夜韻-Yoin-

夜韻-Yoin-

【INTERVIEW:夜韻-Yoin-】
一瞬の隙に降りてきたもの

主人公になったかのような没入感を
視聴者に与えられたら

ーーデビュー曲である「Seafloor」について伺いたいのですが、この曲を作り始める際に構想していたコンセプトはありましたか?

あれくん:ソロ曲と同じように、「Seafloor」も一瞬の隙に降りてきたもので、もともとコンセプトを決めていたものではなかったですね。

ーーその瞬時に降りてきたものを、どのような過程で作曲されたんですか?

あれくん:メロディを作る時から涼真くんと一緒でした。僕が大枠を作って、それを涼真くんがトラックに入れて編曲してもらうという過程で。その作業は2時間くらいで終わりました。

涼真:僕は、あれくんが感じてる世界観をできるだけ新鮮なまま出そうっていう気持ちで作りましたね。でもそれがプレッシャーになったわけではなくて、本当に楽しみながら作りました。“よし、波の音いれちゃおう!”みたいな感じで(笑)。

ーーその世界観を形にする上で、どのようにテーマに対して意識を向けたのでしょうか。

涼真:“海に落ちていく”や“海辺”というテーマが絶対的にあったので、メロディが入らなくても、落ちていく様子が見えてくるようなアレンジが正解だと思って編曲しました。海の中を意識したとき、“3D感”がすごく大事になると思って、ゲーム音楽だったりそういう表現が得意な人とかに聴いたりしました。そこから着想を得て普段の自分の曲では使わないクリシェというコード進行を使ったり、リバーブを使って聴く人が落ちていく感覚になれるようなアレンジを心掛けました。
涼真

涼真

ーー「Seafloor」の歌詞や2人で完成させたデモ音源を聴いて、岩村さんはどう思いましたか?

岩村:曲のLow-Fi感とあれくんの歌詞の世界観がマッチしてて、その重すぎない絶妙さに感動してしまいました。“2時間で作曲したの? ”と疑っちゃうくらい(笑)。そこからピアノを入れるにあたって、“海の中に落ちていく情景”をどう表現していくかというのを意識しました。

ーー2コーラス目の感情を露わにしたようなセリフがとても印象的でした。そういった要素を入れる理由はどういったものですか?

あれくん:普通の曲にはあまり無いセリフを入れることによって、自分が主人公になったかのような没入感を視聴者に与えられたらなと思ったり、もともと僕が感情を込めるのが得意だって言われていたこともあって、今回の「Seafloor」にも入れさせていただきました。

ーー海の底に落ちていく描写が印象的なミュージックビデオでしたが、その制作にはどういう携わり方をしましたか?

あれくん:最初、イラストレーターさんに僕が考えたイメージを4枚描いていただきました。そこで、もっと何かプラスできるのではないかと思って、アニメーション制作の方にも頼んで、細かい描写の再現をしてもらって。最終的な映像が返ってきたとき、意味わかんないくらい再現されてて感動しました。

岩村:“イラストが生きた”って言ってたんです。

あれくん:描かれた絵に、命が吹き込まれる瞬間を見たかのようでした。

ーーリスナーに注目してほしい映像や歌詞のギミックはありますか?

あれくん:セリフにリンクして、男の子の影が女の子の姿に変わっている描写にも注目していただきたいです。それに、曲が終わった後に映る女の子は、次の曲の伏線だったり。あと、“この世界に愛なんてなかった”というセリフだけ、声を2パターン録って左右に振り分けて出力したという、こだわった点があります。

ーーでは、YouTubeの概要欄に歌詞と共にコードを載せていますが、その理由や意図していることは?

岩村:やっぱり、カバーしてもらいたい。

あれくん:二次利用、最近っぽいですよね。

涼真:コードがあったら嬉しいですもんね(笑)。

ーー涼真さんのYouTubeチャンネルに、オフボーカルがアップロードされていますが、それも二次的利用を狙ってたり?

涼真:そうですね。第三者が関わることによってどう変化していくのかが気になりました。でも、トラック自体を普通に聴いてほしいっていう気持ちもありました。アレンジャーにとってのオフボーカルやパラデータって財産なんです。それを沢山の人に聴いてもらいですね。あと僕、インストが好きなんですよ。“そんな楽器入ってたん!?”という驚きもありますし。だから僕の中では“同業者向け”という意図もあります。

ーー通ずるものとして、昨今“夜好性”と言われるネット発のユニットやアーティストの存在感が高まっていますが、それらに対してライバル心などはあったりますか?

