Little Glee Monsterインタビュー 
今年最後に届けてくれた贈りもの、リ
トグリはどこまでも前を向いている

5thアルバム『BRIGHT NEW WORLD』のリリースから、史上最多公演を行う全国アリーナツアー。そんな2020年デビュー6周年イヤーを、誰もが予想だにしない形での大幅な予定変更を余儀なくされたLittle Glee Monster。そんな中、今年最後に届けてくれたのは、彼女達らしいメッセージが込められたペンタトニックスとのコラボ・シングル、4年連続4度目となる「NHK紅白歌合戦」への出場、ベストアルバムのリリース、史上最大規模でのアリーナツアーと、未来への希望が詰まったものとなっていた。世界が一変し、普通が普通じゃない状況になってもリトグリはどこまでも真っすぐに前を向いている。
──ペンタトニックスを迎えた「Dear My Friend feat. Pentatonix」は、優しくて温かくて、それでいて力強さもありますし、オールアカペラなのもあって、人間の声の凄さを改めて感じさせる楽曲になっているなと思いました。タイトル曲は先行配信されていましたが、どんなリアクションが届いていますか?
かれん:すごくたくさんの反応をいただいていますね。「人の声だけとは思えない」とか「男性の声が入るだけでこんなに変わるのか」とか。普段の私たちのアカペラとの違いをみんな感じてくれているんだなって思いましたね。
manaka:自分で聴いていて良いなと思ったところが、ボーカルのカースティン(・マルドナード)が日本語を歌っているところだったんですけど、「いつものメンバーの声と違うなと思ったらカースティンだった」って書いている人がいらっしゃって。私たちもめちゃくちゃ自然な日本語だなと思いながらレコーディングしていたので、すごく共感しました。
アサヒ:あとは、ペンタトニックスさんとのコラボがすごく嬉しいという声も多かったですね。
──ペンタトニックスとは、みなさんがデビューされる前にイベントで共演されていたんですよね。
かれん:自分たちのオリジナル曲を一緒に歌ってくださったんです。「HARMONY」にベースとボイパのお2人が加わってくださって。
manaka:当時は中学生だったんですけど、2020年になってこうやってコラボできるということって、すごく夢があるなと思いました。
──確かに夢がありますね。どんな方々なんですか?
かれん:すごく優しくて、フレンドリーに接してくださるんですよ。ライブを観に行ったり、イベントで会ったりしたときに、「ハーイ!」みたいな感じで話しかけてくれるので、いつも優しいお兄さんお姉さんという感じですね(笑)。
manaka:元々、ペンタトニックスの動画がすごいというのを聞いて、メンバーでめちゃくちゃ観てたんですよ。
──ダフト・パンクのメドレーとか?
manaka:まさにです。あの動画を観てから、アカペラに対する個人的な考え方とか意識みたいなものもすごく変わったんですよ。それまではクラシックなアカペラしかイメージになくて、アカペラサークルの歌もキレイだけど、ポップな感じではない印象があったから、聴くのは好きだけど、歌うのは好きなのか好きじゃないのかよくわからなかったんですよね。でも、ペンタトニックスの動画を観て、ものすごく衝撃を受けたんです。こんなアカペラの形もあるんだということに気づいてから、歌うのも楽しくなったし、もっと歌いたいっていう気持ちになったので、そういう意味でもすごく大きな存在なんですよね。
アサヒ:ペンタトニックスがアカペラメドレーをしているのを観て、私たちも始めるようになりましたし、アカペラの楽しさを教えてくれた方々ですね。
──そういう中で今回コラボするに至ったと。
manaka:「コラボできたらいいね」という話はずっとあったんですよ。でも、アース(アース・ウインド&ファイアー。「I Feel The Light featuring Earth, Wind & Fire」で共演)のときと一緒で、ちょっとした社交辞令なのかな、みたいな。自分たちが認めてもらえているなんて思っていなかったので、どこかふわふわした感じで、「コラボしたいなぁ……」みたいな願望というか、叶えたい夢みたいな感じだったんです。だから、まさか本当に実現するとは思っていなかったので、びっくりしましたね。
──作詞作曲は亀田誠治さんがされていて、楽曲はすべてリモートで制作されたそうですが、どういう流れで進んでいったんですか?
