天月-あまつき- “同じ場所にいなく
とも、強い想い、魂を込めた歌声は絶
対に届く”ことを証明した10周年記念
ライブ初日『Love&Pop』をレポート

天月-あまつき- 10th Anniversary Live Final!!~Love&Pop~

2020.8.29
同じ場所にいなくとも、強い想い、魂を込めた歌声は、絶対に届く。
音楽活動10周年の締めくくりとして、そもそもは4月末に幕張メッセ・幕張イベントホールにて2デイズライブを開催するはずだった天月-あまつき-(以下 天月)。1日は“Love&Pop”、もう1日は“Rock&Cool”と、それぞれのテーマに沿ったセットリストと演出になるということで、ファンの期待値も相当大きかったわけだが、その後まさかのコロナ禍に翻弄され、8月末に公演延期となり、ついには公演中止を余儀なくされることに。しかし、彼は諦めなかった。本来予定していた会場と内容で、8月29日と30日の2日間、無観客ライブをすると決めたのだ。
本記事では、『天月-あまつき- 10th Anniversary Live Final!!~Love&Pop~』と題し、ポップでキュートなナンバーを軸に、華やかなエンターテインメントショウを繰り広げた初日の模様をお伝えする。なお、9月1日(火)23時59分までアーカイブ配信され、期間中であれば誰でもチケットを購入し視聴することが可能なのだが、ここからはネタバレを含んだレポートをお届けする。
アリーナからスタンドまで、ホワイトやブルーの光が静かに灯る中で、フロアに立ち、「Dear Moon」をギターで弾き語りし始めた天月。<教えてよ僕は今誰かの 道標になれていますか>と歌う彼は、「やっぱりダメだな、俺」とギターを置いてしまう。すると、ステージの大きなスクリーンに、天月のマスコットキャラクター・正宗の遠い親戚にあたるという“まさえもん”の姿が。
まさえもん「なに「ダメだ」とかネガティヴなこと言っちゃってんの? 今、キミの姿は日本中に配信されているんだよ?」
天月「本当は今日ここでライブをする予定だったのに、誰も来てくれなかったんだ。やっぱり、僕はダメなんだよ。10周年の終わりということで、ひとつの節目だったんだけど……」
まさえもん「だからみんな来なかったんじゃないかな。正宗から聞いたけど、スタートも同じだったんでしょ? 誰もいない場所でひとりで歌ったところから、天月は始まったんだよね。今日みんなが来なかったのは、この10年でどれだけ天月が成長したかを見よう、っていうことなんだよ」
天月「僕のアーティスト活動は、誰もいない小さな部屋から始まった。そんな僕の歌を聴いてくれる人が、ひとり、またひとりと増えていって、ようやく外の世界に出ることができたんだ。あれから10年、僕は本当に成長できているんだろうか」
まさえもん「今日は、それを証明する日になるんだよ。その前に、観てくれるみんなにどんなふうに楽しんでもらいたいか決めないとね。かっこよくロックなステージか、ラブリーでポップなステージか。どっちにする?」
天月「じゃあ、今日はこっち!」
天月が指さしたのは、“Love&Pop”。逆境を逆手に取ったと言える演出が功を奏したオープニングから、1曲目は「かいしんのいちげき!」だ。オーディエンスが振るペンライトを思わせる光がアリーナやスタンドに瞬く中、まずはバンドメンバー、ホーンセクション、ダンサーが盛り上げて、ジャケットに蝶ネクタイでオシャレに装った天月がステージに登場。「楽しんでいこう!」と言って、ダンサーと一緒に軽やかにステップを踏んだり、巻き舌で歌ったり。「画面の向こうのみんな、今日くらいは好きに叫べ!」と天月が笑顔で言えば、まるでライブ会場に身を置いているように錯覚して、ステージ脇から噴き上がるシャボン玉にもワクワクしてしまう。
天月-あまつき-
続く「恋に溺れて」は、周りが見えなくなるくらい夢中になってしまう恋の歌。伸びやかな声を響かせながら、ダンサーと一緒にジャンプしたりターンしたり、画面越しでもこんなに夢中にさせてくれる天月は、まさに“ステキなヒーロー”だ。前日に動画投稿されたばかりの新曲「ライフ イズ ビューティフル」は、音使いや展開のおもしろさ、開けるサビも印象的な、ライブ映えするナンバー。“君”の幸せを願う天月の歌声は、混沌とする時代を明るく照らしてくれる。そして、ここまでの3曲すべて、天月による作詞・作曲。あらためて、コンポーザーとしての豊かな才能にもうならされてしまう。
