L→R rio(Key)、syunn(Ba)、kiila(Vo)、tomoki(Dr)、yu-ya(Gu)

L→R rio(Key)、syunn(Ba)、kiila(Vo)、tomoki(Dr)、yu-ya(Gu)

【vivid undress インタビュー】
地獄から愛の歌を
歌えるようになるまでのひとつの物語

最後の「後悔」は
何かの集大成のような感じがする

歌詞にしてもサウンドにしても決して単純ではなく、隠れた内側の部分までも表現したということでしょうかね。その点で言うと、今回、もっとも素晴らしいのは6曲目の「後悔」ではないかと思うんです。エモーションが重なっていく様子がとにかくすごい! 私、何度聴いても、後半の《なのに君は「私のために」って悩んでた/泣いてた》のところで涙腺が緩んでしまうんですが、どうしてこんなに素晴らしい楽曲が生まれたのでしょう?

yu-ya
歌詞はkiilaちゃんが作ってくれたんですけど、その歌詞の世界観と自分が作りたかった曲の世界観が少しミスマッチしてて、それが一緒になることで相乗効果にもなったのかなと。俺が最初に作りたかったのは“行くぜ!”みたいな感じだったんで、この歌詞の世界観とは違ったんですよ。トラックを作ってから歌詞が世界観と別になることはよくあるんですけど、今回はいい意味で違うことでの良さが出たのかなと。
kiila
この曲は一番最後にできたんですよ。yu-yaから曲をもらった時は単純に“いいな”って思ったんですけど、その頃に私の祖父が新型コロナウイルスで亡くなったんですね。祖父に対してっていうわけではないんですけど、家族や友達が急にいなくなるかもしれないってことを考え出したら止まらなくなって、その気持ちを歌詞にしたんです。

それを聞いて納得です。この歌詞ってパッと見には牧歌的な印象で“さよなら。またね〜”くらいにとらえられると思うんですけど、楽曲全体として聴いた時には全然そんなことがなくて、まさに死別くらいに思ったんですよ。

kiila
その通りでしたね。本当にこの歌詞は熱量がめちゃくちゃ高い時に書いたんで、そこで最新の曲に合わせたらぴったりとハマったというのは、本当にケミストリーだったと思います。
yu-ya
でも、曲を作る時はかなり頑張りました。もともとは違う曲が候補としてあったんですけど、それを今回の6曲の中に入れるのはちょっと違うというのが俺の中にあって。「後悔」のような雰囲気の曲がどうしても作りたいと思ったんです。

メロディーはポップですごく分かりやすいし、さわやかさと開放感のあるナンバーではあると思うんですが、何度聴いても涙腺が刺激されるんですよね。“これは一体何なんだろう?”と不思議に思っていたんですが、楽曲の成分に本当の“後悔”が入っていたとなれば、そりゃあやられるわけですね。

kiila
そう言ってもらえるのは嬉しいですね。人の熱量って音楽に乗せてちゃんと伝わるものなんですね。商業的に作ることも大事かもしれないんですけど、熱量があって、ただひたすらにそれを表現する…みたいな曲だったと思うので、今、それを改めて思いました。

バンドの4つの音が《悩んでた/泣いてた》に向かって密集し、ピークを迎える。そこが実に素晴らしい! 「後悔」でのアンサンブルはvivid undressとしてのひとつの成熟と言えるかもしれませんね。

yu-ya
本来やりたかったことができてるんですけど、一周した上でできてるというか…さっき言った“引き算”を経た上でそれがやれているんですよね。
kiila
その《泣いてた》で言うと、これはマニアックな話なんですけど、最初は♪泣いてた〜だったんですよ(※平板に歌う)。でも、私もそこが一番沸点の高いポイントと思っていたので、♪泣いてた〜って“た”を一音だけ上げたんですね。多分それも良かったんじゃないかと思います。ちょっとマニアックですけど、音符をひとつ上げるだけで、そこに沸点が来るという技を使ってます(笑)。

なるほど。いろんなものが入ってるんですね。“いい出汁が取れている”という表現でいいのかどうか分かりませんが。

kiila
いい出汁が取れてますよ(笑)。
rio
もうひとつお出汁を提供していいですか?(笑) この曲も一緒に歩んできたレコーディングエンジニアの方にミックスをお願いしたんですけど…最初の7秒間くらいに変なところがなかったですか?

