ボカロPじん「Inner Arts」に込めた想いを歌詞から迫る

ボカロPじん「Inner Arts」に込めた想いを歌詞から迫る

ボカロPじん「Inner Arts」に込めた
想いを歌詞から迫る

「平凡な人生」を送る誰かの活力に

▲【IA OFFICIAL】Inner Arts | じん (MUSIC VIDEO)
大人気カゲロウプロジェクトを制作したボカロP『じん(自然の敵P)』の21作品目にあたる楽曲『Inner Arts』。
2014年、ボカロIAの新ライブラリとして発売された『IA ROCKS -ARIA ON THE PLANETES』を用いた楽曲として制作されました。
Vita専用IAの音楽ゲーム「IA/VT -COLORFUL-」の主題歌として発表がされた楽曲でもあり、その明るく爽快な曲調に多くのファンが聴き惚れる楽曲となりました。
「誰かの活力になったら良いな」という思いで制作したと、じんのTwitterを通して明かされた楽曲。
その思いはどんな内容の歌詞に仕上げられているのか、考察してみましょう。

Inner Arts 歌詞 「じん」
https://utaten.com/lyric/ni20060802
始まりの歌詞から「誰か」の人物像が、なんとなく見えてきました。
「平凡な人生」に「歪な涙」を流す人物。この歌で励ましたい相手のようです。
それをさらに証明するかのように、続く歌詞でも同じ言葉が歌われています。

Inner Arts 歌詞 「じん」
https://utaten.com/lyric/ni20060802
平凡でありきたりな人生。
そんな中で涙を流す人というのは、きっと今の人生に満足していないのかもしれませんね。
本当はやりたい事があるけれど、目立つ成果や結果も出せず、やりたい事を諦めるしかないような人生を歩んでいるのかもしれません。
ですが、やりたい事への情熱が消えたわけではないのでしょう。
「冷えきった感情も また動き出すでしょう?」という歌詞からは、再び情熱が燃え盛りだす光景。
「背負い込んだ衝動」という歌詞からは、胸の内ではまだ燃え続けている情熱を力に変え、再びやりたい事に向かって挑んでいこうとする光景が目に浮かびます。
タイトルにある「Inner」を和訳すると「内側」や「隠した」を意味します。
そこから考えられるのは、胸の内にまだ存在している「衝動」の事を指しているのかもしれません。
胸の内にありつづけた「衝動」の理由
それにしても、一体なぜ「君」は「衝動」を胸の内に持ち続ける事ができたのでしょうか。
その理由と思われる歌詞が、続く1番Bメロにて歌われていました。

Inner Arts 歌詞 「じん」
https://utaten.com/lyric/ni20060802
「痛みだらけの記憶」が「情熱」を抱き続けられた理由に関わるものだと思われます。
続く歌詞で歌われる「止め処ないダメージ」「やり場所のないジレンマ」も、この「痛みだらけの記憶」にまつわるものなのでしょう。
さらに2番では、こう歌われています。

Inner Arts 歌詞 「じん」
https://utaten.com/lyric/ni20060802
決心がつかず、ためらいを意味する「逡巡」の人生。
きっと「君」の今までの「平凡な人生」を指しているのでしょう。
続く歌詞では「笑われてしまったセンス」「独りよがりのやりきれない日々」と歌われたいます。
一度挑戦したものの、平凡だった故に望んだものにならず失望する事になってしまった光景が歌詞から想像できます。
もしかしたらその失望が「君」に、自分が平凡な人間である事を理解させ、情熱を諦めさせてしまったのかもしれません。
けれど、それを逆に自分の力に変えてみようよ、という事も歌われているようです。
「君」の中に「衝動」があり続けていたのは、嫌な事を全て自分の力に変えようと足掻く心が、現実を見返したい思いがあったからなのかもしれませんね。
歌詞の中では度々、衝動を歌に変えようとするさまが歌われています。
タイトルにある「Arts」は、歌というArtsに変化し、例えられた衝動そのものを指し示しているのかもしれません。
「衝動」を焚きつける曲「Inner Arts」
Inner Arts 歌詞 「じん」
https://utaten.com/lyric/ni20060802
「伝えよう」「叶えよう」と誘うように歌うCメロ。
諦めかけていたことや、本当は叶えたいと思っていたものに、再び自分の力で挑もうと背中を押すような歌詞となっています。

Inner Arts 歌詞 「じん」
https://utaten.com/lyric/ni20060802
大サビもCメロ同様に力強い言葉で「君」の背中を押すような形の歌詞となっています。
「君」が自分の本当にしたい事や、やりたい事を諦めてしまわないように、自分自身を信じて歩み出せるように。
そんな強く熱い想いが、ひしひしと伝わってきます。
しかし、絶対に成功する、と言った事は一切歌われてはいません。
「不確かなままでいい」と歌う様からは、全力を尽くしたところでどのような結果を出すかはわからない、という現実の厳しさが込められているように思います。
しかしそれでも踏み込まなければ何も始まらない。
「君」が本当に叶えたいと思うのならば「不確かな」現実に怖がらずに進んで欲しい、というメッセージ性も含まれているように感じられます。
まるで、胸の中に隠された熱い情熱を焚きつけようとするかのような歌詞。
この歌は、そんな「君」の中で燻りかけていた想いに気づき、それを焚きつけようとしているのでしょう。
それが、じんがこの楽曲に込めた思いの正体だったのかもしれません。

TEXT 勝哉エイミカ

UtaTen

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