LUNA SEA どんな逆境からも不死鳥の
ように蘇ってきたバンドが未来を引き
寄せるために踏み出した第一歩

LUNA SEA -RERORD-

2021.03.27 さいたまスーパーアリーナ
LUNA SEAが埼玉・さいたまスーパーアリーナにて『LUNA SEA -RERORD-』の振替公演を3月27日、28日の2日間にわたって実施。有観客及び、Streaming+とZAIKOを通して全世界に向けて生配信で行われたこの公演の1日目の模様をレポートする。
本公演は、そもそも昨年12月26日、27日に開催を予定していたもので、メンバーの真矢(Dr)の新型コロナウイルス感染に伴い延期となっていたライブの振替公演である。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年予定していた全国ツアー『LUNA SEA 30th Anniversary Tour2020-CROSS THE UNIVERSE-』も再延期となったLUNA SEAにとって、5人が揃ってライブのステージに集結するのは約1年1カ月ぶり。その間に、ライブ事情はすっかり様変わり。そのため、今回の公演は観客は収容定員の50%以内、ライブは第1部、第2部に分けた2部構成にして、途中に20分間の換気タイムを入れるなど、入念な感染防止対策を施したなかで行われた。
フロントに階段がついたドラム台の上、バックライトを浴びながらまず真矢が登場。それに続いてJ(Ba)、INORAN(Gt)、SUGIZO(Gt)、RYUICHI(Vo)がオンステージすると、第1部は「LUCA」で幕を開けた。
『LUNATIC X’ MAS 2019』の2日目、この場所で最後に彼らが披露した曲で過去といまを繋ぐと、LUNA SEAが刻む時計が未来へと向かって再び動き出した。シンガロングも歓声もないなかで、LUNA SEAがみんなと作る新しいライブスタイルとはいったいどんなものなのか。歓声を纏わないLUNA SEAサウンド、それは、一発目の音出しからRYUICHIの歌声を筆頭に、パワーとテクニック、両方を極めたバンドアンサンブルで冒頭から圧倒的な説得力で聴き手の心を射抜いていった。
「みんな心で歌って」、RYUICHIの煽り文句も新しいスタイルに変わっていた。観客の歌いたい気持ちを代弁するように、INORANが高らかにコーラスを歌いあげると、オーディエンスはクラップで歓喜を伝えた。2曲目は「Dejavu」。会場一体となったヘドバン、ジャンプのあと、いつもならコール&レスポンスが場内に響き渡るパートがくると、RYUICHIが“みんなの心の声は聞こえるよ”とでもいうように声のボリュームを落として観客に歌い掛けると、場内には感動が渦まいた。
バンドから観客へ、観客からバンドへ。声がなくても、想いは伝わっている。互いにそれを確信した後は、まずは真矢が挨拶。「年末はすいませんでした。その分倍返し……100倍返しする!」と元気な声で今日の意気込みをカメラ目線で宣言すると、続けてRYUICHIが「いまは大変なトンネルの中。でも絶対に抜けられます。真矢君もこうしてドラム叩いてますから。一緒に出口に向かっていって、未来を待つんじゃなく、引き寄せましょう」とグッとくる言葉を投げかけると、観客は大きな拍手で呼応。メンバーとファンの間で、この日はその未来を引き寄せるための第一歩なんだという思いを共有したあと、曲は「Closer」へ。
こうして、1日目の第1部はこの後も最新アルバム『CROSS』を掲げて行なっていたツアーを軸に、パフォーマンスを次々と展開。Jのベースフレーズがリードしていく「Pulse」、RYUICHIのシャウトの熱をSUGIZOがギターソロでマックスまで高めたあと、Jがピアノを弾いて観客を歓喜させる「PHILIA」、きらめくミラーボールが銀河となり、スケール感たっぷりにLUNA SEAが描くディープかつミステリアスな宇宙空間を音で体感していく「宇宙の詩~Higher and Higher~」、「静寂」など、ツアー再開への期待感を観る者の脳裏にたっぷりと刻み込んで第1部は終了した。
