樋口日奈(乃木坂46)、矢島舞美をは
じめとする面々が可憐なフラダンスを
披露!舞台『フラガール -dance for
smile-』公開稽古レポート

2006年に公開され、第80回キネマ旬報ベストテン1位、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した日本映画の傑作、映画『フラガール』。昭和40年という時代を背景に、エネルギーの石油化の波に飲まれながらも、需要の下がる石炭を堀り続ける福島県いわき市の炭鉱町を描き、滅んでいく産業の中で働く人々が、力強く生きていく姿をみごとに表現し、常磐ハワイアンセンター設立までのエピソードを、フラガールに生まれ変わっていく少女達の笑顔と涙で描ききった。
その舞台版(再演)が2021年4月3日(土)~ 4月12日(月)東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演される。
再演にあたり、フラガールのリーダー谷川紀美子役は、乃木坂46の1期生樋口日奈が務める。かつて都会のダンサーだったにもかかわらず炭鉱の娘達にフラダンスを指導することになる平山まどか先生役に矢島舞美。紀美子の親友でフラガールを目指す木村早苗役は、AKB48・山内瑞葵。また、フラガールのメンバーとして、ラストアイドルの安田愛里が新たなキャラクターとして登場。フラガールの問題児・熊野小百合役を劇団4ドル50セントの隅田杏花が演じる他、朝倉ふゆな、吉田美佳子が顔を揃えた。総合演出にはフジテレビのトレンディドラマの産みの親・河毛俊作。プロデュースと構成演出として、現代エンタテイメント演劇の巨匠・岡村俊一が名前を連ねている。
日本映画の傑作が、舞台上に再び甦る『フラガール- dance for smile - 』。前回から続投のキャストにフレッシュな面々が加わり、新キャラクターも参戦する本作の公開稽古の様子をお届けしよう。
左から、朝倉ふゆな、吉田美佳子
まずは構成演出を手がける岡村俊一より、「今色々なことが言われていますが、経済や政治が傾いた日本の中で、エンターテインメントがどんな意味を持っているかを考える、一つのヒントとなる作品だと信じています。もう明日公開でもいいくらい出来上がっていますが、まずは一旦、みんなの元気な稽古の様子を見てください」と挨拶があり、朝倉ふゆな・吉田美佳子による作品紹介がなされた後、メインキャストによるダンス2曲が披露された。
矢島舞美
公開稽古の1曲目はアップテンポなタヒチアンダンス。
平山まどかを演じる矢島の「さあ、みんな行くよ!」という明るい掛け声とともに、ポンポンを持ち、空間を目一杯使った元気でパワフルなパフォーマンスがスタートした。キレのあるダンスと弾けるような笑顔にワクワクし、一気にフラガールの世界に引き込まれる。
続く2曲目は、エルヴィス・プレスリー主演映画『ブルーハワイ』のアレンジ。1曲目とは対照的にゆったりとした曲調に合わせ、しなやかで優美なフラダンスが披露された。
安田愛里(ラストアイドル)
山内瑞葵(AKB48)
樋口日奈(乃木坂46)
2曲のみではあったが、ハワイアンミュージックとフラダンスの魅力、キャスト陣の努力が伝わり、本番への期待がグッと高まった。
続いて、メインキャストからの挨拶と質疑応答が行われた。
左から、山内瑞葵(AKB48)、隅田杏花(劇団4ドル50セント)、樋口日奈(乃木坂46)、安田愛里(ラストアイドル)、矢島舞美
樋口日奈(乃木坂46):今回初めての主演で、不安や「どうやったらいいんだろう」という気持ちもありました。でも、物語に出てくる「一山一家」の気持ちを大切に、キャストの皆さんと団結して、物語に込められた想いや、人の心を動かすほどの少女たちの熱い気持ち・力強さを、皆さんの心にぶつけられるよう、一生懸命頑張りたいと思います。
矢島舞美:この作品は2019年の再演です。前回も「すごく感動した」「たくさん泣いた」という感想をもらって、すごく嬉しかったです。一部キャストが変わりましたが、今回ならではの『フラガール』ができるんじゃないかと思いながら稽古に励んでいます。コロナ禍や、震災から10年ということで、福島県いわき市が舞台の作品を今やることにもすごく意味があると思うので、たくさんの人に見ていただけたらと思います。
山内瑞葵(AKB48):私自身、4年半ぶりの個人としての舞台なので、とてもとても緊張しています。でも、毎日周りのキャストさんがフレンドリーに話しかけてくれるおかげで、すごく楽しく稽古が進んでいます。本番も精一杯頑張って、感動を皆さんにお届けしたいと思います。
安田愛里(ラストアイドル):私もお芝居はかなり久しぶりですし、こんな大きな舞台でプロの皆さんに囲まれてというのは初めてなので、皆さんからいいものを吸収してレベルアップできるように日々頑張っています。ぜひ楽しみにしていてください。
隅田杏花(劇団4ドル50セント):小百合はぽっちゃりしている役柄なんです。私自身コロナ禍で健康のことを考えたり、可愛くなりたいっていう思いがあったりでダイエットをしてたんですが、このお話をいただいて(笑)。こんなに大きな舞台で素敵な役をやらせていただけることがすごく嬉しいです。最初は不安やプレッシャーもありましたが、映画・舞台で描かれてきたいいところを残しつつ、自分らしい小百合を演じたいです。あとは、きれいになりたくて痩せてしまったので、もう5kg増やせたらなと思っています(笑)。
