w.o.d.インタビュー 新アルバム完成
直前、2021年最注目3ピースのこれま
でを解き明かす

“次世代グランジスター”と称されるw.o.d.は、神戸出身のサイトウタクヤ(Vo/Gt)とKen Mackay(Ba)の同級生二人に福岡出身の中島元良(Dr)が加わった3ピース。90年代グランジロックの雄・ニルヴァーナを筆頭に、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、ブルー・チアー、グランド・ファンク・レイルロードといった錚々たる名パワートリオが彷彿とする鋭く重いロックサウンドはもちろん、歌声のぶっきらぼうな叙情から立ち姿の色気まで、魅力の塊のようなバンドだ。

2018年に『webbing off duckling』、2019年に『1994』とこれまで2枚のアルバムを発表してきた彼らは現在、3月31日リリース予定の3rdアルバム『LIFE IS TOO LONG』を完成させる直前。最初の2枚で見せた変化の先に何を見せてくれるのか。期待が高まる中、シングル「モーニング・グローリー」配信直前の3人にインタビューした。ゲームチェンジャーになり得る可能性に満ちたw.o.d.の音楽にぜひ注目してほしい。
──中学3年生のときにサイトウさんとケンさんが組んだコピーバンドがw.o.d.の母体なんですよね。
Ken:そうです。最初は4人でした。
サイトウ:とにかくバンドをやりたくて、同級生を集めてコピバンコンテストとか学園祭に出てました。メンバーのやりたい曲を1曲ずつやるみたいな。レッチリとか……
Ken:グリーン・デイとか。
サイトウ:やったよね。俺めちゃめちゃ調子乗ってた気がする。首から“じょんふるしあんて(John Frusciante)”って書いた段ボールをぶら下げて。誰も知らんのに(笑)。
Ken:そこからサイトウさんに「オリジナルやりたい」って声かけられたんがw.o.d.の始まりですかね。
サイトウ:家でひとりで曲作ってたから、大きい音でライブやりたかったんですよ。最初はドラマーおらんくて。
Ken:打ち込みでやってました。
サイトウ:学祭でオリジナルインストのライブをやったんですよ。友達はRADWIMPSのアコースティックカバーとかやってめっちゃ盛り上がってたんですけど、俺らはブレイクコアっていう、ブレイクビーツをめちゃくちゃ細かく刻んだBPMのクソ速いビートを作って、その上でアドリブやってました。体育館のステージ上にサイケな映像を映しながら。
元良:ヤバいね!
Ken:みんなポカーンですよ(笑)。外国人教師だけ盛り上がってたけど。
サイトウ:「アメリカでやろうな!」って言うてたよな。そのうちよく使ってたスタジオのツテで1コ上のドラマーが見つかって、3ピースになりました。高1んときかな。
──サイトウさんがボーカルをやり始めたのはそれから?
サイトウ:そうですね。ギターが大好きで、ギタリストになりたかったんで、あんまりボーカルっていう意識がなかったんです。ジャズギター習ったりメタル聴いてピロピロやったりしてたんですけど、いつからか「やっぱニルヴァーナがいっちゃんかっこいいな」って思って。3ピースに惹かれたんですよ。ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、クリーム、ニルヴァーナ。3ピースがやりたいからボーカルをやったって感じです。
──90年代のグランジロックや60~70年代のハードロックに通じる今みたいなスタイルに固まってきたのはいつごろから? 例えばKenさんはレッチリが好きで、ベースも指弾きしていたんですよね。
Ken:はい。最初はレッチリみたいな曲もやってて、スラップベース弾きまくってました。ピックで弾くようになったんは上京してからですね。プロデューサーのトシさん(ヨシオカトシカズ)と話して「どっちがかっこいい?」って質問されたの覚えてます。
──なんて答えたんですか?
Ken:「ピックです」(笑)。実際かっこよかったし、w.o.d.にはピックが合ってるなって。最初はほんまに嫌いでしたけどね。絶対やりたくないって思ってました。
サイトウ:俺もピックで弾く曲作らんようにしてましたから。でも意外と音楽のスタイル自体はそんなに変わってないよな。
Ken:中3のときの曲も今もやってるもんな。「丸い真理を蹴り上げて、マリー。」は高1の初ライブでやったん覚えてるわ。打ち込みで(笑)。
サイトウ:より絞ったというか。昔は良く言えばいろいろできたけど、悪く言えば散らかってたんで。
──コンテスト荒らしをしていたのは高校時代?
