ダミアン浜田陛下に操られてメジャー
デビュー! “改臟人間”の素顔を見
た!〜金属恵比須 独占インタビュー
[第3回]

プログレッシブ・ロック・バンドの金属恵比須が2020年11月25日に新作『黒い福音』を発表した。同時期に発売される、聖飢魔IIの創始者、地獄の大魔王・ダミアン浜田陛下のソロプロジェクトDamian Hamada’ s Creatures (D.H.C.)の『旧約魔界聖書 第I章』、『旧約魔界聖書 第II章』に全面参加し、注目が高まる彼ら5人(稲益宏美 栗谷秀貴 後藤マスヒロ 髙木大地 宮嶋健一)へのインタビュー第3回目(最終回)をお届けする。前回から『黒い福音』の楽曲のエピソードを語る金属恵比須。そして、現在の金属恵比須の形成の経緯、今後の展望も。
稲益宏美、栗谷秀貴、後藤マスヒロ、宮嶋健一

――『黒い福音』収録曲の振り返りもラストに近づいてきました。「躑躅ヶ崎館」。これは『武田家滅亡』のスタジオ盤とまったく違った演奏ですね。
宮嶋 そう、ライヴではいつもこのスタイルでやっているんです。オリジナルでは高木のピアノソロですが、後半を即興演奏にしているんですね。
高木 ライヴではいつもこのヴァージョンでやっていたのでCDに収めたいなと。スタジオ盤とライヴ盤でまったく違った演奏をするというのは70年代ロックのセオリーなんで(笑)。
――陰鬱とした雰囲気を吹っ飛ばすかのように、次の曲は後藤マスヒロさん作「道連れ」です。
マスヒロ よく「明るい曲だね」とかいわれるんだけど、自分としては別に明るい曲を狙って作った訳ではなくて、なんというか、ブラックな要素とかファンキーな要素をイメージしているのね。
【動画】『黒い福音』のMV「道連れ」。今回のアルバムの収録の様子がつぶさにわかる

――ラストを飾るのはライヴでお馴染み「イタコ」です。これはライヴで聞いているかのような荒々しいサウンドですね。
宮嶋 このアルバムのミックスをやっていて、特に生々しさを伝えたいと思ったのはこの曲でした。栗谷のベースの音は摩訶不思議で、「ベース界のエイドリアン・ブリュー」みたいな感じだよね!
栗谷 そうそう、中学生の時にキング・クリムゾンの『ライヴ・イン・ジャパン1995』のDVDを見てからエイドリアン・ブリュー大好きなんです。ベース持っていてもついつい変な音出したくなっちゃうんですよね。「イタコ」の最後はメンバー各々何やっても許されるスペシャルタイムです(笑)。
宮嶋 今回は本当に偶然の奇跡がたくさん収録されたので、我々はさながらラッキー・メン!
栗谷秀貴、後藤マスヒロ、宮嶋健一