――稽古の中で感じている楽しさ・大変さはどんなものがありますか?
樋口:フラダンスは初めてですし、タヒチアンダンスってかなり動きが激しいんです。それを、みんなで汗をいっぱい流して練習する部活のような雰囲気や、一生懸命さがぶつかり合っている感じがこの作品の魅力だと思いますね。そんな魅力を、稽古や踊りの練習ですごく肌で感じていますし、稽古の時点で達成感やみんなが団結していく感じがあるので、舞台に立つのが本当に楽しみです。
矢島:前回と変わったキャストとの台詞のやり取りでは前回と違う部分が刺さってきたり、前回と同じキャストも、前回よりもいいものにしようという思いで新しいことを試していたり。稽古場でのみんなのお芝居や、演出家の方の言葉をどう反映させているのかを見るのも個人的にすごく楽しいし、日々勉強になっています。あとは、平山まどかとしては、最後に行われるみんなのショーに結構グッときて想いが溢れるので、そのショーを見るのがいつも楽しみですね。
山内:フラダンスも方言も初めての挑戦ですし、個人的には学生を卒業してから初めての舞台です。学生の頃は子役だったので、卒業してからの舞台稽古はまた違った雰囲気を感じています。刺激を受け、ちょっとずつ吸収できるようにと思いながら稽古に臨んでいるので、本番ではもっと成長した自分を見せたいです。
安田:普段はラストアイドルというグループで活動していて、一人でのお仕事は少なかったし、人見知りなので、皆さんと一言も喋れずに終わってしまったらどうしようっていう不安がずっとありました(笑)。でも、皆さんフレンドリーで、稽古中の5分休憩とかでも背を向けたりせず、常に入れてくださって、なんてあたたかい人たちなんだろう!って感じで、精神的にもすごく支えられながら稽古に取り組めています。
隅田:日奈ちゃんが言ったように、タヒチアンダンスは激しい腰の動きなので、(体重を)増やしているのに稽古をすると減っちゃうという矛盾がありますね。すごくたくさん食べてるのにお腹いっぱいにならないし、増えないし、もうどうしたらいいのか(笑)。それが今の悩みです。
――それぞれが演じるキャラクターの個性や魅力は?
樋口:紀美子は、女の子・子供が自分のやりたいことや意見を中々声に出せない時代において、自分が信じたことに向かってまっすぐ進んでいける、周りを巻き込みながら自分の中の正義に突き進める強い子だと思います。私より年下の紀美子を演じる中で、「こんな力強さがあるんだ」「信念に従ってまっすぐに生きて、“当たり前”を壊した先には明るい未来が待っているんだな」っていうことを教わっています。
矢島:平山まどかは、親にコンプレックスを持っているものの、自分でこの状況を変えたいと人一倍努力してきた人。その分プライドが高かったり、周りでウジウジしている人を見るとすぐカッとなったりするんですけど。女性が男性より下に見られるのも納得できなくて、「私一人でも生きていける」っていう強さを持っていたり。今の時代にも通じる部分もあると思うので、まどかを通して響くメッセージを感じていただけたら。
山内:木村早苗ちゃんは、すごく純粋でまっすぐで一生懸命なのに加えて、弟たちの世話をするお姉ちゃんだからか、周りを見られる優しい子だと感じています。自分が苦しい状況でも明るく振る舞っていたり、自分よりもお父さんを優先したり、仲間を思う気持ちもすごく強い子だと思うので、木村早苗ちゃんらしさをしっかり演じたいと思います。
安田:私が演じる和美ちゃんは、最初は口調も悪くて気が強い感じなんですが、自分の好きな人と一緒に決めた人生を一生懸命生きようとする、女の子らしい部分もあって。喧嘩するシーンでリーダーのきみちゃんに寄り添うような人思いで温かい一面もあるので、そのギャップを見せたいなと思っています。
隅田:小百合はいじめられて引きこもったところを、お父さんに連れられてやってくる。喜美子の一言で「ダンスをやる」と決めるような、周りの熱い思いで気持ちを動かされることも多いんです。演じていて感じるのは、意外とうちに秘めた熱い思いがたくさんある子なんじゃないかなと。よく泣いちゃうんですけど、気持ちがあるからこその感情的な涙脆さなんだと思います。優しくて熱いし一生懸命な女の子です。
最後に、主演の樋口より、来場予定の方に向け、「大変な状況の中で、劇場に足を運んでくださって本当にありがとうございます。今この状況だからこそ、皆さんの心に刺さったり、響いたりするメッセージがこの物語にたくさん散りばめられていると思います。演じている私たちも、この作品に毎日力をもらっています。これからを生き抜く力強さを、この作品が皆さんに与えてくれるんじゃないかと思っています。ぜひ楽しみにしていてください。そして、お気を付けてご来場ください」とメッセージが送られた。

長年に渡り愛され、多くの人に感動を与えている名作『フラガール』。新たなキャストを迎え、さらにパワーアップした舞台から、新たな感動や勇気をもらえるのではないだろうか。彼女たちの汗と涙、そして笑顔が溢れるパワフルな公演に期待したい。
取材・文・撮影=吉田沙奈

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