かれん:まず亀田さんが曲を作ってくださって、最初に聴かせていただいたのが、外出自粛期間真っ只中の4月ぐらいだったんです。で、みんな自宅でiPhoneに向かって歌を録るところから始まって。いつも仮歌を録るときは、レコーディングブースに入っていたんですけど、まさか自分の家から歌うことになるとは思ってもいなくて(苦笑)。
──確かに。
かれん:それで6月ぐらいにプリプロをしたんですけど、そのときはまだしっとりとしたバラードだったんです。それをペンタトニックス側に送って、返ってきたらいまの形になっていて! 亀田さんが作ってくださったバラードもすごく素敵だったんですけど、まったく違うものになって返ってきたので、みんなで初めて聴いたときにすごく驚きました。
──いまのバージョンも素敵ですが、亀田さんバージョンもめちゃくちゃ気になります。
かれん:亀田さんとしては、「スキヤキソング」みたいなものを作りたかったそうなんです。こういう状況だからこそ、人種とか国境とかを超えて、世界中の人に長く愛される曲になってほしいという願いを込めてくださって。そういう思いがあるからこそ、シンプルなものにしたとおっしゃってました。とにかくいろんなものを削ぎ落としていて、だからこそ伝わるものになっているなって、聴いたときに思いました。
──いつかそのバージョンもぜひ発表していただきたいです。
アサヒ:仮歌のときは日本の曲らしさがあって、それもすごくよかったんですよ。それがペンタトニックスから返ってきたら、華やかさやグルーヴが加わっていましたし、私たちはベースやボイパをしていないので、また違った厚みや深みのあるものになっていたので、すごくびっくりしました。それで、仮歌のときに歌っていた思いとは、またちょっと変えて歌ってみました。温かい気持ちになるようにという気持ちで歌い直しましたね。
manaka:歌だけじゃなくてコーラスも録り直したんですよ。これはコラボした特権だと思うんですけど、ペンタトニックスのひとつひとつの音を聴くことができたんですよね。メンバーのみなさんひとりひとりがかなり個性豊かなので、重ねたときの波がすごく大きくなるんですよ。それに合わせて私たちも大きく揺さぶるようなコーラスにしたりとかにしていて。
──確かに個別で聴くことでわかることってすごく多そうですね。
manaka:声を合わせるために聴いてはいたんですけど、正直、仕事というよりも、ファンとして普通に嬉しかったです(笑)。何食わぬ顔をして聴いてましたけど、「すごい……こうなってんねや……」みたいな。
──確かに貴重な経験ですよね。最初に曲を聴いたのは4月とのことでしたけど、なかなか大変な時期に始まったんですね。
manaka:本当に実現するのかな?っていう気持ちも正直あったんです。今回の話はコロナになる前に聞いていたし、一緒にレコーディングすることを想像していたので。それが、自粛期間中にデモが送られてきて、「歌って送り返して」と言われたときに、これ本当にできるのかな……って。そういう不安はありましたね。
かれん:でも、亀田さんが書いてくださった歌詞を見て、そのときに自分に起こっていたことと重なって、すごく刺さったんですよ。私、いつも仮歌を録る前に、歌詞をノートに自分で書き写してから歌うことが多くて。そうすると自分の中に入り込みやすいので、その作業をしていたんですけど、刺さりすぎて泣きそうになりながら書いていたんです。私みたいに不安を抱えている人はたくさんいると思うので、この状況下で、この曲をリリースできることはすごく幸せなことだなと思います。
──この歌詞が響く方は多いと思います。〈約束だよ また会おう〉で終わるのもいいですよね。
アサヒ:いまって、会いたい人になかなか会えない状況ですけど、そこはみんなも私たちも同じですし、コロナじゃなかったら本当はペンタトニックスとも一緒にレコーディングできたはずなんですけど、それもできなくなってしまったこととかもあって。でも、暗くならず、明るい未来に向かっていこうという歌詞は、すごく素敵だなと思いますし、コロナのことがなかたら、この曲は生まれていなかったんじゃないかなって思いますね。
かれん:未来への期待とか、いまは離れていても繋がっていることを感じますし、MVもそういうものになっているんですよ。私たちがいる日本とアメリカとで、遠く離れているように感じるけど、でも繋がっているよというのが映像にもすごく表れていると思います。
manaka:「Dear My Friend」というタイトルですけど、友達だけじゃなくて、家族とかにも当てはまると思いますし、おっしゃっていただいた〈約束だよ また会おう〉のところは、コロナが収まったときに、ライブで10人で歌えるときが来たら、すごく感動するだろうなって。そう思いながらレコーディングしてましたね。
──いつかその日が来るのを楽しみにしてます。カップリングは「Christmas a cappella medley」「Magic Snow -Sing 2020-」「愛しさにリボンをかけて -Studio Live ver.-」と、すべてクリスマスソングで統一されていますね。
かれん:最初は「Dear My Friend feat. Pentatonix」と「Christmas a cappella medley」で、アカペラだけのシングルにしようかという話もあったんです。でも、時期的にも12月ですし、せっかくだからカップリングはクリスマス一色にしようということで、また新たに録り直しました。
──聴いていて個人的に改めて思ったんですが、日本のクリスマスソングって切ない雰囲気のものが多いじゃないですか。
manaka:確かにウキウキするものって少ない気がしますね。
かれん:温かい曲もあるけど、みんな切ないのが好きなんですかね?
