大原ゆい子&YURiKA『リトルウィッチ
アカデミア』VRゲームでコラボ 主題
歌「Dream Flight」の「フルを早く聴
いてくれ!」

10月13日にOculus Quest向けの発売が決まったVRゲーム『リトルウィッチアカデミアVR ほうき星に願いを』の主題歌でコラボを果たした大原ゆい子とYURiKAが登場。 2015年公開の劇場版『リトルウィッチアカデミア』主題歌でデビューした大原が作詞・作曲を、2017年放送のTVアニメ版『リトルウィッチアカデミア』のOPテーマでデビューしたYURiKAが歌唱を担当するゲーム主題歌「Dream Flight」と、『リトルウィッチアカデミア』についての思いを存分に語ってもらった。

「Dream Flight」から感じる“大原ゆい子らしさ”
――『リトルウィッチアカデミア』に縁のあるお二人が満を持してのコラボという「Dream Flight」について、この企画のお話を聞いたときの気持ちからまず振り返っていただきたいなと。
大原:私は『リトルウィッチアカデミア』の曲をまた書かせてもらえるということと、YURiKAちゃんの曲を書けるということがすごくうれしくて。どういう曲にしようかなと最初に思った記憶がありますね。あと、単純にまた(『リトルウィッチアカデミア』の曲を)やらせてもらえるんだということがうれしかったです。
YURiKA:私も、まずは『リトルウィッチアカデミア』のまた新しい展開があるということがすごくうれしくて。そこにさらにプラスして、主題歌を歌わせていただけるということと、ゆい子さんが作詞作曲をしてくれるということを同時に聞いたので、本当に『リトル』ファンの方も待ってくれていたタッグだと思いますし、早くどんな曲か聴いてみたいなというのが、最初の記憶ですね。
――2019年7月7日にVRゲーム化の発表とクラウドファンディング募集と合わせて主題歌も告知されました。楽曲制作は、発表時点で進められていたんですか?
大原:わりと早くにUNIVRSさん(ゲーム制作)とTRIGGERさん(原作)を交えて楽曲の方向性みたいな会議をしたんですけど、発表されたときにはまだ作っている最中ですね。なので、YURiKAちゃんに早く渡さないといけないなと思っていました。
――ゲームのコンセプトがものすごくハッキリしていることで、作りやすかった部分はありましたか?
大原:UNIVRSさんが「純粋にファンの人たちに『アッコにまた会えるという』という気持ちを楽しんでもらえたら嬉しい」というようなことをおっしゃっていて…そういう気持ちを含めて、「また会いたかった人に会える」とか「一緒に夢をかなえられる」みたいな方向性があったので、曲の方向性が見えるのは早かったですね。
――YURiKAさんは、最初に曲をもらったときにどういう印象がありましたか?
YURiKA:最初はメロディだけでキーチェックをしたんですけど、まだ歌詞がないのに『リトルウィッチアカデミア』っぽさとゆい子さんらしさがメロディから伝わってきました。編曲もこれまで『リトルウィッチアカデミア』の楽曲にもたくさん関わってこられた吉田穣さんだったり、関わっている方がみんな愛ある人たちだったので、すごく感動というか。「これを歌えるんだ!」っていう喜びがすごくて、明るい曲なのにじーんときてしまいました!
――この2人だからやりやすかったことや、新しく気付いたことなどはありますか?
大原:表に出す曲で初めてYURiKAちゃんの曲を書かせてもらえたので、こういうYURiKA氏の声の出し方好きだなと思いました。これは絶対にYURiKA氏は歌えるし、歌ってほしいなと思うメロディの上がって下がっていく感じを100%以上に再現してくれたので、改めてすごいなと感じました。
YURiKA:やっぱり一緒にライブをしたり、同じイベントに出させてもらったり、一緒にいる時間はすごく多くて。でも、曲をお預かりして歌うとなると、こういうの“ゆい子さんっぽい”みたいな気付きはありました。私が歌っているのは元のキーよりちょっと上がっているんですけど、元のキーだとゆい子さんが歌っているのが想像できるというか。だから、ゆい子さんと一緒に歌えたら楽しそうだなと思いましたね。
――音源聴かせていただいて、たしかにすごい高いキーで歌っているなと驚きました。
YURiKA:Aメロは低いんですよ。その高低差が、飛行機みたいな。
――下がって上がって、さらにまだ上がるんだ!みたいな。「ゆい子さんらしさ」とおっしゃっていましたけど、具体的にはどのあたりが。
YURiKA:サビで言うと「隔てるもの一つない空だから」のところとか。Aメロも1番と2番で違っていたり、そういうちょっとしたところとか。全体的に見たら明るい疾走感のある曲なんですけど、2番のサビが終わって「会いたいと願いを-」というところの、ちょっと立ち止まって……でも頑張ろうみたいな展開っていうのが、なんとなく私はゆい子さんの楽曲っぽいなと。それと同時に『リトルウィッチアカデミア』っぽいというのは感じました。
――ストーリー性がありますよね。
YURiKA:そうですね、ただ「こう!」というよりは、いろんな過程があってそこにたどり着く印象です。
撮影:加藤成美
YURiKA「逆に、今でピッタリだったんじゃないか」
――歌詞のほうからは?
