L→R 山森“JEFF”正之(Ba)、古沢“cozi”岳之(Dr)、古市コータロー(Gu)、加藤ひさし(Vo)

L→R 山森“JEFF”正之(Ba)、古沢“cozi”岳之(Dr)、古市コータロー(Gu)、加藤ひさし(Vo)

【THE COLLECTORS インタビュー】
シブいTHE COLLECTORSより、
弾けてるTHE COLLECTORS

こういうBOXセットを作るのは、
自分にとってすごくいいこと

B面の「揺れる恋はスミレ色」ですが、このタイトルで曲が書けるのは、今や加藤さんしかいないのではないかと。

まぁねー。やっぱりそこは年齢が出るよね。Betsy&Chrisの「白い色は恋人の色」やヴィレッジ・シンガーズの「亜麻色の髪の乙女」、桑名正博の「セクシャルバイオレットNo.1」、一風堂の「すみれ September Love」…そういうのを凝縮してフォークロックみたいな曲を作りたいと思ったら、そういうエキスが全部出ちゃいまして(笑)。

この甘酸っぱさがまたいいんですよねぇ。

実は違うテーマで書こうとしていた歌をヒントに作ったんです。当初は“プライマリーカラーズ”というタイトルで…“原色”という意味なんですけど。例えば、青に赤を入れると紫になるし、青と黄を混ぜると緑になる。その原色がひとりひとりの個性だとすると、ふたつの色が混ざると新しいきれいな色が生まれる。でも、人間って欲張りだから“もっともっと他の色を”ってなるでしょ? そうするとどんどんグレーになって、最後は黒になっちゃう。そういう歌を書こうと思ってたんですよ。で、最終的に青と赤が紫…スミレ色になるっていう春の歌を書くことに決めたんです。

今のお話を聞くと“プライマリーカラーズ”も興味深いテーマですね。

「ダ・ヴィンチ オペラ」(『別世界旅行〜A Trip in Any Other World〜』の収録曲)の歌詞に《モナリザも始まりはひとつの小さな点》というフレーズがあるじゃないですか。モナリザは絵画なので、それをロックオペラで発表するとしたら、その中に「プライマリーカラーズ」っていう曲があったら相当いい作品になるだろうなと思って書き始めたんですよ。もう浮かびますよね、映像が。

もともと「ダ・ヴィンチ オペラ」はロックオペラを想定した、独立した作品として存在していましたものね。

そうですね。そういうのもチラチラしていたんですけど、今回の作業は急ピッチで進めないといけないという状況もあり…このBOXセットに新曲がなぜ入ったかと言うと、春の新譜ツアーが新型コロナウイルス感染拡大防止のために全部中止になったので、急遽新曲を作ってレコーディングすることになったんです。

でも、結果的に“The Beatlesごっこ”というアイディアが生まれて功を奏したということに…

なりますね。まさしく自分でも前に進めた2曲になったし。“悪いことが起こっていても全て悪くない。それによって生まれたこんな2曲があるんだから”ってファンも喜んでくれるといいし、自分にもそれが励ましとして存在しているし。

イントロのベースラインからグッときましたよ。

あれはね、山森は最初違うフレーズを弾いてたんですけど、僕が“The Beatlesの「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」をそのままやって”と言って…それも功を奏してるんですよ。あれ以外のフレーズは考えられないし、あれがベスト! ポール・マッカートニーが教えてくれたフレーズを入れる…そういうのが楽しかったですね。山森は照れてましたけど(笑)。

そこを振りきることでこの曲は成立すると。

そうです。この曲は振りきらないと…The Beatlesになりきらないとダメなんですよ。

このBOXは7インチシングルのワクワク感を久しぶりに味わえた感じがします。

シングル盤ってそういう役目ですよね。実は「ヒマラヤ」を作る前に、すごくフォークロックなアコースティックの曲ができたんです。それはギターのコータローが“シングルっていうのは粋で軽快なポップチューンがずっと続くから、最新シングルは少しフォークでシブい感じでもいいんじゃない?”って言うんで、そういうのを作ったんだけど、みんなに聴かせたら“まぁ、ありっちゃありだよね”っていう反応でさ。で、プロデューサーの吉田 仁さんから“やっぱり最新シングルも弾けてるよね!”というのはないのかって言われて、それで新たに作ったのが「ヒマラヤ」なんですよ。そしたらみんなも“うわっ、これいいじゃん!”となって、こっちをレコーディングすることになったんです。