──国民性なんですかね(笑)。でも、今回収録している曲ってハッピーな雰囲気であったり、幸せな光景が目に浮かびますよね。そこがいいなと思いました。
アサヒ:冬って寒くなるし、雪のイメージもあるから、そこでしんみりすることが多いのかなぁとは思うけど、やっぱり私たちはいつでも明るく、温かい気持ちで歌っていきたいと思います(笑)。
──曲によっていろんな表情を出されていますけど、ハッピーで明るいエネルギーを与えられるというのは、自分たちの強みかなと思うところもあります?
アサヒ:やっぱりみんなを応援できるような曲も歌ってますし、元気になってもらえるような歌が似合っているところもあるのかなとは思いますね。
──ちなみに、好きなクリスマスソングを挙げるとするといかがです?
manaka:なんやろうなぁ……クリスマスソングって名曲が多いですよね。この時期になると聴きたくなる曲って結構いっぱいあるし。
──それこそ切ない雰囲気の曲を聴きたくなったりします?
manaka:私はかわいらしい感じのものが好きだったりしますね。ワム!の「ラスト・クリスマス」とか。キュンキュンするじゃないですか、クリスマスソングって。高揚感があるというか。そういう曲が好きです。
──アサヒさんの場合はいかがですか?
アサヒ:なんだろうなぁ……「恋人がサンタクロース」とか。もう歌詞が完全にクリスマスじゃないですか。想像しやすいというか、いいなあと思います。
──かれんさんはどうです?
かれん:いっぱいあるんですけど、最近、桑田佳祐さんの「白い恋人達」をギターで練習してるんですよ。音楽番組でカバーさせてもらったこともあったんですけど、友達がギターを弾いて歌っているのを聴いて、女子が歌う「白い恋人達」って、男性が歌うのとはまた違った魅力が出るなと思って。それで私も練習してます(笑)。
──それもいつか披露していただきたいですね。このシングルが出た後、大晦日には「第71回NHK紅白歌合戦」に出場されます。4年連続、4回目の出場ということで。
かれん:公式のホームページで発表されるまでずっとドキドキしていて、やった! 今年も出れる!って。やっぱり当たり前のことじゃないと思うし、名前の横に付く“(4)”にすごく重みがあって、すごくありがたいねってみんなで噛み締めていました。
──過去に3回出場されていますけど、やっぱり毎回緊張します?
manaka:めちゃくちゃします!
かれん:NHKさんの音楽番組にも出させていただいているので、結構な頻度で行ってはいるんですけど、あの日だけは特別な緊張感があるというか。なんか毎回緊張するよね?
manaka:うん。
──どんな空気感なんです? 結構ピリピリしてたりとか?
