ふぉ~ゆ~辰巳雄大が6歳児に変身!
 「僕のターニングポイントとなる作
品」と力を込める、舞台『ぼくの名前
はズッキーニ』が開幕へ

2021年2月28日(日)より舞台『ぼくの名前はズッキーニ』が東京・よみうり大手町ホールにて開幕する。初日前日には本作のゲネプロ(通し稽古)と囲み取材が行われ、主演の辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、川島海荷、稲葉友、平田満、脚本・演出のノゾエ征爾が出席した。

2002年にフランスで発刊後、瞬く間に世界中でベストセラーとなった小説を、世界で初めて舞台化したのが本作。養護施設に連れてこられた孤独な少年・ズッキーニが、厳しい現実の中でも前向きに生きようとする姿が描かれる。本公演ではそんなズッキーニの姿だけでなく、様々な家庭環境の厳しさからここに集まったズッキーニの周りの子どもたちも描かれており、それぞれの心の傷を負った彼らは、表面的には笑ったりはしゃいだりしているが、その傷を傷と知らずにしきりに母の姿を求める子や、家庭に背を向けて養護施設で半グレ状態で居直る子など、それぞれに愛に飢えた姿を見せていた。そんな子どもたちを愛で懸命に包もうとする大人たちも彼らそれぞれの背景と共に描かれていた。