YURiKA:やっぱり、ゆい子さんが歌ってきた『リトルウィッチアカデミア』の曲って、ゆい子さんが作っていると思うんですけど、なんていうんですか。本当に、ゆい子さんが歌っているみたいな。
大原:もしかしたら、専業の作詞作曲家さんとシンガーソングライターの違いがあるのかもしれないですね。自分ではわからないですけど。
YURiKA:なんか、しゃべり口調っていうか。たとえば「~だろう」とかじゃなくて、ゆい子さんの楽曲って「~なのよ」とか女の子の口調とか語尾が好きで印象に残っているんですけど。
大原:そういうことか(笑)。
YURiKA:「Dream Flight」もそうですよね。第三者というよりは自分視点というか。
――このVRゲームも一人称視点になりますし、そこも重なる部分がありますよね。
大原:それ、それそれ! それです(笑)。
――ゲームは実際に遊ばれましたか?
大原:作っている段階のものを遊ばせてもらいました。
YURiKA:UNIVRSさんにおじゃまして、体験版みたいなものをやらせていただいたことはあります。すごいですよね?
大原:すごいですよね。酔わないんですよ。
YURiKA:そう、そうなんですよ。それで、本当にアッコたちキャラクターが目の前にいて。箒の試乗会もできて、本当に飛んでるみたいな。ゲームをやっている感じというか、違和感が全くなくて。それがすごいなと思いました。
大原:本当に目の前にアッコが出てくるんですけど、つかめそうで(笑)。思わずこうやっていたり(手を前に出して目の前の人の顔を触ろうとする動き)。
YURiKA:すごーい! みたいな。リアルですよね。ぜんぜん違和感がなくて。
大原:UNIVRSさんの技術ってすごいんだなと思いました。
YURiKA:本当にUNIVRSさんの『リトルウィッチアカデミア』愛がすさまじいので。嬉しいですよね。こんなに「好きだ!」って言っている人たちがこんなに素晴らしいものを作っているんだっていう。
大原ゆい子 撮影:加藤成美
――遊ばれたときは、曲は完成していたんですかね。
大原:乗った後に楽器レコーディングを見に行きましたね。
YURiKA:歌詞はもういただいていて、練習をしている時期でした。ゲームの楽しさとかも知りつつ歌えたので良かったです。
――実際に体験してからゲームの曲を歌える機会は珍しいですよね。
YURiKA:ないですね。本当にない。
――その歌のレコーディングが終わって、曲が完成したのはいつ頃だったんですか?
YURiKA:歌ったのは3月の頭で、マスタリングとかいろいろあって完成になったのは4月くらいだったかな。
――ゲームの発売延期が5月に発表されましたが、早く発表したいというもどかしい時間が長く続いたんじゃないですか。
YURiKA:今も「フルを早く聴いてくれ!」って思ってるんですけど(笑)。※取材は9月中旬、ゲームのプロモーション映像は公開中
大原:このご時世なので、VRで自分の見たいものや爽快感が味わえるのと同時に、歌も一緒に聴いたら絶対に元気が出るだろうなと思っています。
YURiKA:逆に、今でピッタリだったんじゃないかというか。チャンスになっているんじゃないかなと思います。
――家のなかにいて空を飛びまわれるって、すごい需要がありそうですよね。
大原:本当に壁がないような感じで、どこまでも(空が)ある! みたいな感じなので。
撮影:加藤成美
「『リトル』ファンには気づいてほしい」仕掛けも?