かれん:ピリピリというか、時間がタイトなので、すごくバタバタしてます。司会の方が走ってお着替えに行かれていたりとか、そういう場面を見ると、紅白だな〜って思います。
アサヒ:オープニングのときも、出演者の方がすごく多くて、人だらけ!みたいな感じになっているところも、紅白だな〜って。
manaka:みなさん同じ気持ちだと思うんですけど、やっぱり1年を締め括る最後の舞台という感じなので、みなさんも思い思いの衣装や演出をされていますし、NHKさんにとっても失敗が許されないというか。生放送であれだけすごい舞台セットがコロコロ変わっていくので、技術の方もすごくピリピリしてるとは思うんです。それなのにも関わらず、アーティストひとりひとりにすごく丁寧なケアをしていただけているので、私たちはあまりピリピリせず、賑やかな感じでやらせてもらえています。
アサヒ:あと、私の勝手な印象なんですけど、みなさんがいつもよりもキラキラしてるというか。
manaka:うん、わかる。
かれん:確かに。
アサヒ:やっぱり気合いが入っているように感じますね。
かれん:衣装もみなさん紅白仕様にされているので、そこからも気合を感じたりはすごくします。
──そして、年が明けて2021年は現時点でかなり話題目白押しという感じですね。まず、今年予定されていたホールツアーの振替公演を一部発表されています。
かれん:私たちとしてはやる方向で準備を進めていたので、実際にゲネプロもしていたんです。でも、できなくなってしまったことで、残念に思ったファンのみなさんもたくさんいると思うんですけど、「延期」にできたので、そこは前向きに捉えていますね。今年はリアルのライブができなかったので、対面でライブができることがまず嬉しいですし、ライブができることや、お客さんがいるありがたみをすごく感じたので、ツアーではその感謝を伝えたいなと思っています。
──延期なってしまったツアーって、リトグリにとってすごく大きな意味合いを持つものでもありましたよね。「47都道府県でライブをする」というデビュー当時からの夢を達成させるものでもあったし、今年の2月に発表されたアルバム『BRIGHT NEW WORLD』で、これまでとはまた違った新しい魅力を打ち出していたところもあって、そこをツアーで見せてくれるのではないかという期待もありましたし。みなさんとしても余計に悔しい気持ちがあったんじゃないかなと思うんですが。
かれん:本当だったら、そこをみなさんに生でお届けしたかったんですけど、やっぱりこの状況には抗えなくて。だからこそ何ができるだろうと考えたときに、配信ライブを今年2回やらせてもらったりして、また違う形でお届けできたのは……本当はライブで見せたかったところはあるんですけどね……(苦笑)。
──そこは本当にそうですよね。
かれん:でも、画面上でも伝わるものもあると思いますし、配信ライブをやったことで、みなさんすごく喜んでくださったんですよね。リアルタイムでみなさんの声をチャットで聞けたりもしましたし、普段のライブではできないことをしようということになっていたので、客席からスタートしてみたりとかもしたので、新しいチャレンジはできたと思います。
manaka:ライブをしないまま1年を終えるのはどうなのかというので、配信でも届けられるものはきっとあると思ってやったんですけど、生で体感できることのほうが多いというのは確かだと思うんです。やっぱりライブって、本当にお互いがエネルギーを受け取りあってるんですよね。お客さんが明日からまた頑張ろうっていう気持ちになってもらえるように私たちも歌いたいし、そういったお客さんからの反応に、私たちも元気をもらっていて。映像だとそれが難しいので、私たちからみなさんに「伝われ……!」っていう気持ちだけをお届けする形でやっていたんです。だからこそホールツアーは、伝えたいことがコロナがあったことでまた変わってきていますし、会えなかった期間が長かったのもあったから、アルバムを引っさげてというよりも、2020年にぬぐいきれなかった悔しさもちゃんと引っさげて、エネルギーをぶつけられたらいいなと思ってます。
アサヒ:配信ライブで新しいことをできたけど、やっぱり47都道府県を制覇するというのは、ずっと夢でしたし、行ったことのない県に行くことはすごく楽しみにしていたので、すごく残念ではあったんです。だから、来年はみんなの顔を見ながら、同じ時間を、同じ空気を感じながら過ごせたらいいなと思います。
──そして、ベスト盤のリリースと、リトグリ史上最大規模全国アリーナツアーも発表されています。
かれん:ホールとアリーナはそれぞれ違う楽しさや魅力がありますし、いまみんなでどういうものにしようか絶賛考えている途中なので、楽しみにしていてもらえたら嬉しいです。
manaka:やっぱりベストを出した後なので、懐かしい曲から最新の曲までどちらもできるというのが強みになると思うんですよね。
かれん:うん。私たちの歴史も感じられるようなものになるというか。
アサヒ:このベスト盤で初めてリトグリを聴く方もいると思いますし、そういった方々でも楽しめるようなライブになったらいいなと思います。
取材・文=山口哲男

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