ステージ上には大きな黒板が壁や床となって彼らを取り囲む。彼らはチョークを手に自分の名前や場面設定、そして心情などを描きちらす。それは、まだ言葉で自分の気持ちを細かく伝えられない子どもたちが絵で表現して伝えようとしているようにも見えた。ズッキーニはシオン(稲葉)やカミーユ(川島)らと時にはぶつかり、時には心を寄せ合いながら少しずつ成長していく。その姿がいじらしく、目が離せないものとなっていた。
辰巳雄大
終演後、先にフォトセッションが行われた。辰巳は隣に立つ川島に「(日テレの朝の情報番組のキメポーズ)“ZIP”ってやらないの?」と話しかけて笑いを取ったりしていた。そして会見スタート。ズッキーニ役の辰巳は「皆でここに立てていること、ものすごい濃密な稽古を重ねた上でここにいること、明日、初日を迎えられることにホッとしています」と、どこかほっとした表情を浮かべる。そして「この作品を一人でも多くの方に届けられることに胸が躍っています」と笑顔を見せた。
川島海荷
カミーユ役の川島は「明日初日という実感はまだないんですけど、このメンバーで稽古を重ねて、たくさん遠回りをしながらもこうやってひとつの作品を作り上げられたのは嬉しいです。生の舞台でこれからも毎日変わっていくのかなと思うので、その舞台の楽しみを感じながら日々過ごしたいです」と嬉しそうに語る。
稲葉友
平田満
シモン役の稲葉は「皆さんに観ていただけるのが楽しみだと思える作品になっているので、早くこの作品を届けたいです」と恥じらいながらコメント。ズッキーニを養護施設に届ける警察官役の平田は「これはいろんなものが詰まってる作品。歌ったり、踊ったりもします。社会的なことなど、いろんなことを考えられると思います」と見どころを伝えた。
ノゾエ征爾
そして脚本・演出を務めたノゾエは、「ちょうど1年前にこの作品の上演が中止となり、そこから1年経って改めて開幕できることになった。感慨深いです」と噛みしめるように言葉にする。このゲネプロが劇場での初めての通しだったそうで、ノゾエが「この後もうちょっと修正して」と言うと、キャストたちが「ヤバイ」と言いたげな動揺を見せつつ笑う。「明日はいい初日を迎えられると思っています」と胸を張るノゾエだった。
芝居上、6歳の子どもを演じることについて、辰巳は「自分の愛してる演劇をやらせていただいてるなと実感しながら稽古してました。スタートから終わりにかけて、どんどん自分たちで作って完成させていく感が強い作品。僕にとってターニングポイントになる作品になるんじゃないかなと思います」と力強く語るが、稽古中はいろいろ考えたそうで「稽古の最初の方は、逆に子どもらしくし過ぎてしまって。稽古をやりながらいらないものを排除していくことで、逆に子どもっぽくなってきました。今の僕らはすごく飾ってしまってるんだなと感じました」と振り返っていた。
自身の役作りの参考になったのは6歳なる姪っ子の存在。姪の動画をみんなに見せたりとデレデレ。「姪っ子の無邪気な一言は勉強になりますね。以前コンサートを見に来てくれたことがあって『ゆうくん、かっこいい』と言ってもらえた。あの素直に人を褒めることができる、混じりっけない一色の色で届けてくれる言葉の出し方は参考になりました」と微笑んだ。
ちなみにゲネプロにはふぉ~ゆ~の福田悠太さんの姿も! 観劇の感想を聞きたいですね。
川島は「私は見た目が子どもなので、逆に恥ずかしいです。この舞台中、27歳になるんですけど、『(子ども役が)すごい似合ってる』って周りに言っていただけるので、それを自信に頑張りたいです」と苦笑い。川島は今年でデビュー15年を迎える。辰巳が「15年?」と川島の芸歴の長さに驚いて復唱し、話を広げようとすると「やめてください」と制する川島。だが辰巳は「大丈夫、大丈夫! 僕は22年だから」とツッコミ。そして稲葉は「ベテランばっかりじゃないっすか」と乗っかり笑い合っていた。
稲葉は「最初はいろんなアプローチの仕方があるなと思いながらやってました」と話し出す。「僕が演じる役は、ちょっと斜めな思考回路がある子なんです。ちゃんとやってたら、お客さまたちが6歳にしてくれるかなと。逆に期待して飛びこんでいこうと思ってやっています」と役作りについて語るが、子どもらしくするためにチークをつけている話になり、辰巳と稲葉は「楽屋で二人でチークの濃さを研究しているんです」と暴露。稲葉は「川島さんがチークブラシでやるより中指でやった方がいいよって教えてくれたんです」と明かすと、辰巳は「そうなの!? 教えてくれなかった。ずっとブラシでやってる」と声を上げる。それに対して、川島から「だってチークブラシ握りたいんでしょ!?」と返されると、辰巳は頷きつつ、「仲良くチークを塗っているのを、平田さんに見守ってもらっています」と話していた。
今回、大きな黒板の壁や床にキャストたちが絵を描いていくという演出について。辰巳は「ノゾエさんが『ブレーキかけず、まず描いてみましょう』と言ってくださって。思ったことをまず描いていくってところから始まりました。チョークの粉まみれになった稽古着が思い出です」としみじみ。毎回生で描くため、絵の要素は決まっているものの、やっていく中で変わっていく可能性もあるそうで、辰巳は「お芝居もその日その日で全く違って、もう1回同じことをやるのは不可能だと思うんですけど、絵も気持ちで変わっていくので、自分たちも見たことのない絵が毎回完成されていて。1公演1公演、全く違う景色になるのかなと思います」と期待していた。ノゾエは「子どもの時に失ったものや無くしたものもあるだろうし……改めて子ども役に対峙した時に、はかなさとかそういうのが(芝居の中から)こぼれていけばいいなぁと思って」と改めて語り、こだわりを見せていた。
さらに、自分の子どもっぽいところはどんなところ? との問いに、辰巳は「子どもっぽいっていうのがコンプレックスなくらい、自分のことを子どもっぽいと思う」と口にし、「好きなものができてしまうと、のめり込んでしまったり、楽しいことが起こってると、そこに足を運んでしまいます」と素直に答えつつ「今は(子どものように)ブリーフをはくことに熱中してます。皆さんがトランクスやボクサーパンツをはくようになって、みんなと一緒なのやだなと思って。色は黒なんですけどね」と恥じらいもせず語ると、川島から「どういうテンションで聞いたらいいのか……」と小声がとんでいた(笑)。
一方、川島は「自分の感情がすごい顔に出ます。不機嫌なときや喜んでるときは分かりやすいですね」と言い、「もっとちゃんと隠せる大人になりたいです」と苦笑い。辰巳と稲葉もそれに同意しつつ、辰巳が「川島さんとは初めてご一緒したんですけど、かわいい川島さんが、たまにヤンキーっぽい歩き方してるのを発見した」と物まねしつつ暴露すると、「やめて、隠してたんだから~。それは素です」と恥ずかしそうにする川島だった。
最後に、辰巳が代表でコメント。「僕たちも養護施設に詳しい方に少なからずお話しを聞いて、登場人物たちのことを深く知ろうと努力しました。演劇はフィクションだと思いますが、この中に生きている子どもたちが闘ってるところに嘘は全くなくて、こうやって闘ってる子どもたちがいるのを深く実感しました。登場人物たちが前を向いて笑顔で生きていて、たくさんの愛が詰まった作品だと思いますので、一人でも多くの方にこの作品を届けられたらいいなと思います」と心境を語って締めくくった。
取材・文・撮影=こむらさき

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