TFG 6人編成最後のライブとなったオ
ンライン公演で見せたメンバーの絆、
「共演したときには手加減せずに良い
作品を創れる役者同士でありたい」

TFG Online Live 2021

2021.3.26
人生に別れはつきものとはいえ、そのスパンがあまりにも短いと心が挫けることもあるだろう。だが、どんな状況になろうと彼らは前を向いていた。それは彼らの中に、仲間と、その決断に対する確固たるリスペクトがあったからだ。
2.5次元舞台などを中心に活躍する若手俳優で結成され、それぞれがイメージカラーのみならず“イメージフラグランス”まで持ち、人間の五感を刺激することをコンセプトとした新感覚アーティストグループ・TFG。7人組として2019年に始動したが、昨年8月に最年長の健人がグループを卒業し、今年2月には2ndアルバム『vacaTion』をリリースして、6人組としての新たなスタートを切ったばかりだった。3月8日に予定されていた1年以上ぶりの有観客ワンマンは新型コロナウィルス感染拡大防止のため中止になったものの、予定されていた会場がZepp Tokyoだったと聞けば、彼らに向けられていた期待の大きさがわかるだろう。そんな最中で発表されたのが、これまで“チームのレッド”としてTFGを引っ張ってきた赤澤遼太郎のグループ卒業。それに伴い卒業公演がオンラインで行われるという報せに、PARFANと呼ばれるTFGファンが受けた衝撃は想像するに難くない。だが、卒業公演のMCで語られたように「アカデミー賞を獲る俳優になる」という夢のための決断と言われては、一体誰が異を唱えられるだろうか。グループというものが異なる人生の集合体である以上、それぞれの選択タイミングが時に動揺と悲しみを引き起こすことは避けられないが、それもまた“運命”である。3月26日、最新作『vacaTion』をコンセプトにした第一部と、赤澤遼太郎の卒業をコンセプトとした第二部『graduaTion』という二部構成で開催された『TFG Online Live 2021』では、その運命を受け入れ、乗り越え、そして飛び立とうとする6人の姿があった。
ポップな「PA! PA! PA! Party Love!」で笑顔いっぱいに幕開けた第一部は、実に7ヶ月ぶりのライブステージ。当然ながらメンバーのテンションも高く、赤澤も「テンションブチ上がり!」と気炎をあげる。表情もダンスもキリリと情熱的に熱い大黒摩季提供曲「¡Hola! ¡Hola! ¡Hola!」、てらいのない“I Love You”ポーズをそれぞれ繰り出す「恋の変換点」、桜庭大翔の躍動的ラップに他メンバーが絡んで踊る斬新な「fallin」と、次々に移り変わる景色は“音で巡る世界旅行”という『vacaTion』の作品コンセプト通り。これまで以上に多彩かつダンス濃度の上がったパフォーマンスで、グループとしての成長を感じさせてくれた。
また、ライブ恒例のカバーメドレーでは“僕が歌いたくなるとき”というテーマを採り、トップバッターの前川優希は「日曜日よりの使者」(THE HIGH-LOWS)を喜怒哀楽渦巻く人生への応援歌として歌唱。桜庭大翔はtofubeatsの「RUN remix」をメロディックかつ歌心のあるラップで投下し、堀田怜央は人気のボカロ曲「シャルル」を台詞も交えながらドラマティックに贈った。
終盤には全員がスタンドマイクを立て、アルバムリード曲「瞬間」をひたすら前を見据えて歌い上げると、赤澤は「瞬間の積み重ねで今があるから」とポツリ。最後に贈られたアルバム唯一のバラードナンバー「彼方のリナリア」では、エモーショナルなボーカルをユニゾンではなく、順にソロで歌い継いで、それぞれが個人としても立っていける存在であることを証明してみせた。
続いて、第二部を幕開けたのは「瞬間」。6人組のTFGとしては最初で最後となるライブで、かけがえのない瞬間を刻んでいこうという気合いを示すと、さらに「シンセイカツ」に「ニコイチ」という赤澤リクエストの2曲を披露する。新たな門出へと向かう人の背中を押す「シンセイカツ」は、まさしく今の赤澤にピッタリのナンバーで、“流した涙も無駄じゃない”と歌う佐藤信長に肩を掴まれて「20回くらい泣きそうになってます!」と苦笑いする場面も。デジタリックな「ニコイチ」では、曲名の通りペアになってハシャギながらも、やはりこみ上がるものは抑えられない様子。「どれも思い出はあるけど、中でも楽しく笑って終われる曲を」と選曲の理由を話した赤澤に、「笑ってなかったよ!」と前川からのツッコミが飛んだのも然もありなんだが、このシチュエーションで笑いより涙が勝ってしまうのは責められないろう。
