ジョー・サトリアーニ主催の
神業ギタリストを集めたG3ツアー。
その記念すべき第一作目となる
『G3ライヴ』

『G3 Live In Concert』(’97)/Joe Satriani, Eric Johnson, Steve Vai

『G3 Live In Concert』(’97)/Joe Satriani, Eric Johnson, Steve Vai

ジョー・サトリアーニは88年にミック・ジャガーの初ソロツアーのギタリストとして起用されることで、その名が世界的に知られるようになった。その後、ソロアーティストとして順風満帆な活動をしていたが、北欧公演の途中で脱退したリッチー・ブラックモアの代わりにディープ・パープルに参加を要請される。そして、93年12月の日本ツアーや翌年の欧州ツアーで大活躍することになるのだが、レコード会社との契約上の制約でパープルのサポートは1年弱で終了することになった。ソロ作も絶好調の彼が次に仕掛けたのが、G3(3人のギタリスト)コンサートツアーで、96年10月に第1回目のツアーがスタートする。本作『G3ライヴ(原題:G3 Live In Concert)』はふたりのスーパーギタリスト(エリック・ジョンソンとスティーブ・ヴァイ)を迎えて行なわれたコンサートの模様を収録したアルバムで、ツアー1回目ということもあり、熱気と緊張感に満ちあふれた力作となった。

世代によって変わる
ギタリストのテクニック

このアルバムに参加した3人の凄腕ギタリストたちの生年は、サトリアーニが56年、ジョンソンが54年、ヴァイが60年である。ちなみに一世代前のスーパーギタリストたちを見てみると、エリック・クラプトン、リッチー・ブラックモア、ピート・タウンゼンドは45年、ジェフ・ベック44年、ジミ・ヘンドリックス42年、ジミー・ペイジ44年などとなっている。

クラプトン世代(40年代生まれ)のギタリストたちは、その多くがロックンロールやブルース、カントリーといったルーツミュージックに影響されているのに比べて、G3のメンバーは子供の頃からすでにハードロックやプログレが存在していたのである。当たり前のことなのだが、この生年の違いがギタープレイに大きな影響を与えることになる。中でも、ブラックモア、ベック、ジミヘンらが生み出したロックそのもののギタープレイが、G3世代のハードロック系ギタリストに与えた影響は計り知れない。

僕も世代的にG3世代なので、その辺りの事情はよく分かる。ジミヘンの「フォクシー・レディ」(‘67)、ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を(原題:Whole Lotta Love)」(‘69)やパープルの「ハイウェイ・スター」(’72)などは“ロックそのもの”であり、思春期にこれらのレコードを浴びるように聴いていれば、もともとはフュージョン音楽であるロックがルーツ音楽のように身についてしまう。

40年代に生まれたクラプトン世代のアーティストたちは、ブルース、カントリー、ロックンロール、R&B、ジャズ、クラシックなど、もう一世代昔の音楽を聴き、それらを昇華させてハードロックやプログレを生み出すことになるのである。G3世代のアーティストたちが、ブラックモアやジミヘンらに影響を受けているように、クラプトン世代はレス・ポール(1915年)、B・B・キング(1925年)、チェット・アトキンス(1924年)、ボ・ディドリー(1928年)、チャック・ベリー(1926年)、ちょっと若いがジェリー・リード(1937年)、ジェームス・バートン(1939年)といったギタリストに影響されている。

G3コンサートツアー

サトリアーニの声掛けでスタートしたG3コンサートは、途中で何年かの抜けはあるものの2018年まで続いており(当然、今年はコロナ問題があるために無理)、これまで錚々たるギタリストが参加している。ロバート・フリップ(97年)、マイケル・シェンカー、ウリ・ジョン・ロート(98年)、ジョン・ペトルーシ、スティーブ・モーズ(2001年)、イングヴェイ・マルムスティーン(03年)、ポール・ギルバート(07年)、スティーブ・ルカサー、アル・ディメオラ(12年)など、詳細はウィキペディアで確認してもらいたいが、世界トップレベルの速弾きギタリストたちのショーケースとなっている。速弾きプレーヤーでまだG3に参加していないのは、スティーブ・ハウ、エドワード・ヴァン・ヘイレン、クリス・インペリテリぐらいではないか。

OKMusic編集部

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