森山未來、片桐はいり、栗原類らが出
演 岡田利規作・演出『未練の幽霊と
怪物』上演が決定

2021年6月、KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにおいて、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 『未練の幽霊と怪物』の上演が決定した。作・演出は、作家・演出家・チェルフィッチュ主宰の岡田利規が務める。
本作は、新型コロナウィルスによる感染拡大の影響を受けて、2020年6月に予定していた上演を中止。中止発表後、リモートで稽古を行い、その成果の一部を映像作品『「未練の幽霊と怪物」の上演の幽霊』としてオンラインで上演した。
岡田が「劇場が閉鎖している状況下だからこそ演劇の成立要件について考える、そして表現を発表する、という態度の表明」とした作品は、2回のみの上演でアーカイブもなく消えた作品であったにも関わらず、そのコンセプトと内容で大きな話題となり、今後への期待を集めた。その後、リモート稽古を経て完成・出版された戯曲は、本年2月、第 72回読売文学賞(戯曲・シナリオ賞)を受賞した。
延期から1年後となる2021年6月。本作同様に延期された東京五輪2020直前に、待望の劇場での上演を果たす。
本作は、現代演劇の旗手として国際的に活躍、昨年12月にミュンヘンで初演された『The Vacuum Cleaner』が、ドイツ演劇の年間ベスト10を上演する「テアタートレッフェン2020」(※新型コロナウィルスの影響で開催中止)にも選出された岡田が、現存する世界最古の舞台芸術「能」に触発された作品を、日本の俳優・スタッフたちと共に創作する。ドイツ公立劇場の名門、ミュンヘン・カンマーシュピーレのレパートリー作品として2017年2月に初上演され、話題を呼んだ『NŌ THEATER』の試みを日本の俳優たちと共に引き継ぐ進化版ともいえるだろう。
今回の公演では、同作と同じく能の上演形式に倣い、ザハ・ハディドをシテに描く演目 『挫波(ザハ)』高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる演目 『敦賀(つるが)』 の2演目で構成。
音楽は32年にわたって音楽監督として維新派に携わり、『NŌ THEATER』を始め、岡田のミュンヘン・カンマーシュピーレで発表した4作品の音楽を手掛けた内橋和久が担当。内橋は即興演奏家としての活動と並行してUA、Salyu細野晴臣、カルメンマキ等と歌にも積極的に取り組んでいる。本作ではダクソフォン3重奏を軸に、能の囃子方の役を担う。
出演者には、個性的で才能あふれる俳優・アーティストが集った。俳優、そしてダンサーとしても常にその活動が注目される森山未來をはじめ、無二の存在感を放つ片桐はいり、独自の個性で俳優としても活躍目覚しい栗原類、若手実力派女優でダンサーでもある石橋静河、チェルフィッチュ作品にも多数出演し、映画監督としても話題を集める太田信吾が名を連ねる。さらに、シンガー・ソングライターの七尾旅人が出演。類まれな歌い手の七尾が、劇中では謡をつとめ、内橋率いる演奏家とともに音楽劇としての能の根幹を担う。
岡田利規コメント
岡田利規 (c) Kikuko Usuyama
『未練の幽霊と怪物』について
社会とその歴史は、その犠牲者としての未練の幽霊と怪物を、 ひっきりなしに生み出して来て、今だって生み出し続けています。 わたしたちはそれら幽霊や怪物のことを見ないこと忘れてしまうことを、 その気になればできちゃうし、そのほうが快適な向きは確かにある。 でもそれらに、つまり直視しないこと忘却することに、抗うために、 能という演劇形式が持つ構造を借りて、音楽劇を上演します。
2021年の上演にあたって
幽霊は、現れるために、場所を必要とします。 そういうわけで、「未練の幽霊と怪物」の上演には舞台が、劇場が必要です。 わたしたちは去年の春、公演中止が決まったあとも、オンライン・リハーサルをやっていました。 延期して上演が行われることを見込んで、コンセプトや、このパフォーマンスに必要な感覚を共有するためのプロセスを踏んでいたのです。たいへん上首尾にいきました。 来る上演に向けて、あとは細部の精度にこだわっていくだけです。 準備は万端です。身体、音楽、空間、言葉。 観客のみなさんが幽霊の出現に立ち会うべく、劇場に来てくださるのを心よりお待ちしています。
物語概要
『挫波』 東京五輪招致のため、2012年新国立競技場の設計者としてコンペで選ばれた天才建築家「ザハ・ハディド」。その圧倒的なデザインで脚光を浴びながら、後にその採用を白紙撤回され、それからほどなく没した彼女をシテとして描く。

『敦賀』―夢のエネルギー計画の期待を担い、1985年の着工以来一兆円を超す巨額の資金が投じられたものの、一度も正式稼動することなく、廃炉の道をたどる高速増殖炉もんじゅ。もんじゅを臨む敦賀の浜を訪れた旅行者が出会うのは――。

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