――その「Dream Flight」の配信開始が10月9日。同日にYURiKAさんが生配信ライブを行って、第1部で初歌唱ということですね。バンドの生演奏付きで、セットリストも両部で違ったものになるとアナウンスされています。
YURiKA:お客さんを入れるか入れないかというのは本当に悩んだのですが、「無観客でやります」と先日発表させていただきました。久々のバンドでのライブで、しかも配信だからどうなるか見えないところはあるんですけど、新しい曲を歌える喜びも、みんなで音を出せるという喜びもあるので、それをかみしめてやりたいなと思っています。
――リハーサルはもう進んでいるんですか?
YURiKA:リハーサルはもうちょっと先ですけど、たぶん熱量がすごく伝わるものになると思います。『デッドヒート』というライブタイトルの意味も、たぶん「Dream Flight」が出たら気付く人は気付くんじゃないかなと、思うので新曲と一緒に楽しんでほしいです。
――ライブのタイトルも『リトルウィッチアカデミア』にかかったものがあるんですね。
YURiKA:「Dream Flight」にもちょっと仕掛けがあるんですよ。『リトル』ファンには気づいてほしいです。
大原:そこだけちょっと違う感じになるから気付くよね。アニメでも名シーンなので。
――ファンの方のマニア度に期待というところですね。ライブでこの曲を歌うことについても強い思いがありそうですね。
YURiKA:最初のキーチェックから考えると、1年以上かかってやっと初披露なので、やっと歌えるんだという気持ちはあります。レコーディングに関わってくださった方もライブで演奏してくださるので。私のことを応援してくれている方はもちろんですけど、『リトルウィッチアカデミア』のファンの方にも絶対に届くと思うので、何よりも楽しみです。
YURiKA 撮影:加藤成美
――大原さんも、7日にデビュー5周年ライブがあるということで。せっかくなので少しお話していただければと。
大原:短めの時間の配信ライブとかはやっていたんですけど、ワンマンとしてお金をいただいてお客様に見てもらうという形の配信ライブは初めてなんです。だから、観てくれている一人ひとりに「画面の向こうにいるあなたに向けて」みたいな形でライブができたらいいなと思っていますね。
――カメラの向こう側に向けて歌うときに、こうすればこう伝わるというイメージはあったりしますか?
大原:そうですね……カメラが苦手なので(笑)。たぶん歌っているときは集中してしまうんですけど、その集中の具合をどこに向けるかで伝わり方は変わってくると思うので、カメラはあまり意識しないで画面の向こうに問いかけたいと思います。
――YURiKAさんはカメラは苦手ではないですか?
YURiKA:私はカメラ好きなんですよ(笑)。でも、いろいろな配信ライブを観ていて、まず無加工の映像というか「配信に耐えられる人」になろうと。私この1カ月半で3キロも落としたんですよ。体力づくりということもあるんですけど、久々にライブをやるから、どうなるかわからないじゃないですか。以前はお客さんがいて、アドレナリンに頼っていた部分とかが今回はそういうの抜きになるので。しかも、画面越しに見られるというプラスの配慮というか意識が必要になるので、配信に耐えられる人になろうと思いました(笑)。
――ご覧になった配信ライブで、参考になったものはありますか?
YURiKA:GRANRODEOさんです(即答)。最高でした。
大原:私はJ-POPアーティストの配信ライブは観ていたんですけど、やっぱり楽曲の良さとか、自分が聴きたいものってあまり変わらないと思うので。めちゃくちゃにアレンジされているものよりは、変わらないけどライブ感があって伝わるものがやっぱり良いなとあらためて感じました。
――そのあたりを考えてアコースティックライブにされたんですか?
大原:もともとアコースティックライブが多かったということもあるんですけど、オケで歌ってライブ感がどれくらい出せるかなというのがあって。この時期にスピッツさんのライブ映像とかめちゃくちゃ観ていたんですけど、素な感じというか。「そこで演奏をしている」という感じを伝えたいですね。
大原「ささやかな幸せのなかでたくさん曲を書けたら」
――そんなお2人のライブと「Dream Flight」の配信と、ゲームの発売も控えているという10月がもう目の前と。コロナ禍でいろいろ停滞していたものが、秋からまた動き出そうとしているような雰囲気もあるのですが、お2人はこの半年近くをどう考えていますか?