「無観客ライブは初めての試み! 大事な1日をバンドメンバーやダンサーさん、スタッフさんたちと素敵なものにしようと準備してきました。フルライブは久しぶり、めちゃめちゃ楽しいです! 次の曲、一緒に歌っていきませんか」
そんな呼びかけからの「小さな恋のうた」では、いつものオーディエンスのクラップや大合唱が、天月の胸の中でちゃんと響いているのだろう。ますます楽しそうだ。「365日のうちの1日、その中のたった2時間だけど。見てくれているみなさんに、楽しんでもらえたら」と前置きして、画面の向こうのひとりひとりを想って歌った「きみだけは。」。「この幕張で歌える日を待ってました!」と歌詞を変えて歌った、「ホシアイ」。そのときそのときの感情を託す彼の歌は、ライブでよりいっそう輝きを増す。
スポーティカジュアルな衣装に着替えて、再びホーンセクションとダンサーチームが加わった「月曜日の憂鬱」では、ペンライトを振りながら歌ったり、キュートなポーズをきめたり、カメラサービスをしたり。<きっと会えるよね>は、天月にとっても、ファンにとっても、気持ちが重なる言葉だ。
大きくてカラフルなエアチューブがステージに揺れ、ダンサー増員で賑やかに魅せた「Sing!Swim!Swing!」多彩な曲展開や言葉遊びも楽しくて、“君=ファン”と“僕=天月”にまつわる至言にグっときてしまう「カラフルタッグチーム」。画面の向こうのみんなと“次もまた会えるよね?”の約束の指切りをした「ファンサ」。胸の高鳴りが止まらない。
「無観客ライブは初めてのことだし、みんながみんな同じ条件で観られるわけではないだろうけど、だからこそ普段と違った演出や楽しませ方ができればいいなと思っております。僕はもともとみんなの顔が見えないところから始めたから、こうして画面の向こうで観て聴いてくれている人がいるって信じられる。でも、目の前にお客さんがいないっていうのはやっぱりさみしい。そのぶん、リアルタイムでコメントをたくさんもらえることはうれしいし、普段僕のライブに足を運んでくれることがどれだけありがたいか、いろんなことを考えさせられる機会にもなりました。ライブができなかった期間、溜まりに溜まったあふれそうな想いを、今日ここで、言葉で、歌で伝えきりたいと思います!」
天月がピアノと歌に想いを託した「キミトボク」。“10周年yearありがとう! これからもよろしくね!”というメッセージがスクリーンに映し出された「Letters to me」。10年の活動を感謝と共に振り返った、映像と天月本人のナレーション。星の柄をちりばめたロングシャツをまとい、花火を思わせる火の演出がステージを彩る中で、確かな絆を感じさせた「流れ星」。<輝きを絶やさぬように>と、今度は凜と力強く歌った「Dear Moon」。時に悩み、不安になったって。天月はこれまでもこれからも、自分の存在や歌を求めてくれる人、応援してくれる人たちのために歌っていくのだ。
天月-あまつき-
「出会ってきたたくさんの愛のおかげで、ここまで歩いてこれた。みんな、本当にありがとう。次の10年も同じ時間を共有できますように。みんなに出会えて本当によかった」
映像でそうメッセージした上での、アンコール。ダンサー、ホーンセクションと共に、ファルセットも交え軽やかに歌い踊った「恋人募集中(仮)」にしても、本当に温かくて楽しい。
「久しぶりのライブ、めちゃめちゃ楽しかったです。ひとつひとつつながってきた感情や声がどんどん大きくなって、10周年記念の幕張メッセにて、みんなと楽しい時間を過ごすことができました。本当に本当にありがとう。だからこそ、今日はもうちょっとだけ愛について考えてみました」
最後に届けてくれたのは、「きっと愛って」。ありったけの愛を込めた歌と笑顔、フロアにダイナミックに弾けた銀テープ。最後の最後まで、なんて幸せなんだ。
「この決断をしてよかったな、とあらためて思っております。本当はみんなに持って帰ってもらう予定だったメッセージつきの銀テープ、僕のファンクラブ『月ノ山天文部』の次の会報と共にお届けしますので、よかったらお納めください。明日は“Rock&Cool”。バンドメンバーが苦笑いしますけど、衣装だけじゃなく、半分以上曲が違いますので(笑)。今日楽しかった人は、また明日も観に来てください!」
そう言って次の曲を歌おうとした天月だったが、これは彼の勘違い。「え、もう全部歌っちゃったのか! 恥ずかしいしちゃんと締まらないけど(笑)……本当に楽しかった!」と、お茶目さを隠せないところも、天月らしさ。なにしろ、彼への愛おしさが募った一夜であった。

文=杉江優花

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