仁さんのTHE COLLECTORS愛の振りきりってありますよね。

俺たちは“35年の歴史があるんだから、ちょっとシブがってもいいんじゃない?”とどこかで思ってるんですけど、仁さんは“シブいTHE COLLECTORSより、やっぱり弾けてるTHE COLLECTORSでしょ!”というのが永遠にあるんでしょうね。そっちが正しいんだと思います。

還暦なんて知ったこっちゃない!と。

知ったこっちゃないですねー。還暦を過ぎても「シー・ラヴズ・ユー」を歌っている男のほうがいいのかなって思いました。「ヘイ・ジュード」を歌うよりもね。

還暦記念ライヴで還暦カラーのユニオンジャックのスーツを着る加藤さんが、みんなは好きなんですよ。

うん。やっぱりね、あそこでダンディーにキメてくるのは、きっと僕じゃないんですよ。でも、往生際が悪いところも含めて自分を表現しきれているし。THE COLLECTORSのコレクターなところだと思うんですよね。結局、The Whoのユニオンジャックのジャケットを見たその日から、何も変わってないわけですよ。それが僕だし、それを今になっても越えられないんです。

35周年も“ひと区切り”ではないですよね。

自分の中では“周年”の区切りはないんですよ。もちろんこういうBOXセットみたいなものを作るのは、自分にとってすごくいいことで…一回立ち止まって後ろを振り向けるから、“今までこう歩んできた”っていうのを視覚的にも聴覚的にも再確認できるし、再発見もあるし、“次は何をやろうかな?”って考えられるので。そうだなぁ…自分が思い描くロックオペラを作り上げた時、ひとつの仕事を終えた感じになるのかな?

そのこれまでの歩み、礎、背景、時間的な意味も含めての歴史、それがしっかりと見えた上で、なおかつフレッシュなのが今回の新曲2曲でした。

あっ、そう感じました? それは一番の嬉しい褒め言葉です。

そして、6月には⼤阪城⾳楽堂で35周年記念のライヴが。どんなライヴになりそうですか?

35周年を感じさせつつも、さらに前に進むバンドの姿を見せられるライヴにしたいですね。もちろん新曲やりますよ!

取材:竹内美保

7inch BOX『13 VINYL SINGLES』2021年6月2日発売 日本コロムビア
    • COZA-1755~68 
    • ¥25,300(税込)
    • ※13EP+DVD
    • ※生産限定商品 
    • ※シリアルナンバー入り

ライヴ配信

『THE COLLECTORS 35th Anniversary LIVE SHOW “Mod Go Round”』
6/26(土) 大阪・⼤阪城⾳楽堂

『THE COLLECTORS CLUB QUATTRO MONTHLY LIVE 2021』
<2020年の振替公演>
6/05(土) 東京・渋谷 CLUB QUATTRO
7/11(日) 東京・渋谷 CLUB QUATTRO
8/08(日) 東京・渋谷 CLUB QUATTRO

THE COLLECTORS プロフィール

ザ・コレクターズ:1986年初頭、ブリティッシュビートやブリティッシュサイケに影響を受けた加藤ひさしと古市コータローを中心に結成。2014年に山森“JEFF”正之、17年に古沢“cozi”岳之が加入し、現在のメンバーに。メジャーデビュー30周年を迎え、17年3月1日には初の日本武道館を開催し、18年11月には初のドキュメンタリー映画『THE COLLECTORS 〜さらば青春の新宿JAM〜』が公開された。20年11月には、加藤ひさしの還暦記念ワンマンライヴ『THE COLLECTORS, HISASHI KATO 60th BIRTHDAY LIVE SHOW “Happenings 60 Years Time Ago”』を開催。そして、21年6月はバンド結成35周年記念公演を大阪城音楽堂で開催し、22年3月には5年振り2回目の日本武道館を実施。THE COLLECTORS オフィシャルHP

「お願いマーシー」MV

「太陽はひとりぼっち」MV

「たよれる男」
@大宮ソニックシティ 2020.11.23

OKMusic編集部

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