YURiKA:うーん、どうなんですかねえ。
大原:あんまりライブができないとか、外に出られないということもありつつ、家で静かにいられる時間も増えたので、もうちょっと先の未来に向けて頑張ろうかなという気持ちではいます。
YURiKA:私もゆい子さんが言っていることわかります。たしかに自分がライブをできなかったり、好きなことを追いかけられる機会は減ったんですけど、逆に家にいることが多くなったときに好きになったものもけっこうあって。たぶんそれって時間があるからできたんだと思うので。もちろん今まで好きだったものはずっと好きだけど、新しく好きになった歌だったり作品だったりにも気軽に「ちょっと配信でライブを観てみるか」とか「落ち着いたら現場で観てみよう」という流れもあると思うので、全部が悲しいと思わなくてもいいのかなと思います。
撮影:加藤成美
――いい充電期間だったという感じですかね。
YURiKA:勉強できるということは、そのための時間があるということなので。
大原:逆に、今までおろそかにしてしまっていたことに気付けてよかったのかなと思うことはありますね。といってもネットフリックスばっかり見ていましたけど(笑)。
YURiKA:それも、好きな作品が増えたら話せる場所が増えるじゃないですか。いいですよね、「愛の不時着」。
大原:そうそう。
――「愛の不時着」がこれからの活動にどうつながるか。
大原:でも、歌詞3曲分書けました。「愛の不時着」で。
YURiKA:(拍手)身にならないことはないですよ。
――「不時着」と「Dream Flight」、文字面だけ見るとつながりががありそうな……?
大原:そういうわけじゃないですけど(笑)。
――ですよね(笑)。ほかに、具体的にステイホーム期間で初めて触れてよかったものってありますか?
YURiKA:私は、どぶろっくさんと野村義男さんです。超どハマりして。野村義男さんは配信ライブとかめっちゃ観てますし、インスタライブとかも観ていて、めっちゃハートとか飛ばしてます(笑)。
大原:うちのお母さんが野村義男さんめっちゃ好きなの。だから、YURiKA氏は渋いと思って。
YURiKA:どぶろっくさんは、もう今ちょうキてて、会えたら泣きます。あとはプロレスですね。どうぞ。
大原:私はYouTubeがもともと好きで、いろんなクリエイターさんのを観ていたんですけど、自分がアーティストとしてどういうことを発信、SNSや動画、配信できるかなと思っていたときに、YouTuberさんの動画とかSNSの発信を見て、きっとこういうことをファンの方も求めているんだなと改めて勉強になりました。自分が好きになるものって、自分がさらにそれをほかの人に与えるものにつながってくるなと思って。改めてYouTuberさんはすごいなと思いました。
――ファン側の視点で自分を改めて見つめなおしてみたという感じですかね。
大原:そうですね。あまり今までそういうのがなかったので、おかしいですけど。はい。YouTuberさんすごいって思いました。
YURiKA:あとはオンライン用の化粧とか覚えましたよ。
大原:わかる。
YURiKA:直接会うときのようなメイクをしていたら、画面越しだとゴリゴリに見えるんですよ。「ばっちりですね!」みたいな。そういうのは調べて試していました。どぶろっくさん以外だと。
大原:この流れだと、どぶろっくさんで終わっちゃう(笑)。
――そうならないうちに、最後の質問に移りましょうか。『リトルウィッチアカデミアVR ほうき星に願いを』というタイトルにちなんで、「願い」ですね。これからやりたいことを最後に聞かせていただけますか?
大原:私は、改めてコロナだったりで、普通の生活……それも何だかわからないですけど、自分が「普通に生活」をしないと、人に響く曲は書けないなと思ったので、本当にささやかな幸せのなかでたくさん曲を書けたらいいなと思っています。
YURiKA:願い……。やっぱり、こういう状況になっても変わらずに応援してくれている人。新しいものを探せるという話をしましたけど、逆にライブとかがないことによって、今までのファンの方は応援の温度を保つことって正直大変だと思うんですよ。でも、そんななかでも変わらず応援してくれる人はいるんですね。そういう方に、やっぱり私はアニソンシンガーとしてひとつでも多くの作品に関わっていくことがいちばんの恩返しだと思うので、くらいついていきたいですね。ひとつでも多くの作品の歌を歌いたいというのが願いです。
撮影:加藤成美
取材・文:藤村秀二 構成:加東岳史 撮影:加藤成美

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着