サイトウ:大学に入ってからやと思います。高校んときは単にライブやりたいだけやったんですけど、例えばライブハウスでやるってなったらノルマがあるじゃないですか。でもコンテストやったら、お客さんもまあまあおる前でノルマなしでできるから、そっちのほうがいいやん、ってなって。
サイトウタクヤ
──プロになりたいと思ったのはいつごろ?
Ken:俺は大学んときです。そのために大学入った感あるから。音楽をやれる環境を整えるためにとりあえず大学入って、4年間で何か起こればいいな~って。
サイトウ:俺もそうかな。けっこうヒッピー的な思想で、ずっと音楽やってたらなんかしらいいかなってだけで、具体的に何か考えて動いたりとかはしてなかったんですけど、大学のときに「このままやってても楽しいは楽しいけど、それだけで終わっちゃうな。そろそろちゃんとやらなあかん」って思って、コンテストとかオーディションを受けるようになりました。まぁ、そんときもバカスカ酒飲んでヘラヘラやってたんですけど(笑)。そのころ今の事務所が声かけてくれて、話を聞いたり、自分らでももっと真剣に考えるようになった感じです。
──上京したのはいつですか?
Ken:3年ちょい前ですかね。2017年の9月です。
──「スコール」のカセットシングルのリリースはその直後、2017年12月でしたよね。
サイトウ:ディスジャパ(THIS IS JAPAN)の『NOT FORMAL~NEW ALTERNATIVE~』っていうコンピレーションアルバム(2017年11月発売)とライブ企画(2018年3月)に誘ってもらって、そこに1曲入れようっていうのと、ライブに合わせてカセットも出そうって話で「スコール」と「lala」をレコーディングして、MVも撮りました。
──2018年に1stアルバム『webbing off duckling』(9月リリース)を作って、7月に前ドラマーのオザキリョウさんが脱退、元良さんがサポートを経て8月に正式加入して現在のラインアップになると。付き合いは前からあったんですか?
元良:いや、直前ですね。4月だったかな、当時やってた別のバンドと対バンしたときに初めて会いました。下北沢のrpmっていう小さなセッションバーみたいなところで。
サイトウ:マイクはボーカル用のが1個あるだけで、ドラムセットもちっちゃいんですよ。ギターアンプ、ベースアンプも1個ずつ、スピーカーもボーカル用のがあるだけ。そのイベントの主催者のバンドで元良くんがドラム叩いてて、リハでね。
Ken:そう。「かっけーな!」って。
サイトウ:「めちゃめちゃ鳴らすやん!」言うてたよな。
元良:薄暗い店で、灯りも天井から傘つきの電球が1個吊り下がってるだけなんですけど、その傘よりKenのほうが背が高いから、「でっけえやつが顔見えないけどこっち見てる」って(笑)。すげえ怖かったです。
Ken:ごめんごめん。
──元良さんのw.o.d.の印象はどうでしたか?
中島:めちゃめちゃかっこよかったです。ここ5~6年でいちばんかっこいいバンドが来た!って思いました。本当に。
──誘ったのはw.o.d.側から?
Ken:俺が勝手に声かけました(笑)。ちょうどザキさんが抜ける話があって、二人で「次どうしよう?」って言ってたんで。
サイトウ:「あんときのドラマーに声かけようや」って言ったら「もう連絡とってる。スタジオ入ろう」って。
──最初はサポートですよね。メンバーになった経緯は?
