FLCF-4521
    • ¥2,800(税込)

『菅原紗由理&THE SxPLAY ベストアルバム記念ライヴ "BEST OF 3650 DAYS"』

6/28(日) 東京・代官山LOOP

「君とこの空の下で」MV

OKMusic編集部

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