Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
360度ビジネスを展開する
経営者が見た
コロナ禍における音楽シーン

レコード会社は
いらなくなるかもしれない

岩田
ライヴ配信はかなり前から着眼されていたということですが、音楽業界という大きな視野で2020年は大谷さんにとってどのように映りましたか?
大谷
これは音楽業界に限らずですが、変化のスピードが上がりましたよね。その中でも音楽業界は特に動きが遅いと思っていたから。僕が新規の業界に参入するのは既存の業界に問題があると思った時…音楽業界で言うなら、LD&Kの創業期はバブルが崩壊した時ですけど、やっぱりどこかおかしいと思っていたんですよ。いつもライヴをすると大名行列みたいにメーカーの人とか8~10人とか来るんで、“この人たちは何をしてるんだろう?”と感じていて。当時はCDが3万枚以上売れないと契約を切られちゃうみたいな感じだったんですけど、今ではあり得ないですよね。僕がショックだったのは、エレファントカシマシが一番最初のメーカーをクビになった時で。彼らも3万枚売れなかったからなんですよ。それの話を聞いて“ちょっと待てよ! エレカシをクビにするなんて!”という衝撃を受けて、“じゃあ、レコード会社は何をするところなんだ?”と思ったんです。そういうのを見ていて、絶対にこれはおかしくなると感じたというか。“余計な人がいっぱいいるからじゃないのか?”って。アーティストには関係ないことですからね。周りにいる人が3人だろうが20人だろうが変わらないわけで、実際に仕事をしてくれている人はそんなにいないし。そういうスタンスでLD&Kをやってるところはありますね。
岩田
先ほど変化のスピードが上がったとのことでしたが、どの点に変化があったと思いますか?
大谷
例えば、日本のイノベーションで言うと、中間に立つ企業が一番潰れるんです。だから、今や問屋や取次の流れが無駄に感じますよね。あと、音楽なんて、今はハードよりもソフトのほうがサイズがでかいんですよ。それがちょっと分からないし、ずっとすごく無駄なんじゃないかと思ってて。例えば、洋服ブランドの店舗に行くと、欲しいものがなかった時に近隣の店舗が持ってきてくれるんです。でも、レコードショップはある店舗で品切れたからバックオーダーがあって、他の店舗からは返品があるんですよ。“何をやってんだ?”と。せめて同じ法人の中では商品を回してくれって。メーカーに発注すれば商品を簡単に送ってもらえると考えていると潰れますよね、この業界は。エコじゃないし、まず無駄だから。
岩田
そう考えると、配信というのが一番合っていると。
大谷
そうなるべきだし、それがイノベーションだと思う。まぁ、どんどんシンプルになってくるんじゃないですかね。
石田
もともとメーカーってプレイヤーを作っていて、それを普及させるためにソフトとしてレコードを売っていたが、時代が変わってプレーヤーがなくなり、音源がデータになったというの流れはありますね。
大谷
それは歴史的にずっと変わってきてることじゃないですか。例えば、アルバムが尊重されている時代もあったし、その前はテレビの歌番組からの流行歌の時代で、ラジオしかなかった時代は流行りの曲はラジオをきっかけに生まれて。その時代時代で変わるのはおかしくないんですけど、その変化に対してみんな少しブレーキがかかるんですよ。少し前の時代がいいとされているから。その考えはそこまで必要ないと僕は思ってますけどね。やっぱり時代時代のイノベーションに合わせていかないと。なんでそう言えるかと言うと、僕は圧倒的に音楽を信じてるからなんです。音楽は絶対になくならない。そう信じているから、僕はどうなっても構わないと思っています。LD&Kは事務所もレーベルも全部やってますからね。ただ、レコード会社はアーティストが自分たちで全てをやるようになってしまったら困るでしょうね。レコード会社でできることがなくなってしまう。まぁ、アーティストの身の回りのケアとかで、エージェントは必要かもしれないけど。
石田
もうすでにアーティストは自分で曲を作って、そのまま配信もできてしまいますからね。SNSを使ってプロモーションもできてしまうし。
大谷
できちゃいます。なので、そこの進化がスピードアップしていくんじゃないですかね。
岩田
コロナ禍を抜きにしてもライヴ事業はこれからも力を入れたいと思われますか?
大谷
ライヴはなくならないと思いますね。なくなるとは考えずらい。アーティストとお客さんが直接だからシンプルだし、そこまで中間が入っていないし。よりダイレクトな時代に変化すると考えても、ライヴは削ぎ落とす部分がないんじゃないかな?
石田
配信ライヴが多くなって、生ライヴの貴重さや大事さがより浮き彫りになった気もします。
大谷
ライヴはドキュメントですからね。ドキュメントって追いたくなるからライヴはなくならないと思いますよ。音源はいろんなかたちになるだろうけど。アーティストも僕たちが提供しているクラウドファンディング(wefan)を利用すれば、アルバムを作る資金調達もできますから、そこの基準が変わればレコード会社はいらなくなるかもしれない。いろんなものが削ぎ落されると、進化のスピードが速くなる…日本は15年くらい遅すぎますからね。でも、みなさん賢いので、いろいろ手を変え品を変えやっていくと思いますけど。そういう意味でもボーッとしてるとダメですよね。本質を掴みながら何をしていけばいいかを考えないといけない。
石田
次に向かって動かないと後退しているのと一緒ですからね。
大谷
そうです。アーティストのために、音楽が存続するためにどうしたらいいかということを、LD&Kも何ができるのかを常に探してやってますよ。
■株式会社エル・ディー・アンド・ケイ
https://ldandk.com/

OKMusic編集部

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