元良:最初に2時間だけスタジオ入ったんですけど、1時間演奏して、残りの1時間はずっとお互い好きな曲かけ合って「いいね、いいね」って言ってて、そのあと飲みに行ったんですよ。今はつぶれたその焼き鳥屋で「入ってください」って言われて、俺は本当にかっこいいバンドだと思ってたんで夢のようでしたけど、1時間遊んだぐらいでメンバーになってほしいとか、逆に「こいつら大丈夫かな?」みたいな(笑)。
サイトウ:逆に元良くんが心配してくれたんですよ。
元良:「とりあえずサポートで一緒にやって、お互いにいいなと思ったらメンバーってことにしたほうがいいんじゃない?」って言いました。
サイトウ:それでいきなり名古屋で3日連続ライブやったんですよ。そこから修業みたいな1~2か月を過ごして、そのまま。
Ken:名古屋で加入した気がする。
元良:大阪だよ。Pangeaだったかな。「俺もうメンバーやな」って思ってたんですけど、面白いタイミングで言いたいなと思って、出番直前に「メンバーにしてください」って。
サイトウ:あー、そやったね。覚えてる。
──夫婦になれそめを聞いているみたいな気分です(笑)。後から加入したメンバーが溶け込めないという話をよく耳にしますが、w.o.d.の場合は?
Ken:全然そんなことないよね。
元良:うん。二人にしかわからないことはもちろんあるけど。
サイトウ:それはさすがにね。十何年か一緒におるし。
元良:そういうのはうらやましいなって思います(笑)。
サイトウ:でもマジで違和感ないっす。
Ken Mackay
──3人で作った最初のアルバムが2019年9月に出た『1994』ですが、僕は1stの荒々しさからすごく変わったと思いました。メロディを重んじて歌を聴かせる感じになったなと。
サイトウ:1stを出したころは歌うバンドじゃないって勝手に思い込んでたんですよ。もうガツガツ押し切るバンドみたいな。2ndではちょっと自分ら的には広がった感じがあったよね。ジャンル的にもそうやし、「あ、こういうこともやっていいんや」っていうのが、曲作りの段階からあったというか。「サニー」とか、まさにそんな感じでした。
Ken:ちょっとだけ余裕が出た感じでしたね。1stはもうがむしゃらだったんで。俺もピック覚えたてで弾かれへんし(笑)、初期衝動だけでした。
サイトウ:昔は曲作ってて「これはw.o.d.でできるな」っていう曲と「これは自分ひとりでやる曲やな」っていうのを分けてたんです。
Ken:実際、別のバンドもやってたしな。
サイトウ:大学んときすっごいゆるい、それこそヒッピーみたいなバンドやってたんです。w.o.d.をやり始めた当初はレッド・ツェッペリンになりたかったんで、曲を作るときもライブするときも「レッド・ツェッペリンじゃないと!」って思ってて。それもほんまの自分なんですけど、たぶん「サニー」を作ったときに、もっとプライベートな自分というか、気を張ってない部分も歌えるんやなと思いました。歌詞もそうやし、曲調も、アコギの弾き語りで作ったような曲をw.o.d.でできるんやって。もともとメロディアスな曲も好きなんで、そういう要素が素直に出てきたんかなって気がします。
Ken:「1994」とか、w.o.d.でできると思ってなかったっすもん。あんなシンプルでメロディアスな曲。けどできたし。
サイトウ:そうやね。パンクバンドをやるならちゃんとパンクロックをやりたいんです。
──ツェッペリンにもレッチリにもニルヴァーナにも叙情的な曲はたくさんあるし、「こうやれば矛盾しない」というコツが、技術的なものか精神的なものかわかりませんけど、見つかったんですかね。
サイトウ:たぶんそうやと思います。絶妙な落としどころというかね。
──YouTubeに12弦ギター弾き語りの「あらしのよるに」を上げていますが、この曲も新作『LIFE IS TOO LONG』に入る予定ですか?
サイトウ:そうですね。やり方はこれから考えつつですけど、自然に作れました。元良くんが「いい曲やなぁ……」って、やるたびに言ってくれます(笑)。
──サイトウさんの歌はw.o.d.の大きな魅力だと思うんですが、メンバー的にはどうですか?
Ken:すっごいいい声やと思います。
サイトウ:(照笑)
Ken:うまなったよね。昔から知ってるんで、どんどんうまなってるな、よくなってるなと思います。感情が乗ってるっていうか。
──前はここまでは歌えなかった?
Ken:全然歌えなかったんちゃう?