第一部に続き、第二部では佐藤、坂垣怜次、赤澤の3人がカバーメドレーを披露。佐藤はコブクロの「風見鶏」をしっとりと歌い上げ、坂垣は菅田将暉の「虹」をなんとピアノで弾き語り。赤澤は「受験生のときに励まされて、目標を達成できた曲」と、阿部真央の「Believe in yourself」を力強く、真っ直ぐに届けた。自分で自分を肯定することの大切さを綴りながらも、“楽な道は選ぶな”と自分を厳しく律する歌からは、今回の選択に対する覚悟が十二分に伝わって、メンバーも「遼太郎の魂を感じましたね!」と絶賛。桜庭は「楽屋でずっと練習してたの見てたから、最後のサビで笑ってるのに泣きそうになった」と告白してくれた。
「次は「彼方のリナリア」。今はなかなか会えない人に向けた手紙の曲ということで、手紙を書いてきました!」と、ここでメンバーから赤澤にサプライズが。「貴方は太陽のような人。これを言うと照れて笑う貴方の顔も素敵です」(前川)、「ツボの浅い貴方の無邪気な笑顔を見てると本当に心が軽くなります」(桜庭)とパーソナリティを的確に捉えた言葉に始まり、「人には生きていく上でいろんな道があって遼太郎にも歩む道があります。その道が遼太郎にとって幸せな道になることを応援してます」(堀田)と、どの手紙にも赤澤への愛があふれていたことは言うまでもない。坂垣は「TFGで遼太郎の存在は大きかったです」と涙をこらえ、最後はTFG以前から共演歴の長い佐藤に「TFGを離れても、みんなで頑張った時間、かけがえのない時間だから忘れるなよ。また共演しよう!」と手を握られて、赤澤は「何も言えねぇ……もう無理だよ、こんなの!」と感涙。そうして始まった「彼方のリナリア」では、彼の肩を抱く前川、顔をグシャグシャにして歌に感情をぶつける坂垣、あえて涙を見せずに最年長の包容力を見せる佐藤と、それぞれがそれぞれの方法で赤澤を送り出す。“君とただ笑った日々が 今では僕のこと支えています”と赤澤が満面の笑顔で歌ったサビの歌詞も、今の状況と完全にリンク。そんな彼を中心に微笑み合う6人は、これからも“一人では越えられない夜”を互いに支え合っていくのだろう。
「ちょうど2年前にビジュアル撮影が始まって、“初めまして”の中でいろんな仕事を乗り越えることで絆が深まって。俺にとってすごく居心地のいい場所なんだよね、TFGは。変わらないから、俺は。これからも仲良くしてね」
結成時からの思い出話に花を咲かせつつ、そう語った赤澤は「PARFANの皆さんに本当に支えられてきた。想いは変わらないから」と約束。堀田は「これがお別れじゃないから。お互い、これが次へのステップになれば」とエールを贈り、桜庭も「遼太郎と一緒にいた思い出は変わらない。それを背負って頑張っていく」と決意を伝えた。「TFGは本当に幸せな空気感があって、メチャメチャ笑うし、真剣に取り組むし、切磋琢磨できる」と語った坂垣は、「でも、遼太郎とはゲーム仲間ですから。これからもお互い頑張ろうぜ、My Man!」とグータッチし、佐藤も「これからはお互い役者として、ライバルとして頑張ろうぜ!」と共演を切望。前川は「人生は出会いと選択の連続。遼太郎くんは僕らと出会ってくれて、進む道を自分で決断したというだけなので、みんなで応援したいし負けられない」と、同じ97年生まれならではのライバル心を垣間見せた。
「ホントに僕にとって、この5人は大切なんです。だから、正直この卒業という選択には寂しい想いもありますけど、自分の夢に向かう第一歩として決断しました。僕の夢はアカデミー賞を獲る俳優になることです。だから、もっともっとお芝居に向き合っていきたいし、自分をスキルアップさせていきたい。PARFANのみんなを笑顔にしたいっていう想いは一つだから、卒業しても僕はPARFANとしてみんなを応援するし、共演したときには手加減せずに真っ向からぶつかって良い作品を創れる役者同士でありたいので、これからの未来が僕は楽しみで仕方ないです!」
希望にあふれる言葉からフィナーレを飾ったのは、思い出いっぱいのデビュー曲「My dear Summer」。ハッピーなサマーチューンに乗って6人はカメラに笑みを投げかけ、「みんな聴こえてるからね!」と画面の向こうのPARFANたちにコールを促す。間奏のダンスタイムでは、各メンバーから赤澤にパフォーマンスのプレゼントがあり、最後に堀田が花束を差し出すという二度目のサプライズが。赤、青、ピンク、オレンジ、黄色、紫と6人の担当カラーで彩られた花束を見た赤澤は泣き崩れ、「みんなありがとう!」と涙のうちに、TFGは6人組としての歴史を終えた。人生の決断というものは、どんなに涙を流したとしても、そのすべてが疑いなく前向きなもの。ここから始まる5人組としてのTFGの、そして赤澤遼太郎の役者としての未来が、より光あるものとなることを祈りたい。

取材・文=清水素子 撮影=青木早霞(PROGRESS-M)

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • POP TUNE GirlS / 『佐々木小雪のイラスト花図鑑』
  • POP TUNE GirlS / 『涼水ノアの、ノアのはこぶ絵』

新着