『みねこ美根の“映画の指輪のつくり方”』

『みねこ美根の“映画の指輪のつくり方”』

『みねこ美根の
“映画の指輪のつくり方”』
- 第三十六回 -
「人生、ブラボー!」の指輪

2017年から本格的に活動を開始したシンガーソングライター〈みねこ美根〉が大好きな映画の世界から作り出す紙粘土細工と指輪の制作過程をお見せします。ミニチュア好きな方、アクセサリーづくりに興味のある方は是非見ていってください。指輪はライブ会場にて展示しております。

動画監督・撮影・編集・演奏・文:みねこ美根

「大切な人の明日を思う(2011年「人生、ブラボー!(starbuck)」)」

最近、ミルクティーを作るのに凝っている。ティーバッグを入れたコップの3分の1か5分の2くらいまでお湯を入れて5分蒸らして、そこに牛乳をコップいっぱいまで注ぎ、私の家のレンジで2分くらい。そこに生姜の粉とシナモンと蜂蜜を適量ぶち込む。ティーバッグはホチキス止めでないものです、あと牛乳は突沸しやすいから気を付けてください。

…話は変わるが、今、中学生の時の理科のテスト問題を思い出した。
「Q.この実験で沸騰石を用いる理由を答えよ。 A.突沸を防ぐため。」
テスト問題の9割がこれだったんじゃないか?と思うほど、強烈に覚えている。なんだったんだ。沸騰石って、何。
今回は「人生、ブラボー!」という映画を紹介する。たまたま見つけた映画で、全然ブラボーな気分ではなくても、割とブラボーなフィーリングにさせてくれる。

しかしながらこの邦題は酷い。ちなみに、ハリウッドで同監督がリメイクした時の邦題は「人生、サイコー!」とのこと…。ところで、リメイクと言うものはいったい何なんだろうか。海外の作品を日本版にリメイクする、ハリウッドが外国の作品をリメイクする……喧嘩を売っているとしか思えない。或いは、ある程度成功が保障された作品に手を加え利益をいただこうという算段か?と疑ってしまう。誰か、実際のところのリメイクの意義を私に教えて下さい。
この映画は、主人公ダヴィッドが若いころに精子提供をしまくって、病院側の手違いも重なり、533人の子どもの生物学上の父親になってしまっていたことが20年後の今になって発覚するというところから始まる。

さらにはそのうちの142人から父親が誰か情報開示を求める訴えを起こされてしまい、ダヴィッドは事態に巻き込まれていく。独身のダヴィッドは実家の精肉店で働いてはいるが、遅刻の常習犯、借金取りに追われ返済のために大麻を育てようとするなど、なんだかどうしようもない人物。しかし、自分が533人の父親だと発覚したこと、恋人の妊娠、533人の中の一人がサッカー選手だと分かったことをきっかけに、元来家族思いで優しいダヴィッドが、自分の子どもたちの人生に興味を持ち始める。
父親であることを隠して、子どもたちの様子を見に行くダヴィッドの姿はなんだか微笑ましい。最初は興味本位だったのに、段々と親心が芽生え、誇らしく思ったり、自分を律したり、恋人との間に生まれようとする子供に思いを馳せたり…。

そして、秀逸なのは、子どもたちの描き方。俳優を志すカフェ店員、路上で一人歌うミュージシャン、障害を持つ青年、サッカー選手、運動が苦手ないじめられっ子、薬物中毒者。人種も、セクシュアリティも、好きなことも、仕事も、得意なことも様々。皆同じ(生物学上の)父親を持つ子どもたちの多様な生き方。ダヴィッドは“自分が父親である”と知ったきっかけからではあるが、そうでなければ出会わなかったであろう、いろんな人生を見つめていく。

血がつながっていると知らなかったら、ダヴィッドは彼らの人生をどう見ただろうか。私はこの映画を見ながら、もっと愛を持って人の人生を見つめよう、と思った。家族であってもなくても、血がつながっていてもいなくても、大切に思う人を無条件に信じ、愛する。もし、それでその人のよりどころになれたら、わーい!わーい!だ。疑心暗鬼で被害妄想の強い日頃の自分を反省しました。
登場人物の親子関係の描き方も象徴的で面白い。親にこう言われたから見返したい、誇りに思ってほしい、子どもを疎ましく思う日もあるけど「パパがんばって!」の一言でみなぎるやる気、子育てができるのか不安に思う日々。これらが、押しつけがましい家族神話や説教臭い誰かの理想論としてではなく、さりげなく若干皮肉交じりに描かれているのも良い。笑えて、ぐっとくる。悪い人は出てこないから、気負わず見れるよ。

 人に生まれてきた我々。遺伝子、育った環境、様々。後世に繋ぐ、子孫繁栄、愛の結晶などと言ってしまえば簡単で綺麗に聞こえるが、それは新たな命にゼロからの人生を背負わせるということであり、100%ハッピー人生を保障できない娑婆で生きて行け、ということだ。でも、そうは言っても、生まれ出でた私たちはそんな中で楽しいことや素敵なことも見つけながら生きている。難しくて面白いね。

明日、何か、良いことがありますように。私にも、あなたにも。
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モチーフ:142人の子どもたちの書類、ウォズニアック精肉店のトラック、ミュージシャンのギター、ダヴィッドのサッカーの制服、俳優志望のカフェ店員の入れたコーヒー、ジュリーの頼んだピザ、サッカーボール、ブブゼラ、アントワンのぬいぐるみ、ネイリストの子どものマニキュア、プールの監視員の子どものホイッスル、ラファエルの車椅子
音楽:「Better Time」French Kicks オルゴールver. Cover
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★初ホールワンマンライブ決定しました
2020年10月20日 (火) 
SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
http://www.pleasure-pleasure.jp/
開場 18:00 / 開演 19:00  band style LIVE
S席¥3,800- (税込/1drink代別) / ★S席(記念品付き)¥4,800- (税込/1drink代別) 
A席¥3,300- (税込/1drink代別)  ※全席指定席となります。

★現在最速先行予約受付中
S席(記念品付き)のお求め方法は5月11日(規定枚数に達したら終了)までに、Mailにて「お名前・郵便番号・住所・電話番号・購入枚数(枚数制限無)・ワンマンチケット購入希望」と明記してMailしてください。送り先は minekomine@powerpop.co.jp  

◆チケット一般販売◆
一般発売2020年6月28日(日)10:00〜

ワンマンライブのお問い合わせ先
ネクストロード  03-5114-7444  (平日14~18時) ※状況によりMail対応
みねこ美根 プロフィール

ミネコミネ:6歳の時にピアノで初めて作曲、11歳からはギターでの作曲も開始し、現在はピアノとギターを用いてライヴ活動中。2019年1月リリースの配信EP『心火を従えて愈々』で楽曲のクオリティの高さ、世界観が注目を集め始める。同年8月に下北沢GARDENで初のワンマンライヴを開催し、座席チケット、立見チケットともに完売。みねこ美根 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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