サイトウ:あんまり歌を歌として意識してなかったと思います。ギターありきのボーカルってテンションで始めたんで、レッチリも弾きながら歌うみたいな(笑)。でも聴いてくれる人が増えてくる中で「ボーカルがいい」って言ってくれる人もいっぱいおるし、「あ、そうなんや」って思って。いい曲を作るとかいい演奏をすることは大事にしながらも、ボーカルにそこまで自信はなかったんですけど、どんどんボーカリストとしての意識が高まってきました。やっぱり「サニー」は大きいですね。あれを作れるんやって思ったときは自分でもびっくりしたし。1stから2ndへの変化って意外とリスナーにはわからんかなって思ったんですけど、そういうポップさというか、カラフルさというか……。
Ken:めちゃめちゃポップになったと思ったよ。
サイトウ:「どえらい変化やで」って言われたもんな。でも後から冷静になると全然俺らの範疇やねっていう感じではあったし、今回もどんどん広げていってるし。
中島元良
──1stのモノトーンな感じもすごくかっこいいと思いますけどね。
サイトウ:マジ勢い一発で。ほぼ既存曲やったし。
──歌詞も基本ずっと毒づいていて(笑)。
Ken:ひとりでパソコンに向かって作った曲ばっかりやったもんな。
サイトウ:そうそう。引きこもって作ってたから。
──今はみんなで作るようになった?
サイトウ:だいぶ増えてると思います。前はひとりでガッツリ作り込んで、演奏する中で変わっていったりしてましたけど、今は早い段階からみんなで共有して、いろいろ試したり。
元良:メロが完全後づけの曲が増えたよね。
サイトウ:2枚めの途中ぐらいから、リフやったり構成やったりフレーズを大事にしながら、その上にあえて外したメロディを乗せるみたいなことをやり始めたんです。メロの面白さと、演奏の俺らなりのかっこよさみたいなもののバランスがとりやすくなったかな。
元良:曲によるよね。インストでも聴けるぐらいのかっこよさのある曲にメロを後から乗っけるのって、たぶん難しいでしょ。メロが先にあるものをそういう状態にするほうが楽だけど、それだとどうしても歌ものになってしまうから。
サイトウ:完全にこれは歌ってるな、っていうやつは弾き語りのデモを持っていったりするけど、個人的にもトラック先行の作り方がどんどんハマってきてます。
Ken:最初めっちゃ大変そうやったよな(笑)。
サイトウ:大変やったよ。演奏を作り込めば作り込むほど歌の隙間がなくなってくるし、「よっしゃできた!」ってメロ考え出したら「いやいや、これどうやって俺歌うの?」みたいな。だけど最近は、そっちを進めながらメロのパターンを考えてるから。
元良:後づけも早い段階から始めるようになってきたってことだね。
──僕が最後に現場で見たライブが去年の2月の代官山UNITの『バック・トゥ・ザ・フューチャーII』でした。ソールドアウトで、いい感じになってきたぞと思った矢先のコロナ禍。w.o.d.はライブに強みのあるバンドだから、つらかったでしょう。
サイトウ:ほんまにそうです。ライブありきの生活してたんで、「どうしよう?」っていうところからのスタートでした。
元良:でも、おかげでいい曲もできたと思うし。
サイトウ:そうやね。スタジオで作業する時間が増えたから、さっき言ったみんなで作るっていうのをプロデューサーも込みでガッツリやり出したのは、そのおかげもあるかもしらんよね。
Ken:「楽園」とかな。時間があったから史上最高にかっこいい曲ができた。
元良:「楽園」は本当にすごいよ。
サイトウ:あれができたから、俺は1st以来ずっとこだわってきた一発録りの流れに満足できた。
元良:バンドの歴史に一個クサビを打った感じあるよね。
サイトウ:ね。「できたやん!」っていう感じ。
──どういうところに達成感がありましたか?
サイトウ:ひとつはちゃんとバンドで作った曲として、ベースやドラムのパターンからプレイも含めて追い込めるだけ追い込めたっていうのがでかいです。あとは、一発録りの醍醐味を俺らなりに突き詰められたこと。「楽園」はレコーディングでもライブ感がすごかったんですよ。それをマジの編集一切なしで完成させられて、演奏のクォリティと熱量のピークがパツンパツンに詰まった状態にできた感じがするんですよね。ほんまにやり切れたから、一発録りにこだわりすぎるところから解放された感じがします。もっと自由にレコーディングでもいろいろ試していいんちゃう?っていうか。
──編集したり、例えばゲストプレイヤーを入れたりも……。
サイトウ:全然やろうって気分になりました。
──実際「モーニング・グローリー」のイントロには編集点を入れていますよね?