このあとは「THE ONE -crash to create-」のボーカルレスバージョンが流れだし、20分間の換気タイムへ。そして、再び場内が暗転。
第2部は、いつものSE「月光」からスタートしていった。ピアノに打ち込みのリズムを重ねた新しいバージョンの「月光」が流れるなか、再びオンステージした5人。そのなかで、トリプルネックのギターを持ったSUGIZOのシルエットが見えた瞬間、場内の空気がピンと張り詰めた。始まったのはもちろんあの曲、「LOVELESS」だ。最新アルバムの新曲たちがメインだった第1部に対して、第2部はこれでもかと必殺曲だけを並べたゴージャスなセットリストでライブを展開。1度の公演で、2本のまったく異なるライブを観ているような感覚はいままでになかったもの。RYUICHIの口からは、これ以外にもやってみたいと考えている新しいライブのアイデアが次々と飛び出し「いつか海でやりたいね」という提案にはファンも大喜び。
そのあと、「STORM」ではギターソロを弾くSUGIZOをRYUICHIとINORANが手をひらひらさせて盛り上げたり、「TRUE BLUE」では真矢を盛り上げようとその2人がドラムセット前の階段にポジションを移動するなど、迫力ある演奏とともに、いつも以上に楽しそうにはしゃぐメンバーたち。「ROSIER」では、SUGIZOのギターソロとバトルするようにノンブレスで歌を展開するRYUICHIの鬼気迫るパフォーマンスが場内の熱気をかき立てたところに、ダメ押しで「TONIGHT」を投下。会場がさらなるクライマックスへとのぼりつめていったなか、第2部は終わりを告げた。
オーディエンスがスマートフォンに青いフィルムを貼りつけ、医療従事者、闘病中の方々に向けブルーライトでエールを送る中、LUNA SEAが「Make a vow」をプレイするところから始まったアンコール。ここでは恒例のメンバー紹介のコーナーがあり、INORANは英語で海外のファンに挨拶しながら、こうして5人でみんなの前に戻ってこられたことに対して「曲をやりながらうるっときてました」と告白。SUGIZOは「心の声、めっちゃ届いてる。俺たち一つになれてるから安心して下さい」と前置きしたあと、「この苦境を乗り越えるリーダーとして、ツアー、絶対決行します」と宣言。続いて、Jも「こんな状況だからこそ成功例を積み重ねて、こんな状況でもロックなライブできるんだぜっていうのを見せたい」と語り、こうしてルールを守りながら「俺たちが一歩一歩を作っていこう」と伝えた。最後に、RYUICHIに促されてフロントに出てきた真矢はメンバー4人に見守られながら、改めて昨年末のことを謝罪し、続けて「本当にこのまま死んじゃうかもしれないと思って……」と当時の気持ちを振り返りファンを驚かせた。そして「みんなのツイッター見て……」まで話すと、言葉につまる。それでも、懸命に涙をこらえながら「みんなに助けられました」と伝えると、場内は号泣するファンが続出し、思いもよらない展開に。だからこそ、ツアーが再開したら「みんなを笑顔にして幸せな時間にしたい」と話した真矢は、「声が出せなくても、いつもと違う形でも、これもLUNA SEAなんだって思いました。ドラム台から見てて、みんなカッコよかった。“大好き”を通り越してダイスキングです!」といって、最後は新しいスタイルのLUNA SEAのライブを一緒に作ったみんなを讃えながら、茶目っ気たっぷりな笑顔を浮かべてみせた。そうして、最後はここから歩みだした未来に向けて「WISH」、アルバム『CROSS』から「so tender...」を届け、1日目のライブを締めくくった。
悪天候にメンバーの大病、骨折、そして今回の新型コロナウイルス……。どんな逆境に立たされようが、不死鳥のように蘇ってきたLUNA SEA。彼らが、未来を引き寄せるための第一歩を踏み出し、新しいアクトを提示して見せたこのライブは、3月30日(火)までアーカイブ視聴が可能だ。

取材・文=東條祥恵
撮影=田辺佳子、橋本塁

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