松川ケイスケ(LACCO TOWER)

松川ケイスケ(LACCO TOWER)

松川ケイスケ(LACCO TOWER)
- Key Person 第14回 -

LACCO TOWERの活動が
ひとつの生き方になったら

2014年に“故郷の群馬でロックフェスを開催すること”を旨にイベント『I ROCKS』を立ち上げ、群馬音楽センターでのback numberとの2マンから始まり、2019年には4日間連日開催、21年はコロナ禍でも群馬・伊勢崎市文化会館でワンマンを含む5日間公演を開催されましたが、改めて『I ROCKS』への想いをお聞きしたいです。

今の僕が思う『I ROCKS』は、club FLEEZで初めて企画をやった時に一番コアにあった“好きなバンドを呼んで、みんなで楽しもう”っていう気持ちと変わらないんですよ。その時々の状況や年齢も絡み合って、来てくれる方や協力してくれる方が意味をつけてくれるんだと思います。やっている側として考える濃度や時間は年々変わっていますが、根本にあることは同じですね。

『I ROCKS』含め、LACCO TOWERがこだわってきたことのひとつに“セルフプロデュース”があると思いますが、そこにこだわる理由は何ですか?

こだわったって言うと聞こえがいいんですけど、たぶん“自分たちをカッコ良く見せられるのは自分たちしかいない”ってどこかで意固地になってたんですよね(笑)。それって、猛烈な自信と、猛烈な無知識が備わっていたからこそ、そう思えていたんじゃないかなと。今では仲間のバンドがやっていることや、音楽に触れたり、年齢を重ねていく中で、改めていろんなものを取り入れることの大切さも感じてます。でも、一周回った今でも“自分たちのことは自分たちが一番よく見せられる”って思ってるところはありますね。前ほど“こうじゃなきゃいけない”という感じではないんですけど、例えば“自分にはこの髪型が似合う”ってあるじゃないですか。でも、美容室に行ったら意外と“これもいいかも!?”ってなる感覚もある。だけど、そのために美容室に行くことをそんなに大事には思ってないというか。

言葉にするとそのLACCO TOWERのスタイルは孤高のバンドのように聞こえるかもしれませんが、『I ROCKS』でたくさんのバンドとライヴを作り上げていることもあって、LACCO TOWERに対して一匹狼なイメージはまったくないです。ご自身ではLACCO TOWERをどんなバンドだと思ってますか?

面白いバンドだなって思います。いよいよ結成20周年を迎えて、こんなに素直なバンドは珍しい気がするし、まだ伸びしろがあるように感じるのもすごいことだと思いますね。孤高なバンドって、たぶん男の子として憧れていた部分はあるんですけど、それになれなかった僕らの弱さというか(笑)。よく言えば、そのへんの可愛らしさもあって変なバンドだなと。“〇〇っぽいな”っていうのがあまりないので、LACCO TOWERの活動がひとつの生き方になったらいいなと思います。

孤高になれなかった弱さというより、いい意味で頑固すぎなかったのではないですか?

全然頑固じゃないですね! いや、頑固なのかな?(笑) 自覚はないんですけど、周りから見たら頑固なバンドかもしれないです。自分の中に譲れない部分があるというか、何をするにしても“どういう意味合いを持ってそのことをやるのか?”にはこだわりがあると思います。その行動が合っているかどうかではなく、どんな想いがあってやったのかをちゃんと答えられるかどうかに。

21年3月にリリースしたアルバム『闇夜に烏、雪に鷺』がベスト盤ではなく、“黒白極撰曲集”であることもそうですよね。

そうですね。そういう“なぜこれをするのか?”という部分ではメンバーとも喧嘩します(笑)。決まる時にフワッとしてても、そこにもちゃんと想いがあるはずだから話したいっていう面倒くさい性格ではありますね。

ひとつひとつの行動に対する意思をしっかり確認している中で、LACCO TOWERがメジャーシーンで音楽活動をしていくことをどう受け止めていますか?

メジャーとインディーの違いというより、気の合う仲間や一緒にやってて楽しい人たちがメジャーにいたというか。バンド活動でいろんな人と巡り会ってきたけど、最初から腹の中まで見せることはできないし、仕事上の話であればそんなことは起こり得ないのかもしれない。それでも“この人を喜ばせたい”と思える人であるかどうかが僕の中ですごく大事で、その喜ばせたい人たちと一緒にやっていける環境がたまたまメジャーだったのかなと。結果論ですけど、そう思います。バンドにとっても大きい出来事で、“メジャーデビューしたぜ!”みたいな若い気持ちもありましたけどね。

バンド結成時から自分の気持ちだけでなく、周りの人との意思疎通もすごく大事にされていますよね。

そうですね。所詮は楽器しかできない5人っていうのもあるので、人の支えがないと何もできないし。このコロナ禍の中、自分ができないことをやってくれる人が周りにいるのはすごく幸せなことだなって感じました。自分たちでは分からないこと、気づかないことを与えてくれたり、今までに意思疎通ができなかった人もいましたけど、それでも周りの人に育てられたと思っています。

そんな今までの活動も振り返って、松川さんのキーパーソンとなる人物はどなたですか?

音楽面で言うと、僕はTULIPが好きなので財津和夫さんなんですよ。歌詞を書くというルーツを作ってくれた人なので。でも、生き方だったり、大事なタイミングで思い出すことがあるのは依与吏かもしれないですね。最前線で活動し続けていて、“だからこそ”って思ってる僕らもいるし、自分の気持ちを奮い立たせてくれたり、当時言われたことが心に残っているっていうのもあるし。10年振りくらいに会った時、白い服にワインをこぼされましたけどね。後輩だから2発分どついたらなあかんと思うんですけど(笑)。んー、あいつをキーパーソンにするのはちょっとしゃくやな…。

あははは。ちなみに他にも思い浮かんでる方は?

一回バンドを辞めようと思った時に助けてくれたSUPER BEAVERの渋谷龍太だったり…あと、同い年でいつも悩みを聞いてくれるのが中田裕二で。まぁ、やっぱりあいつのおかげで頑張ってこれてるところもあるので、キーパーソンはback numberの清水依与吏ですね。

取材:千々和香苗

LACCO TOWER プロフィール

ラッコタワー:日本語の美しさを叙情的リリックで表現し、どこか懐かしく切なくさせるメロディー、またその世界とは裏腹な激情的ライヴパフォーマンスで、自ら“狂想演奏家”と名乗り活動。自身主催のロックフェス『I ROCKS』を2014年から開催している。復活したレーベル『TRIAD』と契約し、15年6月にアルバム『非幸福論』でメジャーデビューを果たし、20年に5周年を迎えた。LACCO TOWER オフィシャルHP

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