サイトウ:あそこは入れてないんですよ。ギターは重ねてますけど。
元良:ギターソロがない状態で演奏して、後から重ねてたよね。
サイトウ:タッピングしたから(笑)。エディ・ヴァン・ヘイレンへの追悼の気持ちを込めて。なんかそうして遊べるようになりましたね、ちゃんと。本来、音楽ってそういうものやったなっていうのも思い出したし。
w.o.d.
──オアシスを彷彿とさせる曲名で、イントロがツェッペリンの「グッド・タイムス、バッド・タイムス」っぽくて、歌に入るとビートルズの「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」っぽくて……。
サイトウ:あとケミカル・ブラザーズの「セッティング・サン」とか。
Ken:父親がまったく同じこと言ってました。「ツェッペリンからビートルズやね」って(笑)。
サイトウ:最初のイントロとかメロの部分のベースとかは前からあったんですけど、サビとかははっきりしたのがなくて、勢いで作ったんですよ。「なんかやろう!」って。そういう意味では勢いのある曲やと思います。
──「楽園」「sodalite」「モーニング・グローリー」と「あらしのよるに」の4曲を聴くと、Kenさんの「次のw.o.d.のアルバムやばいんちゃう?」というツイートに納得できます。もうレコーディングは終わっているんですか?

次のw.o.d.のアルバムやばいんちゃう?
— Ken Mackay / w.o.d. (@wod_kenmackay) January 12, 2021

Ken:あと1曲です。
サイトウ:まだいろいろ……(笑)。
Ken:でも90%ぐらいはできたよな。
──楽しみです。5月からはツアーもあって、ファイナルは恵比寿LIQUIDROOM。今回はできるといいですね。
サイトウ:ほんまそうです。やっぱりお客さんの前でやるライブがいちばんいいなって。配信ライブもそれはそれで楽しいんですよ。でも、こないだ久々に東名阪3か所でやったんですけど、もう……名古屋一発めのCLUB UPSETがすごくて、「ライブやば!」って。
Ken:忘れてたよな、あの感じ。
元良:でも、そう思ったのは俺らだけじゃなかったよね。
サイトウ:うん。見に来てくれた人も絶対そやったと思う。
元良:SEが鳴ってステージに出たとき、圧倒されたよね。お客さんは声出せないし、“前へならえ”ぐらいの距離を空けて立ってるのに、ちょっとでも甘い音を出したら負けてしまいそうな熱量でした。
サイトウ:久しぶりのヒリヒリした感じで「ライブってこれやん」って思いました。学生時代にひとのライブ見たり自分らがやって、感動してそわそわしたあの感覚を思い出して、「やらなあかんな!」って。配信ライブもそれはそれで楽しいんですけど、お客さんと空間を共有するライブはやっぱり最高です。
──SNSやYouTubeに「w.o.d.大好き」「いちばんかっこいい」みたいなコメントがありますよね。きっと若い人だと思うんですが、現場で見かけるとグッときませんか?
サイトウ:めっちゃきます。
Ken:根暗なファンとか好きやもんね(笑)。
サイトウ:地方に行くと、メガネをかけたおとなしそうな男の子が「受験頑張って来年から東京行くんで、ライブいっぱい見に行きます。サインしてください」とか話しかけてくれて「するするする! 写真撮ろうぜ!」って(笑)。
元良:緊張しすぎて、ずっと俺らの足元見ながら手だけ出してるみたいな。
Ken:ほんまうれしいよね。過去の自分を見てるような感じやもん。
元良:しかも友達と一緒じゃなくてひとりで来とるんよね。
サイトウ:そうやねん。そういう子ってひとりやねんな。
──w.o.d.はぼっち参戦大歓迎ということで。
サイトウ:もちろんですよ。バラバラやもんね、うちのお客さんは。
Ken:みんな真剣に見てくれるし。
元良:久々に革ジャン引っ張り出してきた、みたいな年配の方もいますよ。
サイトウ:うれしいよね。「大丈夫かな? 音でかいのに」って心配になるけど(笑)。

取材・文=高岡洋詞 撮影=高田梓
w.o.d.

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