岩村:無いです。普通に大好きです!

あれくん:将来、僕たちと一緒に音楽ができる機会があればいいなと思っています。

涼真:でも、同じ括りにされるという意識はあんまりないですね。

あれくん:インスピレーションを受けることはあります。でも“似たような曲を作ってるか”って言われたらそうでもなくて。それを真似るのはアーティストとして、プロとして、やってはならない。僕たちは唯一無二として、“夜韻-Yoin-”という、新しいジャンルとしてやっていくぞ、という心持ちです。
岩村美咲

岩村美咲

ーーまだ難しい環境下ではありますが、今後、夜韻-Yoin-としてライブをする予定などはありますか? また、ライブについてメンバー同士で話したりすることは?

あれくん:今後のライブの予定はまだわからないですけど、ライブはしたいですよね。この2人がやっぱり現場出身なので、ライブしたい!したい!って言ってて。僕はずっと画面越しでやってきたので、熱がすごくて押しつぶされそうなんですけど(笑)。

涼真:いやーライブしたいっすね。

あれくん:ひしひしと(笑)。

涼真:ひしひしと(笑)。3人ででかいステージ立って、バックスクリーンに“夜韻—Yoin—”って出て。

あれくん:ふわぁって、スモーク出て…。何も見えなくなって(笑)。

涼真:超楽しみですよね! 一発目がどうなるのか。

岩村:一発目、楽しみですね!

ーー現時点で考えている今後の夢や目標はありますか。

涼真:日本一じゃないすか。

あれくん:日本一、世界一取って美味しいご飯を食べたいねっていうね(笑)。日本一、音楽業界を賑わすじゃないですけど…、誰でも知っているようなアーティストになるのが共通の考えだと思います。

涼真:実力派になりたいっすよね。音楽好きが唸るようなプロサウンドっいうか…、ハイクオリティなサウンドを認めてもらいたい、そしたらすごくないですか?

岩村:ひとつのジャンルとして確立じゃないですけど、時代の歯車を回したいなって思っていてバズってる人じゃなくて、“夜韻、いいよね。こういうのっていいよね”みたいにひとつの確立した“夜韻—Yoin—”っていうジャンルになるのが目標です。

ーー最後になりますが、漠然とした質問です。あなたにとって“音楽”とは?

涼真:常に音楽と一緒に生活してきて、色んな感動があったんですけど、“自分の人生を形として残せるもの”だと思っています。それっていろんな形があるじゃないですか、それを絵にする人もいたり、写真にするひともいたり。自伝じゃないですけど、自分がいた証、というか作品として残るっていうのが、オリジナル曲を作って世に発信していく立場じゃないと味わえないもので、すごくいいことだなって。自分の人生を形として残すひとつの表現の手段だと思ってます。

あれくん:涼真くんがいったこともそうなんですけど、言葉だけだと人の心の隙間に入るのに限度があるんですよ。でも音楽って自然と入っていくものがあって“心の隙間を縫う”じゃないですけど、癒しを生む効果であったり、そういうのだと思ってますね。音楽は何があっても絶対になくならないものだし、自分を救ってくれるものだったり、テンションを上げてもらう材料になったり。僕はそういう見方をしています。

岩村:音楽はこれだってまだ断言できないし、一生自分の中で正解はないなって思うんですけど、気持ちが落ちた時に聴くと癒してくれたり、共感したり、救ってくれるもの。自分が音楽のことで挫折とか嫌なことがあって落ち込んでる時に救ってくれたのが、結局音楽だったりするんです。あと、音楽をする為に生まれてきたんじゃないかって思ってて。なので、命ぐらい大事にしたいものです。

涼真:結論がでかい!

あれくん:やっぱり、人生ですよね! 本当に僕らの活動してきて…、それこそ音楽がなかったらここまでこれなかったし、音楽があったからこそいろんな経験ができるものだと思っていて。この間3人で秩父旅行して満喫したり(笑)。それくらい、仕事ってだけじゃなく、楽しくやらせてもらってます!


取材:須藤大晴・椎名康予(日本工学院専門学校 蒲田校/コンサート・イベント科)
撮影:石原汰一
夜韻-Yoin- × 日本工学院専門学校 蒲田校 コンサート・イベント科 学生

夜韻-Yoin- × 日本工学院専門学校 蒲田校 コンサート・イベント科 学生

配信シングル「Seafloor」2020年8月5日配信

OKMusic編集部

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