――ですね(笑)。明らかにテンションが上がっています。
高木 あと、ライヴ感を出すために工夫したことがあります。それは収録順に演奏したことでした。
宮嶋 ライヴでの流れを意識してセットリストを決めましたからね。その通りに演奏したからこそ臨場感が出たんだと思います。
マスヒロ 無観客とはいえライヴなんだから当然曲順通り、MCだってしっかりやったんだから。
――本当ですか?
マスヒロ 冗談です(笑)。
――(苦笑)
マスヒロ ちなみに6年前に金属恵比須に正式加入して初めてのライヴの1曲目が「イタコ」でした。思い入れがある曲ですね。
稲益宏美、後藤マスヒロ
――金属恵比須は今後どう進化していくのでしょうか?
マスヒロ 「プログレ」という基本方針に則りながらも曲作りの幅は広がっていると思うので、今までとは一味違うバリエーションは増えるんでしょうね。
稲益 ここ数年の金属恵比須の出会い運はかなりのものです。スターレス髙嶋こと俳優の髙嶋政宏さんや、作家の伊東潤先生、頭脳警察五木ひろしさん、オーケストラ・トリプティーク、そして今年にいたっては聖飢魔II創始者のダミアン浜田陛下とのコラボレーションも果たすなど、縁が縁を運んできてくれるようなありがたい展開で、本人たちが一番びっくりしているほどです。今後もこういったジャンルや分野を超えたご縁をプログレッシヴに繋げていきつつ、金属恵比須らしい活動を展開できたらいいなと思います。
宮嶋 刺激を求めて貪欲に前進する……といったところでしょうか。また、なるべくたくさんの方々を楽しませたいし、たくさんの方々と出会いたいですね。
高木 次は特撮のサウンドトラックみたいなものに挑戦してみたいですね。『武田家滅亡』みたいに「架空のサントラ」(映画はなくてもイメージで作り上げること)でいいけど(笑)。
宮嶋 高木は「音楽『を』表現する」のではなく「音楽『で』表現する」タイプだから、サントラはいいですね。何かそういう話が持ち上がってくるのに期待しましょう!
高木 怪獣モノの「架空のサントラ」となると、ELP『タルカス』になっちゃうか(笑)。
――結成は1991年。長いですね。
高木 結成自体は1991年で、「金属恵比須」と名乗ったのが1996年からですね。それからメンバーチェンジを経て今まで続いています。僕は小学校からブリティッシュ・ハード・ロックやプログレを聴き続けていて、それに影響されるような音楽性は全く変わっていません。ぶれてない(笑)。担当楽器はギターが主ですが「黒い福音」ではキーボードも弾いています。
高木大地  (撮影:飯盛 大)
――宮嶋さんは、キーボードの他にサウンドプロデュースもされていますね。
宮嶋 もともと自分のバンドまたはプロジェクト「ロマネスコ 」をはじめとして色んなところでエンジニアとか編曲をやっていたので、その経験を活かして色々意見を言っていたらこうなりました(笑)。
――稲益さんは高木さんと高校の同級生ですよね。
稲益 高木とは高校の同級生で、卒業式の時に学年から3人代表で答辞を述べるのですが、そのうちの2人が私と高木で、お互い謎に目立つタイプの人間ではありました(笑)。
――目立った同級生だったようですが、10年以上を経て金属恵比須に初めて加入しますね。
稲益 2011年に「女性ボーカル向きの曲(のちの「光の雪」)ができたんだけど歌わない?」というメールが高木から送られてきて、ゲストという形で金属恵比須のライヴに参加しました。そのライヴを観にきていたマスヒロさんに「絶対金属恵比須のメンバーになった方がいいよ!」という後押しをいただいて、2012年の正式加入につながりましたね!
――そんなマスヒロさんも2014年にはメンバーにさせられちゃいました(笑)。数々の伝説的なバンドを渡り歩いてきましたが、高木さんが人間椅子の熱烈なファンで口説き落としたというのは本当ですか?
マスヒロ 口説かれたって感覚はないんだけど(笑)。高木とは、2006年の「新世界」セッション以来、よく録音で一緒になりました。その後2014年にまたオファーを受けて今度はレギュラーメンバーとして加入することになりました。
――芸歴30周年になりますね。
マスヒロ 1990年に頭脳警察の再結成でキャリアをスタートさせたからそうなるね。まいっちゃうよね!! その後90年代後半~2000年代にかけて「人間椅子」「GERARD」に参加していました。金属恵比須参加直前はBand活動はほとんどしてなくて、セッションとかレコーディングを主に行なっていました。
【動画】人間椅子96年のライヴ「針の山」。高木が初めて見たマスヒロはこのライヴだった

【動画】GERARDにおけるマスヒロ。ELP「トッカータ」をカバー

――栗谷さんは加入して3年ほどですね。でも金属恵比須との付き合いは20年以上になりますね。
栗谷 何だかんだで20年以上ですね。当時の金属恵比須メンバーが大学生の時に、まだ高校生だった僕がサポートでギターを弾いたり、加入(2017年)前のここ数年はスタッフでライヴの録音の手伝いなんかしていたので、リアルタイムで変遷を見ていきたわけなんですが、メンバーとして参加するとは思ってなかったですね。しかもベースで! 本当に3年の出来事なのかなと思うくらい濃密な時間でしたね。最初は「マスヒロさんとバンドができる!」っていうくらいの軽い気持ちで加入したわけですが、お陰様でここ数年は人生で経験したことのない“忙しい”感覚を味わって過ごしています(笑)。『黒い福音』は過去にリリースされた恵比須の作品とは少し趣の違う感じに仕上がったと思いますが、やはり金属恵比須以外の何物でもない音楽です。
後藤マスヒロ、稲益宏美、宮嶋健一、栗谷秀貴
写真撮影場所:まごころ居酒屋ROUNDABOUT
2020年11月オンライン上にて収録
(聞き手:深見ススム)

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