イントロの頭でリバース音とかが聴こえてきますね。

rio
そうです。あの7秒間には今までのvivid undressの曲が入ってるんですよ。この部分は前述のレコーディングエンジニアの提案で入れたんです。うちらの代表的な曲や印象的な曲をグニャグニャと曲げたり、それこそリバースしたりしてるんですね。あと、その方が最後のサビのところで“もっとエモーショナルにしたい”と言って、最後の最後でコードを変えたんです。
kiila
あっ、そうだ! 私、その時いなかったけど、あとでその話を聞いた。
rio
うん。自分的にもあそこでもうひとつ何かエモーショナルな要素を挟みたいと思ってたし。ただ、その時点でギターを録り終わっていたから、キーボードで最後のサビだけ一音違うアプローチにしたんですよ。さっきyu-yaも言ったんですど、この曲はこのアルバムの最後にできた曲で、他の5曲はギターのリフ的にあんまり印象的なものがなかったということで、“今までのうちらっぽいリフも入れようよ”ってyu-yaが作って来たんですね。そういう経緯や、今まで一緒にやってきてくれたそのエンジニアの提案も含めて、何かの集大成のような感じがするんですよね。だからか、曲順を決めることになった時も全会一致でこの曲は最後がいいとなりました。

イントロ前のSEっぽい感じは時計を巻き戻すような、文字通りの“後悔”を具現化したような感じととらえていましたが、そんな制作背景があったとは。

kiila
エンジニアの上甲敬太さんは初期からずっとかかわってくれている人だから、私たちの酸いも甘いも知ってるというか、いろんな事情も知ってくれているので、それもケミストリーだったと思うんです。
rio
で、そのリバースも含めた頭のところをsyunnに作らせるという。で、syunnは“えっ、なぜ俺に?”みたいな感じだったんですけど(笑)。
yu-ya
そう。“何個か代表曲をうまく混ぜてSEを作ってみろ”みたいな感じで言われて(笑)。でも、頑張って作ってましたね。syunnちゃんが頑張ってくれて良かったです。

先ほどから“ケミストリー”という言葉を使われてますが、いろいろなものが合わさって、奇跡的なテイクが録れたのかもしれないですね。この「後悔」は他の5曲とは圧倒的に何かが違うので、珠玉の名曲と言っていいのではないかと思いますよ。

yu-ya
ドラムのtomokiから、この曲を作っている時だけ珍しくめちゃくちゃLINEが来てました。“yu-yaさん、今、「後悔」の進み具合はどんなですか?”って(笑)。
kiila
乗ってたんだね、多分(笑)。

冒頭の7秒にこのバンドのサウンドが文字通り凝縮されているように、ここまでのvivid undressの活動があってこそ、こういう音が生まれたんでしょうし、歌詞にはkiilaさんの人生も含まれているわけで、さまざまな要素が集結したからこそ、こういう名曲が生まれたのでしょうね。

kiila
個人的にはこのバンドって私を救うために集まってくれた人たちみたいなところがあって、そこから…さっきも言いましたけど、地獄から愛の歌を歌えるようになるまでのひとつの物語だと思うところもあり、ここまで来れたのは歴史があるからだとひしひしと感じてます。

取材:帆苅智之

ミニアルバム『愛のゲイン』2021年6月23日発売 徳間ジャパンコミュニケーションズ
    • TKCA-74946
    • ¥1,800(税込)

ライヴ情報

『IGNツアー』
6/26(土) 東京・新宿BLAZE

vivid undress プロフィール

ヴィヴィッドアンドレス:2014年、別々に音楽活動をしていたメンバーが出会って結成。実力派のメンバーが奏でるテクニカルかつソリッドなサウンドに相反するような大衆性のあるkiilaの歌声、そして90年代J-POPを想起させるど真ん中を突くメロディーを武器に、“J-POP 突然変異型 ROCKクインテット”を称し活動を始める。17年3月に自主レーベル“MONOLITHIC RECORDINGS”の立ち上げを発表、全てのバンド運営に 関する業務をメンバーで分担し、精力的に活動。19年12月に1stアルバム『混在ニューウェーブ』のリリースをもって待望のメジャーデビューを果たす。vivid undress オフィシャルHP

「オリジナルカラー」MV

『愛のゲイン』 All track Trailer

OKMusic編集部

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